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50.お仕置き♪
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ミファン家からもララとの結婚をなんとか認められたトカタオは、ミアから『今日は泊まっていきなさい、部屋もちゃんと用意してあるから』と勧められたので、王宮に帰らず南の城に泊まることになった。通された部屋はピンク一色のムード満点の部屋で、部屋の真ん中にある天蓋付きのベットの上にはピンクとブルーの色違いの枕が仲良く二つ並べてあった。
侍女に案内されてララとトカタオが一緒にこの部屋に入ろうとした時は、父サイガと兄マオが鬼の形相で『そんな破廉恥な部屋は駄目だー!許さんぞ!』と廊下を走って迫ってきたが、侍女がそんな二人に『ミア様からのお手紙です』とそれぞれに手紙を渡した。その場で開封し読み始めると二人は顔を青ざめ『不味い、あれがばれている…。すぐに手を打たなければやばい』と言って、すごすごと引き下がっていった。何が書いてあったが知らないが、無事にララ達は部屋へ入ることが出来た。
「うぁー、お母様のセンス最高!可愛いお部屋で一緒にお泊りなんて嬉しいね」
「あ、ああ。そ、そうだな」
ララはピンクの可愛い部屋にテンション上がりまくりだが、トカタオは鼻血が出そうになるのを必死に堪えているので返事も碌に出来ないでいる。大人の妄想を必死で理性で押さえようとしているのだ。---頑張れ、王子の理性君!
「ねえねえ、トカは寝相は悪い?私はかなりゴロゴロするみたいなんだけど平気かな~。寝相が悪くても嫌いにならない?」
「もちろん、嫌いになる事なんてない。安心しろ、俺がララがベットから落ちないように抱いてやるからな」
「きゃー、抱くなんてトカのエッチ。なんかドキドキしちゃって眠れないかも」
「それなら眠くなるまでベットに入って話でもしよう」
トカタオは理性君をしっかり働かせて、ララと一緒に豪華なベットに潜り込んだ。ララは純粋にトカタオとのお泊りが嬉しくてはしゃいでいる。
「こうして今ララと一緒に居られることは俺にとって奇跡だな。最初はお世話係として出会い、運命なんて感じる雰囲気ではなかったからな」
「そうかな、王宮に行く前から私はトカと繋がっていたし、その後も最悪の関係の時も繋がっていたから、やっぱり運命の赤い糸は素晴らしく丈夫だったんだと思うよ」
「…繋がっていた?」
「うん、トカの事を考えて踊っていたんだよ。踊りの効果もばっちり表れていたから、繋がっていたの。これこそ運命よ♪」
「意味が分からんな。効果ってなんだ?」
「えーとっ、10円ハゲとか寒気とかお茶会後にお腹を壊すとかあったでしょ、それだよ」
「………」
ララはテンションが上がり過ぎて余計なことまで暴露してしまっている。トカタオはにっこりと微笑んでララの髪を優しく撫でながら『もっと詳しく教えてくれ』と耳元で甘く囁いた。そんなトカの願いを快諾し、ララは暴露を続ける。---止めておけ、ララ。
「エヘヘ、もう時効だから言っちゃうね。私、呪いのダンスをマスターしてちょっとだけ困る呪いをトカに掛けていたの。でも今考えたら、これこそ赤い糸での繋がりだったんだね。ウフフ」
呪いで繋がる赤い糸なんて有り得ないし、時効とは自分で決めるものではない。ララの変な解釈にトカタオは誤魔化されなかった。そしてにやりと笑うと、理性君とはおさらばして本能君と仲良くする事に決めた。
「このいたずら好きな『番』め。今までの呪いのダンスの分をお仕置きしなくてはな。覚悟はいいか、ララ」
「えー、『番』なのに許してくれないの?」
「ああ、許さん。今日は大人しく寝ようと思っていたが、それはやめた。これから大人のお仕置きタイムだ」
「…大人のお仕置き?なにそれ」
トカタオのお仕置き宣言と共に部屋の明かりは消され、『あ~ん♪それ駄目…』という声を皮切りにララは一晩中しっかりとお仕置きされたのであった。
---翌朝---
『ついに大人の階段登っちゃた♪それにしてもトカ凄かったな、やっぱり百聞は一見に如かずだね!
でも【ヤッホー】って言う場面なかったんだけどこれでいいのかな…?』---いいのです、それが正解です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これにて完結です。
読んでくださり大変有り難うございました。
侍女に案内されてララとトカタオが一緒にこの部屋に入ろうとした時は、父サイガと兄マオが鬼の形相で『そんな破廉恥な部屋は駄目だー!許さんぞ!』と廊下を走って迫ってきたが、侍女がそんな二人に『ミア様からのお手紙です』とそれぞれに手紙を渡した。その場で開封し読み始めると二人は顔を青ざめ『不味い、あれがばれている…。すぐに手を打たなければやばい』と言って、すごすごと引き下がっていった。何が書いてあったが知らないが、無事にララ達は部屋へ入ることが出来た。
「うぁー、お母様のセンス最高!可愛いお部屋で一緒にお泊りなんて嬉しいね」
「あ、ああ。そ、そうだな」
ララはピンクの可愛い部屋にテンション上がりまくりだが、トカタオは鼻血が出そうになるのを必死に堪えているので返事も碌に出来ないでいる。大人の妄想を必死で理性で押さえようとしているのだ。---頑張れ、王子の理性君!
「ねえねえ、トカは寝相は悪い?私はかなりゴロゴロするみたいなんだけど平気かな~。寝相が悪くても嫌いにならない?」
「もちろん、嫌いになる事なんてない。安心しろ、俺がララがベットから落ちないように抱いてやるからな」
「きゃー、抱くなんてトカのエッチ。なんかドキドキしちゃって眠れないかも」
「それなら眠くなるまでベットに入って話でもしよう」
トカタオは理性君をしっかり働かせて、ララと一緒に豪華なベットに潜り込んだ。ララは純粋にトカタオとのお泊りが嬉しくてはしゃいでいる。
「こうして今ララと一緒に居られることは俺にとって奇跡だな。最初はお世話係として出会い、運命なんて感じる雰囲気ではなかったからな」
「そうかな、王宮に行く前から私はトカと繋がっていたし、その後も最悪の関係の時も繋がっていたから、やっぱり運命の赤い糸は素晴らしく丈夫だったんだと思うよ」
「…繋がっていた?」
「うん、トカの事を考えて踊っていたんだよ。踊りの効果もばっちり表れていたから、繋がっていたの。これこそ運命よ♪」
「意味が分からんな。効果ってなんだ?」
「えーとっ、10円ハゲとか寒気とかお茶会後にお腹を壊すとかあったでしょ、それだよ」
「………」
ララはテンションが上がり過ぎて余計なことまで暴露してしまっている。トカタオはにっこりと微笑んでララの髪を優しく撫でながら『もっと詳しく教えてくれ』と耳元で甘く囁いた。そんなトカの願いを快諾し、ララは暴露を続ける。---止めておけ、ララ。
「エヘヘ、もう時効だから言っちゃうね。私、呪いのダンスをマスターしてちょっとだけ困る呪いをトカに掛けていたの。でも今考えたら、これこそ赤い糸での繋がりだったんだね。ウフフ」
呪いで繋がる赤い糸なんて有り得ないし、時効とは自分で決めるものではない。ララの変な解釈にトカタオは誤魔化されなかった。そしてにやりと笑うと、理性君とはおさらばして本能君と仲良くする事に決めた。
「このいたずら好きな『番』め。今までの呪いのダンスの分をお仕置きしなくてはな。覚悟はいいか、ララ」
「えー、『番』なのに許してくれないの?」
「ああ、許さん。今日は大人しく寝ようと思っていたが、それはやめた。これから大人のお仕置きタイムだ」
「…大人のお仕置き?なにそれ」
トカタオのお仕置き宣言と共に部屋の明かりは消され、『あ~ん♪それ駄目…』という声を皮切りにララは一晩中しっかりとお仕置きされたのであった。
---翌朝---
『ついに大人の階段登っちゃた♪それにしてもトカ凄かったな、やっぱり百聞は一見に如かずだね!
でも【ヤッホー】って言う場面なかったんだけどこれでいいのかな…?』---いいのです、それが正解です。
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これにて完結です。
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