48 / 59
41.焼きもちゲット
しおりを挟む
トカタオが額に青筋を立てながら、にんにんを本気で睨みつけている。ここにララがいなかったら、威圧でにんにんを気絶させる勢いだ。金竜のくせして、なんともミニ猿相手に大人げない事をしている。
カイとドウリアはミニ猿をライバルと認めている王子を残念な目で見ている。
((今大人気な残念な本シリーズに確実に載ることが出来ますね))---表紙を飾れるだろう。
ララはそんなトカタオの様子に『しめしめ、作戦成功♪にんにん最高ー』とほくそ笑んでいる。にんにんも『僕って天職は俳優かも!』とジャ〇ーズ事務所へ履歴書を送ろうと考えている。---いやいや、忍びはどうするの。
いつまで経ってもララの膝から降りないにんにんに痺れを切らしたトカタオは首根っこを掴んで、ララの膝から排除することにした。
「ウッキーー!」
「トカ、にんにんが痛がっているよ。放してあげて、可哀想だよ」
「ララはこのミニ猿を庇うのか!ずーずーしくララの膝を独り占めしていた極悪猿だぞ」
首根っこ掴まれているにんにんはどうみても虐待されている可哀想なミニ猿で、トカタオの方が極悪竜人に見える。見えるだけでなく、やっている事を考えれば極悪なのは間違いないのだ。
これでは王子としてどうなんだと常識人カイが動くことにした。
「トカ様、にんにんを放してください。それでも貴方はタイオン帝国の王子ですか。ミニ猿に焼きもちを焼いてみっともないです。嘆かわしい限りです」
カイはさらりと言っているが、この会話の中にララが待ち望んでいた【焼きもち】ワードが入っていた。ララはわくわくしながらトカタオの返事に聞き耳を立てている。だがいくら待ってもトカタオの口から待っている言葉が出てこない。待ちきれないララは下を向いたままのトカタオの顔を覗き込んでみた。
その顔は真っ赤になり、にやける口元を手で隠していた。
(俺はにんにんに焼きもちを焼いていたのか?ということは俺はララをす・き・なのか…。えっ、好きって事は俺は真の変態なのか…)
変な方に妄想が進んでいるトカタオを現実に戻したのは、賢いミニ猿にんにんだった。
「ウッキッキウウウイイー。ウッキー?、キキウウー」
(猿語訳:ララの事が好きだから僕に焼きもち焼いたんでしょ。告白しないの?他の誰かに取られちゃうよ)
にんにんのジェスチャー付きの猿語は完璧なのでトカタオだけでなく、この場にいる全員にも伝わってた。ミニ猿に諭されている王子は『残念な王子』ではなく『底辺な王子』でいいだろうと思われてしまった。
(ララが他の誰かの者になるなんて許せん。今こそ俺はララに告白するべき時なのか、いや、でも…王子が幼女趣味の変態って…いいのか?)
トカタオは常識と自分の気持ちの間で迷いに迷っている。そんな様子に痺れを切らしたのは【女の花道 男に告るな、告らせろ】を望んでいるララルーアであった。
トカタオの胸倉を背伸びをしながら両手で掴んだ。
「トカタオ・タイオン!大好きー。私と恋人になるわよ!いいわね!?」
ララはあれほど相手からの告白に拘っていたのに、自分から告白してしまった。待てが出来ない肉食女子の血が騒いでしまったのか…。でもその言い方はしっかりと【女の花道】に沿っているので結果オーライでもあった。
美少女ララの予想の斜め上をいく告白を受け、美青年トカタオは顔を更に真っ赤にし、手をララに向かって差し出した。
「ララ、これからよろしくお願いしまーす」
どこの合コンの告白タイムやねん…。
ここに残念すぎる馬鹿ップルが一組誕生したのであった。
カイとドウリアはミニ猿をライバルと認めている王子を残念な目で見ている。
((今大人気な残念な本シリーズに確実に載ることが出来ますね))---表紙を飾れるだろう。
ララはそんなトカタオの様子に『しめしめ、作戦成功♪にんにん最高ー』とほくそ笑んでいる。にんにんも『僕って天職は俳優かも!』とジャ〇ーズ事務所へ履歴書を送ろうと考えている。---いやいや、忍びはどうするの。
いつまで経ってもララの膝から降りないにんにんに痺れを切らしたトカタオは首根っこを掴んで、ララの膝から排除することにした。
「ウッキーー!」
「トカ、にんにんが痛がっているよ。放してあげて、可哀想だよ」
「ララはこのミニ猿を庇うのか!ずーずーしくララの膝を独り占めしていた極悪猿だぞ」
首根っこ掴まれているにんにんはどうみても虐待されている可哀想なミニ猿で、トカタオの方が極悪竜人に見える。見えるだけでなく、やっている事を考えれば極悪なのは間違いないのだ。
これでは王子としてどうなんだと常識人カイが動くことにした。
「トカ様、にんにんを放してください。それでも貴方はタイオン帝国の王子ですか。ミニ猿に焼きもちを焼いてみっともないです。嘆かわしい限りです」
カイはさらりと言っているが、この会話の中にララが待ち望んでいた【焼きもち】ワードが入っていた。ララはわくわくしながらトカタオの返事に聞き耳を立てている。だがいくら待ってもトカタオの口から待っている言葉が出てこない。待ちきれないララは下を向いたままのトカタオの顔を覗き込んでみた。
その顔は真っ赤になり、にやける口元を手で隠していた。
(俺はにんにんに焼きもちを焼いていたのか?ということは俺はララをす・き・なのか…。えっ、好きって事は俺は真の変態なのか…)
変な方に妄想が進んでいるトカタオを現実に戻したのは、賢いミニ猿にんにんだった。
「ウッキッキウウウイイー。ウッキー?、キキウウー」
(猿語訳:ララの事が好きだから僕に焼きもち焼いたんでしょ。告白しないの?他の誰かに取られちゃうよ)
にんにんのジェスチャー付きの猿語は完璧なのでトカタオだけでなく、この場にいる全員にも伝わってた。ミニ猿に諭されている王子は『残念な王子』ではなく『底辺な王子』でいいだろうと思われてしまった。
(ララが他の誰かの者になるなんて許せん。今こそ俺はララに告白するべき時なのか、いや、でも…王子が幼女趣味の変態って…いいのか?)
トカタオは常識と自分の気持ちの間で迷いに迷っている。そんな様子に痺れを切らしたのは【女の花道 男に告るな、告らせろ】を望んでいるララルーアであった。
トカタオの胸倉を背伸びをしながら両手で掴んだ。
「トカタオ・タイオン!大好きー。私と恋人になるわよ!いいわね!?」
ララはあれほど相手からの告白に拘っていたのに、自分から告白してしまった。待てが出来ない肉食女子の血が騒いでしまったのか…。でもその言い方はしっかりと【女の花道】に沿っているので結果オーライでもあった。
美少女ララの予想の斜め上をいく告白を受け、美青年トカタオは顔を更に真っ赤にし、手をララに向かって差し出した。
「ララ、これからよろしくお願いしまーす」
どこの合コンの告白タイムやねん…。
ここに残念すぎる馬鹿ップルが一組誕生したのであった。
40
お気に入りに追加
1,892
あなたにおすすめの小説
大好きな婚約者に「距離を置こう」と言われました
ミズメ
恋愛
感情表現が乏しいせいで""氷鉄令嬢""と呼ばれている侯爵令嬢のフェリシアは、婚約者のアーサー殿下に唐突に距離を置くことを告げられる。
これは婚約破棄の危機――そう思ったフェリシアは色々と自分磨きに励むけれど、なぜだか上手くいかない。
とある夜会で、アーサーの隣に見知らぬ金髪の令嬢がいたという話を聞いてしまって……!?
重すぎる愛が故に婚約者に接近することができないアーサーと、なんとしても距離を縮めたいフェリシアの接近禁止の婚約騒動。
○カクヨム、小説家になろうさまにも掲載/全部書き終えてます
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
わたしは婚約者の不倫の隠れ蓑
岡暁舟
恋愛
第一王子スミスと婚約した公爵令嬢のマリア。ところが、スミスが魅力された女は他にいた。同じく公爵令嬢のエリーゼ。マリアはスミスとエリーゼの密会に気が付いて……。
もう終わりにするしかない。そう確信したマリアだった。
本編終了しました。
記憶を失くした悪役令嬢~私に婚約者なんておりましたでしょうか~
Blue
恋愛
マッツォレーラ侯爵の娘、エレオノーラ・マッツォレーラは、第一王子の婚約者。しかし、その婚約者を奪った男爵令嬢を助けようとして今正に、階段から二人まとめて落ちようとしていた。
走馬灯のように、第一王子との思い出を思い出す彼女は、強い衝撃と共に意識を失ったのだった。
【完結】傷物令嬢は近衛騎士団長に同情されて……溺愛されすぎです。
朝日みらい
恋愛
王太子殿下との婚約から洩れてしまった伯爵令嬢のセーリーヌ。
宮廷の大広間で突然現れた賊に襲われた彼女は、殿下をかばって大けがを負ってしまう。
彼女に同情した近衛騎士団長のアドニス侯爵は熱心にお見舞いをしてくれるのだが、その熱意がセーリーヌの折れそうな心まで癒していく。
加えて、セーリーヌを振ったはずの王太子殿下が、親密な二人に絡んできて、ややこしい展開になり……。
果たして、セーリーヌとアドニス侯爵の関係はどうなるのでしょう?
求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
待鳥園子
恋愛
グレンジャー伯爵令嬢ウェンディは父が友人に裏切られ、社交界デビューを目前にして無一文になってしまった。
父は異国へと一人出稼ぎに行ってしまい、行く宛てのない姉を心配する弟を安心させるために、以前邸で働いていた竜騎士を頼ることに。
彼が働くアレイスター竜騎士団は『恋愛禁止』という厳格な規則があり、そのため若い女性は働いていない。しかし、ウェンディは竜力を持つ貴族の血を引く女性にしかなれないという『子竜守』として特別に採用されることになり……。
子竜守として働くことになった没落貴族令嬢が、不器用だけどとても優しい団長と恋愛禁止な竜騎士団で働くために秘密の契約結婚をすることなってしまう、ほのぼの子竜育てありな可愛い恋物語。
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる