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41.焼きもちゲット

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トカタオが額に青筋を立てながら、にんにんを本気で睨みつけている。ここにララがいなかったら、威圧でにんにんを気絶させる勢いだ。金竜のくせして、なんともミニ猿相手に大人げない事をしている。
カイとドウリアはミニ猿をライバルと認めている王子を残念な目で見ている。

((今大人気な残念な本シリーズに確実に載ることが出来ますね))---表紙を飾れるだろう。

ララはそんなトカタオの様子に『しめしめ、作戦成功♪にんにん最高ー』とほくそ笑んでいる。にんにんも『僕って天職は俳優かも!』とジャ〇ーズ事務所へ履歴書を送ろうと考えている。---いやいや、忍びはどうするの。

いつまで経ってもララの膝から降りないにんにんに痺れを切らしたトカタオは首根っこを掴んで、ララの膝から排除することにした。

「ウッキーー!」
「トカ、にんにんが痛がっているよ。放してあげて、可哀想だよ」
「ララはこのミニ猿を庇うのか!ずーずーしくララの膝を独り占めしていた極悪猿だぞ」

首根っこ掴まれているにんにんはどうみても虐待されている可哀想なミニ猿で、トカタオの方が極悪竜人に見える。見えるだけでなく、やっている事を考えれば極悪なのは間違いないのだ。
これでは王子としてどうなんだと常識人カイが動くことにした。

「トカ様、にんにんを放してください。それでも貴方はタイオン帝国の王子ですか。ミニ猿に焼きもちを焼いてみっともないです。嘆かわしい限りです」

カイはさらりと言っているが、この会話の中にララが待ち望んでいた【焼きもち】ワードが入っていた。ララはわくわくしながらトカタオの返事に聞き耳を立てている。だがいくら待ってもトカタオの口から待っている言葉が出てこない。待ちきれないララは下を向いたままのトカタオの顔を覗き込んでみた。
その顔は真っ赤になり、にやける口元を手で隠していた。

(俺はにんにんに焼きもちを焼いていたのか?ということは俺はララをす・き・なのか…。えっ、好きって事は俺は真の変態なのか…)

変な方に妄想が進んでいるトカタオを現実に戻したのは、賢いミニ猿にんにんだった。

「ウッキッキウウウイイー。ウッキー?、キキウウー」
(猿語訳:ララの事が好きだから僕に焼きもち焼いたんでしょ。告白しないの?他の誰かに取られちゃうよ)

にんにんのジェスチャー付きの猿語は完璧なのでトカタオだけでなく、この場にいる全員にも伝わってた。ミニ猿に諭されている王子は『残念な王子』ではなく『底辺な王子』でいいだろうと思われてしまった。


(ララが他の誰かの者になるなんて許せん。今こそ俺はララに告白するべき時なのか、いや、でも…王子が幼女趣味の変態って…いいのか?)

トカタオは常識と自分の気持ちの間で迷いに迷っている。そんな様子に痺れを切らしたのは【女の花道 男に告るな、告らせろ】を望んでいるララルーアであった。
トカタオの胸倉を背伸びをしながら両手で掴んだ。

「トカタオ・タイオン!大好きー。私と恋人になるわよ!いいわね!?」

ララはあれほど相手からの告白に拘っていたのに、自分から告白してしまった。待てが出来ない肉食女子の血が騒いでしまったのか…。でもその言い方はしっかりと【女の花道】に沿っているので結果オーライでもあった。
美少女ララの予想の斜め上をいく告白を受け、美青年トカタオは顔を更に真っ赤にし、手をララに向かって差し出した。

「ララ、これからよろしくお願いしまーす」

どこの合コンの告白タイムやねん…。
ここに残念すぎる馬鹿ップルが一組誕生したのであった。

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