14 / 21
14.手紙~ロナの兄視点~
しおりを挟む
ザイが持って来た離縁届と手紙を妹に届けに来た。
本当は離縁届だけを渡して手紙は破り捨てようとしたが妻のカサアに止められた。
『どんなに腹が立っていたとしてもそれは駄目、ロナにちゃんと渡してね。それをロナが読まずに捨てるのはいいけど、あなたがしてはいけないわ。
それにロナは迷っているから‥‥手紙も渡した方がいい』
『迷っている、なんでだ?あんな男とは離縁するのが正解だろう。
あいつは悪い奴じゃないが最低な男だ。そんな奴が一番質が悪い、自覚がない奴ほど変われない。
お腹の子だって俺達がいれば寂しい思いなんてさせやしない。父親だっていればいいってもんじゃない、駄目な親はいない方がいい場合もある』
『それはそうだけど‥‥でもね気持ちはそんなに単純じゃないのよ。だから勝手に捨てないでロナに渡しなさい、いいわね!』
妻に言われて渋々あいつが書いた手紙も離縁届と一緒に渡す。
『兄さん、有り難う。迷惑かけてごめんね』と言いいロナはその場で手紙を開け読み始めた。
俺はそのあいだ妹が淹れてくれたお茶を黙って飲んでいた。本当は『そんなもの読まずに捨てちまえっ』と言いたかったが妻から口を出さないようにときつく言われていたので我慢をする。
手紙の内容も気になって仕方がないが、それも妻から『ロナが読んでいる時は邪魔しないで』と言われていたので堪える。
完全に妻の尻に敷かれているが、惚れた弱みだから仕方がない。
手紙を読んでいる妹は下を向いているので表情が分からない。だが読みながら声を押し殺して泣いているのが分かる。
ザイに対する怒りに我を忘れそうになる。
あの野郎、なにを書いてきたんだっ!
まさかロナを罵倒しているんじゃないだろうな。
神妙な顔で謝っていたくせに、手紙に酷い事を書いていたのかっ?
まさかそんなことが書いてあるとは思っていなかった。あの時のザイは本当に後悔しているように見えたから。
迂闊だった、憔悴している様子のあいつに騙された。
「ロ、ロナ…。…何が書いてあるんだ?あいつはお前を傷つける言葉を書いてきたのか?」
俺は口を出すなと言われていたが話し掛けてしまった。涙を流しているロナが心配だし、もう読み終わった後だから口を出したことにはならないと自分に言い訳をしながら。
「‥‥いいえ、違うわ。あの人は謝ってくれている、そして私のことを心配ばかりしているの。
少しは言い訳でも書けばいいのに全然書いていないの。
自分が悪かったことが分かったと反省と後悔ばかりしている。
それにね、愛しているけど自分は馬鹿だからまた君を傷つけてしまうかもしれないって…。
本当に馬鹿よね、そんなことまで正直に書かなくてもいいのに。
何もかも偽らずに書いてくれている。少しはカッコつけたりしていいのに。
私の苦しみが全部分かったとも書いていないの。そんなことは傷つけた俺が言っていい事じゃないって、努力しているけどちゃんと分かったのか自信はないって。俺はそんな酷い状況に追い込まれた事がないから気持ちが分かるなんて嘘はつけないって。
ふふふ、ザイは本当に変わってない。
不器用でそして真っ直ぐな人だわ‥‥私が愛した彼のまま」
目に涙を溜めながら微笑んでいる妹の表情からまだザイを愛しているのが伝わってくる。
その事実に俺は驚いている。
俺は心底あいつを嫌って家を出てきたと思っていた。まだ愛情が残っているなんて考えていなかった。
妻が口を出すなと言った意味が分かった。
きっと妻にはロナがまだザイを愛しているのを感じていたんだろう。女の勘というやつだろうか、俺には全く分からなかったというのに。
正直どうすればいいのか分からない。まだロナがあいつを愛していると言うのなら復縁を勧めるべきだろうか。それとも兄として『止めておけ』ときっぱり言うべきだろうか。
兄としては絶対にやり直してなんか欲しくない、悪い奴じゃないがもう信用は出来ない。
だがロナの気持ちを考えると俺の考えを押し付けるだけでは駄目だろう、それにお腹にはあいつの子がいるのも事実だ。
何も言えずに考えていると妹が紙を俺の目の前に差し出す。
「兄さん、悪いけどこれを役所に届けてくれる」
そう言ってロナは記入済みの離縁届を俺に渡してきた。
「いいのか‥本当に?話し合ってやり直すことも出来ると思うぞ‥まだ。あいつはお前を愛している、それにお前だって…」
思わずそう言ってしまう。離縁には大賛成だったが、この二人が別れるのが正解かどうかが分からなくなっていた。
このまま離縁しては妹は後悔するのではないか、なによりも妹の気持ちを優先させたい。
まだあいつとやり直す気があるのなら、俺が土下座してでもロナの望む通りにしてやるつもりだった。
「いいの、これでいいの。
ザイの手紙は嬉しかったわ、でもねもうやり直そうとは思えないの。
私にとってお腹の子が何より大切なの。
愛しているけど、この気持ちがどうなるのかも分からないけど…。
‥‥なんていうのかな、一緒にこの子を育てていきたいと思えないかな。
上手く言えないけど、私はこの選択を変えてはいけないと思う。
だからこれでいいの」
そう言うロナの表情には迷いは見えない。
ああそうか、この表情は妻と同じだと思った。これは母親の顔だ、強くて優しい母に妹はなってきているんだ。
もう言うことはなかった、妹の決断を尊重するだけだ。
そしてこれから大変なこともあるだろうから兄として出来る限り助けていけばいい。
その日の帰り道に役所に離縁届を出した。ロナとザイはもう他人になった、これで生まれてくる子はザイの子とはならない。離縁後に生まれた子は母親の私生児になるのが決まりだからだ。
この事をザイが後から知ったら…、どうなるだろうか。
きっとザイは苦しむだろう。
だがもう遅い、自分でどんな結果も受け入れるとザイ本人が決めたのだから。
家に戻り店番をしてくれていた妻にロナの様子を話して聞かせる。
「ロナがそう決めたのならそれで良かったのよ」
ロナがまだザイを好きだと分かっていたにしてはあっさり過ぎる言葉が妻の口から出てくる。
「お前はそれでいいと思うのか?ロナがまだあいつに未練があるようなのにそれでいいと…」
予想外の妻の態度に疑問を口にする。
「未練とは違うわよ、ただ愛しているだけ。
でもねロナはその想いよりも大切にしたいものが出来たの。きっとロナは家を出てから迷ってはいたと思うわよ、気持ちって複雑で自分でもよく分からない時があるじゃない。
だからこそザイの心が籠った手紙が良い意味でロナの迷いを断ち切った。
ザイの本心を知っても選択を変えない強さと母になる覚悟が揺らがなかったからこそ前に進む決心がついた。
これで良かったのよ、ロナが覚悟を持って決めたんだから。
女はね、産む前から母になるわ。きっとロナはひとりでも良い母親になる、だから私達はしっかり助けていきましょう」
妻はそう言って笑い掛けてくれた、その逞しくて優しい笑顔を見ると、不思議とこれでいいんだと思えてくる。
なにが正解かなんて関係はない。
俺は兄として妹を支えていけばいいだけだ。
本当は離縁届だけを渡して手紙は破り捨てようとしたが妻のカサアに止められた。
『どんなに腹が立っていたとしてもそれは駄目、ロナにちゃんと渡してね。それをロナが読まずに捨てるのはいいけど、あなたがしてはいけないわ。
それにロナは迷っているから‥‥手紙も渡した方がいい』
『迷っている、なんでだ?あんな男とは離縁するのが正解だろう。
あいつは悪い奴じゃないが最低な男だ。そんな奴が一番質が悪い、自覚がない奴ほど変われない。
お腹の子だって俺達がいれば寂しい思いなんてさせやしない。父親だっていればいいってもんじゃない、駄目な親はいない方がいい場合もある』
『それはそうだけど‥‥でもね気持ちはそんなに単純じゃないのよ。だから勝手に捨てないでロナに渡しなさい、いいわね!』
妻に言われて渋々あいつが書いた手紙も離縁届と一緒に渡す。
『兄さん、有り難う。迷惑かけてごめんね』と言いいロナはその場で手紙を開け読み始めた。
俺はそのあいだ妹が淹れてくれたお茶を黙って飲んでいた。本当は『そんなもの読まずに捨てちまえっ』と言いたかったが妻から口を出さないようにときつく言われていたので我慢をする。
手紙の内容も気になって仕方がないが、それも妻から『ロナが読んでいる時は邪魔しないで』と言われていたので堪える。
完全に妻の尻に敷かれているが、惚れた弱みだから仕方がない。
手紙を読んでいる妹は下を向いているので表情が分からない。だが読みながら声を押し殺して泣いているのが分かる。
ザイに対する怒りに我を忘れそうになる。
あの野郎、なにを書いてきたんだっ!
まさかロナを罵倒しているんじゃないだろうな。
神妙な顔で謝っていたくせに、手紙に酷い事を書いていたのかっ?
まさかそんなことが書いてあるとは思っていなかった。あの時のザイは本当に後悔しているように見えたから。
迂闊だった、憔悴している様子のあいつに騙された。
「ロ、ロナ…。…何が書いてあるんだ?あいつはお前を傷つける言葉を書いてきたのか?」
俺は口を出すなと言われていたが話し掛けてしまった。涙を流しているロナが心配だし、もう読み終わった後だから口を出したことにはならないと自分に言い訳をしながら。
「‥‥いいえ、違うわ。あの人は謝ってくれている、そして私のことを心配ばかりしているの。
少しは言い訳でも書けばいいのに全然書いていないの。
自分が悪かったことが分かったと反省と後悔ばかりしている。
それにね、愛しているけど自分は馬鹿だからまた君を傷つけてしまうかもしれないって…。
本当に馬鹿よね、そんなことまで正直に書かなくてもいいのに。
何もかも偽らずに書いてくれている。少しはカッコつけたりしていいのに。
私の苦しみが全部分かったとも書いていないの。そんなことは傷つけた俺が言っていい事じゃないって、努力しているけどちゃんと分かったのか自信はないって。俺はそんな酷い状況に追い込まれた事がないから気持ちが分かるなんて嘘はつけないって。
ふふふ、ザイは本当に変わってない。
不器用でそして真っ直ぐな人だわ‥‥私が愛した彼のまま」
目に涙を溜めながら微笑んでいる妹の表情からまだザイを愛しているのが伝わってくる。
その事実に俺は驚いている。
俺は心底あいつを嫌って家を出てきたと思っていた。まだ愛情が残っているなんて考えていなかった。
妻が口を出すなと言った意味が分かった。
きっと妻にはロナがまだザイを愛しているのを感じていたんだろう。女の勘というやつだろうか、俺には全く分からなかったというのに。
正直どうすればいいのか分からない。まだロナがあいつを愛していると言うのなら復縁を勧めるべきだろうか。それとも兄として『止めておけ』ときっぱり言うべきだろうか。
兄としては絶対にやり直してなんか欲しくない、悪い奴じゃないがもう信用は出来ない。
だがロナの気持ちを考えると俺の考えを押し付けるだけでは駄目だろう、それにお腹にはあいつの子がいるのも事実だ。
何も言えずに考えていると妹が紙を俺の目の前に差し出す。
「兄さん、悪いけどこれを役所に届けてくれる」
そう言ってロナは記入済みの離縁届を俺に渡してきた。
「いいのか‥本当に?話し合ってやり直すことも出来ると思うぞ‥まだ。あいつはお前を愛している、それにお前だって…」
思わずそう言ってしまう。離縁には大賛成だったが、この二人が別れるのが正解かどうかが分からなくなっていた。
このまま離縁しては妹は後悔するのではないか、なによりも妹の気持ちを優先させたい。
まだあいつとやり直す気があるのなら、俺が土下座してでもロナの望む通りにしてやるつもりだった。
「いいの、これでいいの。
ザイの手紙は嬉しかったわ、でもねもうやり直そうとは思えないの。
私にとってお腹の子が何より大切なの。
愛しているけど、この気持ちがどうなるのかも分からないけど…。
‥‥なんていうのかな、一緒にこの子を育てていきたいと思えないかな。
上手く言えないけど、私はこの選択を変えてはいけないと思う。
だからこれでいいの」
そう言うロナの表情には迷いは見えない。
ああそうか、この表情は妻と同じだと思った。これは母親の顔だ、強くて優しい母に妹はなってきているんだ。
もう言うことはなかった、妹の決断を尊重するだけだ。
そしてこれから大変なこともあるだろうから兄として出来る限り助けていけばいい。
その日の帰り道に役所に離縁届を出した。ロナとザイはもう他人になった、これで生まれてくる子はザイの子とはならない。離縁後に生まれた子は母親の私生児になるのが決まりだからだ。
この事をザイが後から知ったら…、どうなるだろうか。
きっとザイは苦しむだろう。
だがもう遅い、自分でどんな結果も受け入れるとザイ本人が決めたのだから。
家に戻り店番をしてくれていた妻にロナの様子を話して聞かせる。
「ロナがそう決めたのならそれで良かったのよ」
ロナがまだザイを好きだと分かっていたにしてはあっさり過ぎる言葉が妻の口から出てくる。
「お前はそれでいいと思うのか?ロナがまだあいつに未練があるようなのにそれでいいと…」
予想外の妻の態度に疑問を口にする。
「未練とは違うわよ、ただ愛しているだけ。
でもねロナはその想いよりも大切にしたいものが出来たの。きっとロナは家を出てから迷ってはいたと思うわよ、気持ちって複雑で自分でもよく分からない時があるじゃない。
だからこそザイの心が籠った手紙が良い意味でロナの迷いを断ち切った。
ザイの本心を知っても選択を変えない強さと母になる覚悟が揺らがなかったからこそ前に進む決心がついた。
これで良かったのよ、ロナが覚悟を持って決めたんだから。
女はね、産む前から母になるわ。きっとロナはひとりでも良い母親になる、だから私達はしっかり助けていきましょう」
妻はそう言って笑い掛けてくれた、その逞しくて優しい笑顔を見ると、不思議とこれでいいんだと思えてくる。
なにが正解かなんて関係はない。
俺は兄として妹を支えていけばいいだけだ。
171
お気に入りに追加
5,915
あなたにおすすめの小説
愛しの婚約者は王女様に付きっきりですので、私は私で好きにさせてもらいます。
梅雨の人
恋愛
私にはイザックという愛しの婚約者様がいる。
ある日イザックは、隣国の王女が私たちの学園へ通う間のお世話係を任されることになった。
え?イザックの婚約者って私でした。よね…?
二人の仲睦まじい様子を見聞きするたびに、私の心は折れてしまいました。
ええ、バッキバキに。
もういいですよね。あとは好きにさせていただきます。
初恋の兄嫁を優先する私の旦那様へ。惨めな思いをあとどのくらい我慢したらいいですか。
梅雨の人
恋愛
ハーゲンシュタイン公爵の娘ローズは王命で第二王子サミュエルの婚約者となった。
王命でなければ誰もサミュエルの婚約者になろうとする高位貴族の令嬢が現れなかったからだ。
第一王子ウィリアムの婚約者となったブリアナに一目ぼれしてしまったサミュエルは、駄目だと分かっていても次第に互いの距離を近くしていったためだった。
常識のある周囲の冷ややかな視線にも気が付かない愚鈍なサミュエルと義姉ブリアナ。
ローズへの必要最低限の役目はかろうじて行っていたサミュエルだったが、常にその視線の先にはブリアナがいた。
みじめな婚約者時代を経てサミュエルと結婚し、さらに思いがけず王妃になってしまったローズはただひたすらその不遇の境遇を耐えた。
そんな中でもサミュエルが時折見せる優しさに、ローズは胸を高鳴らせてしまうのだった。
しかし、サミュエルとブリアナの愚かな言動がローズを深く傷つけ続け、遂にサミュエルは己の行動を深く後悔することになる―――。
見捨てられたのは私
梅雨の人
恋愛
急に振り出した雨の中、目の前のお二人は急ぎ足でこちらを振り返ることもなくどんどん私から離れていきます。
ただ三人で、いいえ、二人と一人で歩いていただけでございました。
ぽつぽつと振り出した雨は勢いを増してきましたのに、あなたの妻である私は一人取り残されてもそこからしばらく動くことができないのはどうしてなのでしょうか。いつものこと、いつものことなのに、いつまでたっても惨めで悲しくなるのです。
何度悲しい思いをしても、それでもあなたをお慕いしてまいりましたが、さすがにもうあきらめようかと思っております。
あなたに恋した私はもういない
梅雨の人
恋愛
僕はある日、一目で君に恋に落ちてしまった。
ずっと僕は君に恋をする。
なのに、君はもう、僕に振り向いてはくれないのだろうか――。
婚約してからあなたに恋をするようになりました。
でも、私は、あなたのことをもう振り返らない――。
記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話
甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。
王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。
その時、王子の元に一通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。
王子は絶望感に苛まれ後悔をする。
貴方が側妃を望んだのです
cyaru
恋愛
「君はそれでいいのか」王太子ハロルドは言った。
「えぇ。勿論ですわ」婚約者の公爵令嬢フランセアは答えた。
誠の愛に気がついたと言われたフランセアは微笑んで答えた。
※2022年6月12日。一部書き足しました。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
史実などに基づいたものではない事をご理解ください。
※話の都合上、残酷な描写がありますがそれがざまぁなのかは受け取り方は人それぞれです。
表現的にどうかと思う回は冒頭に注意喚起を書き込むようにしますが有無は作者の判断です。
※更新していくうえでタグは幾つか増えます。
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
嘘つきな唇〜もう貴方のことは必要ありません〜
みおな
恋愛
伯爵令嬢のジュエルは、王太子であるシリウスから求婚され、王太子妃になるべく日々努力していた。
そんなある日、ジュエルはシリウスが一人の女性と抱き合っているのを見てしまう。
その日以来、何度も何度も彼女との逢瀬を重ねるシリウス。
そんなに彼女が好きなのなら、彼女を王太子妃にすれば良い。
ジュエルが何度そう言っても、シリウスは「彼女は友人だよ」と繰り返すばかり。
堂々と嘘をつくシリウスにジュエルは・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる