悪役令嬢と噂されているので、全力で逃げることにしました!〜できれば静かに暮らしたい〜

『ほら、ご覧なさって。あそこにいるのが噂の公爵令嬢ですわよ』
『噂通りのかたで、悪役令嬢という感じですわね』

公爵令嬢であるハナミア・マーズのほうを見ながら、楽しそうに囀っている令嬢達。

 悪役令嬢??どうして私が……

ハナミアは幼い頃から病弱で、静養のためにずっと領地で過ごしていた。つまり公爵家の駒として役に立たないから、両親から放置されていたのだ。

――あっ、でもグレたりはしていませんよ。自分でも言うのもなんですが、田舎で真っ直ぐに育ちましたから。

病弱ゆえに社交界に出るのも今回が初めて。だから悪役令嬢になる機会もなかったはずなのに、なぜか悪役になっているハナミア。
立派な両親と優秀な弟妹達はハナミアを庇うことはない。
家族のこういう態度には慣れているので、全然平気である。

ただ平凡で、病弱で、時々吐血することがあるハナミアには、悪役令嬢は少しだけ荷が重い。

――なんか天に召される気がするわ……

なのでこっそりと逃げようと思います!

これは自称平凡な公爵令嬢が自分の身の丈(病弱?)に合わせて、生きようと奮闘するお話です。
もちろん周囲はそんな彼女を放ってはおきません。なぜなら平凡は自称ですから…。
⚠ヒーローは優しいだけじゃありません、一癖も二癖もあります。
⚠主人公は病弱を通り越し死にかけることもありますが、本人は明るく元気ですのでご安心?を。


※設定はゆるいです。
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