2 / 59
1.お前、何やっとんじゃ!
しおりを挟む
緑豊かなタイオン帝国は、様々な種族が仲良く暮らしている理想的な大国である。
その帝国の頂点である現王は、金髪金目の美丈夫である竜王バイザル・タイオンだ。バイザルは膨大な竜力を持ち、善政を行っているので民からも慕われている。
そして帝国内の各領地は竜王の臣下達が治めており、彼らは種族ではなく能力のあるものが純粋に選ばれている。
その中には当然、優良種である竜人もいるが、その数は決して多くない。竜人は頑強な肉体と美しい容姿を持つ頭脳明晰な種族であり、その寿命は千年~数千年と長い。だがその反面、非常に子供が生まれにくいので種族として繁栄しずらいのだ。
現に竜王バイザルは、仲睦まじい王妃スズと千年以上連れ添っているが、子供はトカタオ王子ただ一人である。それもやっと十年前に誕生したばかりであった。
*****************************
今日は王妃スズがトカタオ王子を連れて、南の辺境地を治めているミファン領主のところに出掛ける予定である。ミファン領主はサイガ・ミファンといい竜王の乳兄弟であり、スズの親友ミア・ミファンの夫でもあった。
最近ミアが第二子となる卵を出産したので、そのお祝いも兼ねて遊びに行くのだ。
竜人は卵で出産し、一年~五年かけて夫婦で交代で抱卵し愛情をかけて孵化させる種族なのだ。本来なら抱卵している期間は家族以外に会わないのだが、スズとミアは訳あって幼い時から一緒に育っているので姉妹同然の関係であり、抱卵中だが会うことになったのである。
「いい、トカ。今日はミアおば様に会いに行くけど、大人しくしてるのよ。大切な卵が側にあるから絶対に走り回ってはいけないわ。お約束してね」
「はい、ははうえ。おやくそくします!」
元気に返事をするトカタオ王子はまだ10歳、人間でいえば分別がついている年頃であるが、竜人の10歳はまだまだ赤子の部類だ。それにトカタオ王子は幼いながらも竜力が高く、やんちゃなのでお付きの侍女達は不安しかない。
「やはり、王子様はお留守番にいたしますか?私達が責任をもってお世話をしますから大丈夫でございますよ、スズ様」
「うーん、そうしようかしら。なんか心配だし…」
「ははうえ!トカはぜったいにいきます!なんか、むずむずするのでいきたいです!」
周りの心配をよそに、絶対に行きたいと言い張る王子。母である王妃のドレスの裾を両手でガシッと握り、置いてかれないようにしている。
『普段は我が儘を言わない子なのにおかしいな』と思ったが、ミファン夫婦もトカタオに会いたがっていたので、スズは結局一緒に連れていく事にした。
ミファン夫婦へのお祝いの品と彼らの第一子であるマオへのお土産を沢山持って、いざ出発である。
ガォー!と空に向かって咆哮し、竜体になったスズが優雅に飛び立っていく。その背にはトカタオがちょこんと座っている、トカタオはまだ幼い為、長時間の飛行は出来ないのだ。
王妃の後を、護衛の竜人達が同じく竜体になって飛んでいく。巨大な竜が一同に飛ぶ様は圧巻であり、通り過ぎていく町の人々はみな、空を見上げて手を振ってくる。
竜の飛行能力は凄まじく高い、南の辺境地は馬なら三日は掛かる距離だが、スズ達はたったの二時間で到着した。
城の入口前に到着し、このままの大きさでは扉を壊してしまうので人型に戻ると、領主であるサイガが駆け寄ってきた。サイガは頑強な体を持つ竜人の中でも、とりわけ厳つい体を持った2メートルの大男だ。
「スズ様、遠いのによく来てくれた!それにトカタオ王子も。疲れただろう、早速部屋に案内させるからまずは一休みしてくれ」
「サイガ、お久しぶり。それに卵誕生おめでとう!休まなくて平気よ、それよりミアに早く会いたいわ♪」
「分かった。ミアも君に会えるのを首を長くして待っているからね」
サイガとスズは挨拶もそこそこに、ミアがいる抱卵部屋へと歩いて行く。二人は久しぶりに会った嬉しさで話に夢中になり、トカタオの様子がおかしい事に気付かなかった。なぜか城に着いてからトカタオは顔が赤くなり焦点がぼんやりしていたのに…。※注)子供から目を離してはいけません。
ミアが待つ部屋に入ると、久しぶりの再会に喜んだスズはすぐさま駆け寄ってミアを抱き締めた。
ミアも親友であるスズの存在に気を取られて、一瞬『卵』から目を離してしまった。※注)卵も目を離してはいけません。
トットットット!
素早い速さでトカタオが卵専用ベットに置いてある『卵』に向かって走っていく。
予想もしなかったトカタオの動きに、誰も反応出来なかった。
イヤ、反応している者が一人いた、違う、反応している卵が一つあったが正しい。
(いやー!なになに、そばにこないでー!なんかこわい。なんでへんなこが、ちかくにくるのよー)
卵の中で、まだ生れていないちびっこ竜人が反応している。まだ孵化前なので、外部とはコミュニケーションは取れないが、竜人なのですでに人格は形成されている。それにこのちびっこ竜人はかなり竜力が高いので、トカタオのただならぬ気配を入室前には察してた。
(イヤイヤ、なにかあぶないものがはいってくる!だれか、とめてよー)…誰も気づいてくれない、グスン。
そして、今、トカタオの腕の中に『卵』が一つ…。
「わぁーい!わぁーい!かわいいこだね。とってもいいにおいがするな♪」
(はやく、わたしをベットにもどせ!うまれたら、やってしまうぞ、われ!)
トカタオが嬉しそうに卵に頬擦りをしながら、ぎゅっと抱き締める。
周りの大人達はトカタオを止めたいが、『卵』を万が一でも落とされてはいけないので、実力行使は出来ないでオロオロている。
「トカ。母上の言った事を忘れたの?大人しくしている約束でしょ!」
「トカタオ王子、そっと私の『卵』を返してください、ねっ!」
「「「王子様、『卵』はおもちゃではありません。どうかお戻しく下さい」」」
みんな、必死に王子を宥め卵から離そうとしている。だがそんな声はまったくトカタオの耳に届いていないらしい、唯一届いていた声は卵の声であった。
「うふふ、かわいいこえだね。ぼくにあえてうれしいの?」
(どんなみみ、いやどんなあたましてんのよ!はなれろ、おばか!)
「なんかてれるなー♪」---王子よ、照れる要素は一ミリもない。
(おとしたら、しんじゃうのよ。だからこどもは、さわらないで!)
「だいじょうぶ、ぜったいにおとさないから。かわいいつがい♪」
トカタオと卵の『会話+念話』は周りには聞こえていない、正確にはトカタオのセリフしか聞こえていなかった。
なので最初は、顔が赤くなり独り言を言っているトカタオを、発熱による朦朧状態なのだと考えていた。
しかし、最後のトカタオのセリフでそんな考えは吹っ飛んだ!
(((『卵』は王子の『番』なのかーーー??!!)))
そういえば、トカタオの様子は出発前からおかしかった、何故か絶対に行くと言い張っていたし…。
竜力の高い竜人は、幼い時から『番』の気配を感じることがあると言う。普通はお互いにフェロモンが出る年頃になるまで分からないと言われているが、何事にも例外はある。
竜力が高いトカタオと卵は、その例外中の例外だったのだ。
『番』とはいえ、幼い子供に繊細な卵は、卵の物理的危機であるのには変わりがない。
(おとなたち、はやく!はやく!まずいから!わたし、しんじゃうー)
必死に卵の中で声を上げるちびっこ竜人の叫びは届いてないが、大人達も必死に卵を取り返そうとしている。
そんな様子を丸っと無視して、トカタオは『番』を更にぎゅっと抱き締める…。
(((それ、まだ卵だからやめなさいーーー!!!)))みんな一斉に心の中で悲痛な叫びをあげる。
ピッキ、ピッキ、ピッキ…!
トカタオがうっとりと抱き締め続ける卵から、嫌な音がした…。
「「「ヒィーー!!」」」
大人達の喉から哀れな音が一斉に出る。
(いや、しんじゃうー!あっ、しん…だ……)
ミファン夫婦待望の第二子、孵化前にご臨終となりました。チッーン!南無南無。
「「「お前、何やっとんじゃーー!!」」」
竜人達の凄まじい怒号がこだまする。---大人達、後悔先に立たずだよ。
その帝国の頂点である現王は、金髪金目の美丈夫である竜王バイザル・タイオンだ。バイザルは膨大な竜力を持ち、善政を行っているので民からも慕われている。
そして帝国内の各領地は竜王の臣下達が治めており、彼らは種族ではなく能力のあるものが純粋に選ばれている。
その中には当然、優良種である竜人もいるが、その数は決して多くない。竜人は頑強な肉体と美しい容姿を持つ頭脳明晰な種族であり、その寿命は千年~数千年と長い。だがその反面、非常に子供が生まれにくいので種族として繁栄しずらいのだ。
現に竜王バイザルは、仲睦まじい王妃スズと千年以上連れ添っているが、子供はトカタオ王子ただ一人である。それもやっと十年前に誕生したばかりであった。
*****************************
今日は王妃スズがトカタオ王子を連れて、南の辺境地を治めているミファン領主のところに出掛ける予定である。ミファン領主はサイガ・ミファンといい竜王の乳兄弟であり、スズの親友ミア・ミファンの夫でもあった。
最近ミアが第二子となる卵を出産したので、そのお祝いも兼ねて遊びに行くのだ。
竜人は卵で出産し、一年~五年かけて夫婦で交代で抱卵し愛情をかけて孵化させる種族なのだ。本来なら抱卵している期間は家族以外に会わないのだが、スズとミアは訳あって幼い時から一緒に育っているので姉妹同然の関係であり、抱卵中だが会うことになったのである。
「いい、トカ。今日はミアおば様に会いに行くけど、大人しくしてるのよ。大切な卵が側にあるから絶対に走り回ってはいけないわ。お約束してね」
「はい、ははうえ。おやくそくします!」
元気に返事をするトカタオ王子はまだ10歳、人間でいえば分別がついている年頃であるが、竜人の10歳はまだまだ赤子の部類だ。それにトカタオ王子は幼いながらも竜力が高く、やんちゃなのでお付きの侍女達は不安しかない。
「やはり、王子様はお留守番にいたしますか?私達が責任をもってお世話をしますから大丈夫でございますよ、スズ様」
「うーん、そうしようかしら。なんか心配だし…」
「ははうえ!トカはぜったいにいきます!なんか、むずむずするのでいきたいです!」
周りの心配をよそに、絶対に行きたいと言い張る王子。母である王妃のドレスの裾を両手でガシッと握り、置いてかれないようにしている。
『普段は我が儘を言わない子なのにおかしいな』と思ったが、ミファン夫婦もトカタオに会いたがっていたので、スズは結局一緒に連れていく事にした。
ミファン夫婦へのお祝いの品と彼らの第一子であるマオへのお土産を沢山持って、いざ出発である。
ガォー!と空に向かって咆哮し、竜体になったスズが優雅に飛び立っていく。その背にはトカタオがちょこんと座っている、トカタオはまだ幼い為、長時間の飛行は出来ないのだ。
王妃の後を、護衛の竜人達が同じく竜体になって飛んでいく。巨大な竜が一同に飛ぶ様は圧巻であり、通り過ぎていく町の人々はみな、空を見上げて手を振ってくる。
竜の飛行能力は凄まじく高い、南の辺境地は馬なら三日は掛かる距離だが、スズ達はたったの二時間で到着した。
城の入口前に到着し、このままの大きさでは扉を壊してしまうので人型に戻ると、領主であるサイガが駆け寄ってきた。サイガは頑強な体を持つ竜人の中でも、とりわけ厳つい体を持った2メートルの大男だ。
「スズ様、遠いのによく来てくれた!それにトカタオ王子も。疲れただろう、早速部屋に案内させるからまずは一休みしてくれ」
「サイガ、お久しぶり。それに卵誕生おめでとう!休まなくて平気よ、それよりミアに早く会いたいわ♪」
「分かった。ミアも君に会えるのを首を長くして待っているからね」
サイガとスズは挨拶もそこそこに、ミアがいる抱卵部屋へと歩いて行く。二人は久しぶりに会った嬉しさで話に夢中になり、トカタオの様子がおかしい事に気付かなかった。なぜか城に着いてからトカタオは顔が赤くなり焦点がぼんやりしていたのに…。※注)子供から目を離してはいけません。
ミアが待つ部屋に入ると、久しぶりの再会に喜んだスズはすぐさま駆け寄ってミアを抱き締めた。
ミアも親友であるスズの存在に気を取られて、一瞬『卵』から目を離してしまった。※注)卵も目を離してはいけません。
トットットット!
素早い速さでトカタオが卵専用ベットに置いてある『卵』に向かって走っていく。
予想もしなかったトカタオの動きに、誰も反応出来なかった。
イヤ、反応している者が一人いた、違う、反応している卵が一つあったが正しい。
(いやー!なになに、そばにこないでー!なんかこわい。なんでへんなこが、ちかくにくるのよー)
卵の中で、まだ生れていないちびっこ竜人が反応している。まだ孵化前なので、外部とはコミュニケーションは取れないが、竜人なのですでに人格は形成されている。それにこのちびっこ竜人はかなり竜力が高いので、トカタオのただならぬ気配を入室前には察してた。
(イヤイヤ、なにかあぶないものがはいってくる!だれか、とめてよー)…誰も気づいてくれない、グスン。
そして、今、トカタオの腕の中に『卵』が一つ…。
「わぁーい!わぁーい!かわいいこだね。とってもいいにおいがするな♪」
(はやく、わたしをベットにもどせ!うまれたら、やってしまうぞ、われ!)
トカタオが嬉しそうに卵に頬擦りをしながら、ぎゅっと抱き締める。
周りの大人達はトカタオを止めたいが、『卵』を万が一でも落とされてはいけないので、実力行使は出来ないでオロオロている。
「トカ。母上の言った事を忘れたの?大人しくしている約束でしょ!」
「トカタオ王子、そっと私の『卵』を返してください、ねっ!」
「「「王子様、『卵』はおもちゃではありません。どうかお戻しく下さい」」」
みんな、必死に王子を宥め卵から離そうとしている。だがそんな声はまったくトカタオの耳に届いていないらしい、唯一届いていた声は卵の声であった。
「うふふ、かわいいこえだね。ぼくにあえてうれしいの?」
(どんなみみ、いやどんなあたましてんのよ!はなれろ、おばか!)
「なんかてれるなー♪」---王子よ、照れる要素は一ミリもない。
(おとしたら、しんじゃうのよ。だからこどもは、さわらないで!)
「だいじょうぶ、ぜったいにおとさないから。かわいいつがい♪」
トカタオと卵の『会話+念話』は周りには聞こえていない、正確にはトカタオのセリフしか聞こえていなかった。
なので最初は、顔が赤くなり独り言を言っているトカタオを、発熱による朦朧状態なのだと考えていた。
しかし、最後のトカタオのセリフでそんな考えは吹っ飛んだ!
(((『卵』は王子の『番』なのかーーー??!!)))
そういえば、トカタオの様子は出発前からおかしかった、何故か絶対に行くと言い張っていたし…。
竜力の高い竜人は、幼い時から『番』の気配を感じることがあると言う。普通はお互いにフェロモンが出る年頃になるまで分からないと言われているが、何事にも例外はある。
竜力が高いトカタオと卵は、その例外中の例外だったのだ。
『番』とはいえ、幼い子供に繊細な卵は、卵の物理的危機であるのには変わりがない。
(おとなたち、はやく!はやく!まずいから!わたし、しんじゃうー)
必死に卵の中で声を上げるちびっこ竜人の叫びは届いてないが、大人達も必死に卵を取り返そうとしている。
そんな様子を丸っと無視して、トカタオは『番』を更にぎゅっと抱き締める…。
(((それ、まだ卵だからやめなさいーーー!!!)))みんな一斉に心の中で悲痛な叫びをあげる。
ピッキ、ピッキ、ピッキ…!
トカタオがうっとりと抱き締め続ける卵から、嫌な音がした…。
「「「ヒィーー!!」」」
大人達の喉から哀れな音が一斉に出る。
(いや、しんじゃうー!あっ、しん…だ……)
ミファン夫婦待望の第二子、孵化前にご臨終となりました。チッーン!南無南無。
「「「お前、何やっとんじゃーー!!」」」
竜人達の凄まじい怒号がこだまする。---大人達、後悔先に立たずだよ。
56
お気に入りに追加
1,886
あなたにおすすめの小説
番?呪いの別名でしょうか?私には不要ですわ
紅子
恋愛
私は充分に幸せだったの。私はあなたの幸せをずっと祈っていたのに、あなたは幸せではなかったというの?もしそうだとしても、あなたと私の縁は、あのとき終わっているのよ。あなたのエゴにいつまで私を縛り付けるつもりですか?
何の因果か私は10歳~のときを何度も何度も繰り返す。いつ終わるとも知れない死に戻りの中で、あなたへの想いは消えてなくなった。あなたとの出会いは最早恐怖でしかない。終わらない生に疲れ果てた私を救ってくれたのは、あの時、私を救ってくれたあの人だった。
12話完結済み。毎日00:00に更新予定です。
R15は、念のため。
自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)
あなたの運命になりたかった
夕立悠理
恋愛
──あなたの、『運命』になりたかった。
コーデリアには、竜族の恋人ジャレッドがいる。竜族には、それぞれ、番という存在があり、それは運命で定められた結ばれるべき相手だ。けれど、コーデリアは、ジャレッドの番ではなかった。それでも、二人は愛し合い、ジャレッドは、コーデリアにプロポーズする。幸せの絶頂にいたコーデリア。しかし、その翌日、ジャレッドの番だという女性が現れて──。
※一話あたりの文字数がとても少ないです。
※小説家になろう様にも投稿しています
君は僕の番じゃないから
椎名さえら
恋愛
男女に番がいる、番同士は否応なしに惹かれ合う世界。
「君は僕の番じゃないから」
エリーゼは隣人のアーヴィンが子供の頃から好きだったが
エリーゼは彼の番ではなかったため、フラれてしまった。
すると
「君こそ俺の番だ!」と突然接近してくる
イケメンが登場してーーー!?
___________________________
動機。
暗い話を書くと反動で明るい話が書きたくなります
なので明るい話になります←
深く考えて読む話ではありません
※マーク編:3話+エピローグ
※超絶短編です
※さくっと読めるはず
※番の設定はゆるゆるです
※世界観としては割と近代チック
※ルーカス編思ったより明るくなかったごめんなさい
※マーク編は明るいです
たとえこの想いが届かなくても
白雲八鈴
恋愛
恋に落ちるというのはこういう事なのでしょうか。ああ、でもそれは駄目なこと、目の前の人物は隣国の王で、私はこの国の王太子妃。報われぬ恋。たとえこの想いが届かなくても・・・。
王太子は愛妾を愛し、自分はお飾りの王太子妃。しかし、自分の立場ではこの思いを言葉にすることはできないと恋心を己の中に押し込めていく。そんな彼女の生き様とは。
*いつもどおり誤字脱字はほどほどにあります。
*主人公に少々問題があるかもしれません。(これもいつもどおり?)
旦那様は大変忙しいお方なのです
あねもね
恋愛
レオナルド・サルヴェール侯爵と政略結婚することになった私、リゼット・クレージュ。
しかし、その当人が結婚式に現れません。
侍従長が言うことには「旦那様は大変忙しいお方なのです」
呆気にとられたものの、こらえつつ、いざ侯爵家で生活することになっても、お目にかかれない。
相変わらず侍従長のお言葉は「旦那様は大変忙しいお方なのです」のみ。
我慢の限界が――来ました。
そちらがその気ならこちらにも考えがあります。
さあ。腕が鳴りますよ!
※視点がころころ変わります。
※※2021年10月1日、HOTランキング1位となりました。お読みいただいている皆様方、誠にありがとうございます。
【完結】巻き戻りを望みましたが、それでもあなたは遠い人
白雨 音
恋愛
14歳のリリアーヌは、淡い恋をしていた。相手は家同士付き合いのある、幼馴染みのレーニエ。
だが、その年、彼はリリアーヌを庇い酷い傷を負ってしまった。その所為で、二人の運命は狂い始める。
罪悪感に苛まれるリリアーヌは、時が戻れば良いと切に願うのだった。
そして、それは現実になったのだが…短編、全6話。
切ないですが、最後はハッピーエンドです☆《完結しました》
美形揃いの王族の中で珍しく不細工なわたしを、王子がその顔で本当に王族なのかと皮肉ってきたと思っていましたが、実は違ったようです。
ふまさ
恋愛
「──お前はその顔で、本当に王族なのか?」
そう問いかけてきたのは、この国の第一王子──サイラスだった。
真剣な顔で問いかけられたセシリーは、固まった。からかいや嫌味などではない、心からの疑問。いくら慣れたこととはいえ、流石のセシリーも、カチンときた。
「…………ぷっ」
姉のカミラが口元を押さえながら、吹き出す。それにつられて、広間にいる者たちは一斉に笑い出した。
当然、サイラスがセシリーを皮肉っていると思ったからだ。
だが、真実は違っていて──。
【完結】長い眠りのその後で
maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。
でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。
いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう?
このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!!
どうして旦那様はずっと眠ってるの?
唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。
しょうがないアディル頑張りまーす!!
複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です
全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む)
※他サイトでも投稿しております
ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる