21 / 61
21. 光の王女③
しおりを挟む
「ぁあーーっ!」
ぬかるむ泉のすぐ上にある芽に吸い付く。舌を使おうとしたその時、身体が大きく跳ね足指がきつく丸まった。もう達してしまったらしい。
くにくにとした芽の舌ざわりが名残惜しく、舌先をひらめかせながら2往復、いや4往復させた。その間も動かし続けていた指のすべりがたちまち良くなる。滴って後ろの窄まりを通り敷布に滲みを作った。
「あん、ああん、あ、あ、あ、あーっ!」
かかとで腰を持ち上げ、左右にユラユラと揺らす。また達したのだろう。こんなに立て続けではレオノアが疲れてしまう。名残惜しく口を離すと、差し入れた指を締めながらポスンと腰を下ろした。
「レオニー?大丈夫?」
焦点が合っていない。はあはあと呼吸を整えようと荒い息をつくたび、豊かな胸も合わせて揺れている。その先の赤く色づき、ピンピンに固くなって濡れた乳首……。
「んぁああんっ!う、ウィル、だめぇ!まって、まって、ああんんっ!」
乳首に吸い付いた。吸い上げながら固いそれを舌で転がす。もう片方の胸は手でこね、合間に乳首をつまむ。膣に差し込んだ方は人差指と中指の2本に増やし、縦にして出し入れしながら親指で快感の芽を小刻みにこすった。
「あ………!ぁ………っ!ぅっ………!」
ビクンビクンと身体を波打たせる。指をきゅーっと締め付け、また愛液があふれた。ああ……!なんて可愛らしいんだ。そこを思うさま舐めてすすれたらどんなに……。
指を3本に増やした。さすがにきつい。慣らすために指をばらばらに動かした。むっちりとした肉が合わさる隙間を抜け、指ざわりの違うところを撫でる。ととととッと軽くタップし、またぐるりと指をまわす。肉の隙間で指をグニグニと動かす。そしてまた指ざわりの違うところを見つけた。ツブツブしている。トントンと刺激を与え、今度は同時に親指の腹で芽を軽く弾いた。
「っ…………!はぁ…………っ!!」
もはや声も出せずに達している。指を抜くとたらりと液がこぼれる。肘まで滴った愛液を舐めた。レオノアの匂い。レオノアの味。ああ……!
「レオニー……。きもちよかったね?」
「…………ん」
「どうだった?きもちよくない?」
「ん……」
脱力し、先ほどよりもさらに激しく呼吸している。目に楽しいそれを見ながら素早く服を脱いだ。下着を脱ぐ時に少しためらったのは、男の欲望を見てレオノアが怖がることを心配したからだ。だが、もはやぐったりと横たわる彼女は気がつかないだろう。苦しいと散々訴えていた猛りをようやく解放した。
ぶるんと勢いよく飛び出した雄は、自分だけの雌を求めてそそり立っていた。下腹に沿うように立ち、先端が臍へ潜ろうとしている。右手で軽くしごいてからレオノアの足の間に膝をつき、そっと秘所へ滑らせる。余るほどに濡れたその液を纏わせる目的で、切っ先から根本までをゆっくりと滑らせた。
「あんぅーーーーっ」
感じやすい芽を慎重に避けていたつもりが、熱杭がこすっていたようだ。レオノアは両足をピンと伸ばし、硬直した後また脱力した。息が整うのを待って呼び掛ける。
「レオニー、レオノア。大丈夫?」
「…………ウィル、ひどい」
「……!どうして?」
「だ、だってこんな……んっ……あ、そ、それ、動かさないでぇ……!」
もう一度、滑らせながら腰を引こうとしていたウィリアムに涙目で非難を訴えるレオノアは、またピクピクと身体を震わせた。
「ダメっ!ウィル、それだめっ!」
「…………」
右手を使って雄を押し下げ秘所に当てていたウィリアムは、ゆっくりと手の力を抜いた。ぬちゃりと音を立てて離れたそれが、勢いよく下腹へ向けてしなる。
血管を浮き走らせる猛りは、レオノアのものだけではない水分に塗れていた。
もう本当に限界だ。先端を泉に――願ってやまないその場所へほんの少し潜らせた。
「入れるよ。……レオニー、私を見て。誰が君を奪うのか、ちゃんと……っ」
十分にほぐし、濡らしたことで苦痛は最小限に抑えられるだろう。いや、たとえ痛んだとしてももはや止めることはできない。頭だけを入れる。クイと腰を進めると、そこはきゅっと締まりうねる。奥歯を噛みしめて吐精の衝動を逃がした。
「ウィル……」
レオノアがウィリアムに向かって両手を伸ばした。瞳は濡れ、この上ない輝きに満たされている。その瞳に湛えられた信頼に胸を撃ち抜かれた。上体を倒すと両腕が背に回される。ウィリアムは左肘から先をレオノアの顔の横につけ、薄く開いたままの唇にキスをした。
「レオノア。少し痛むかもしれない。頑張れる?」
理性が辛うじて男の内に棲む獣を留めている。額の汗が落ち、レオノアの長い髪に吸い込まれた。背に回された腕。それに力が込められるとともに、レオノアは少し顎を上げ、ウィリアムにキスを返した。
「だいじょうぶ…だから、きて」
その健気な言葉に全身が痺れ、幸福感に満たされた。これだけで達してしまいそうだ。愛しい。優しくしたい。奪いたい。喰らいつくしたい。乱れる思考のまま、ウィリアムはレオノアの首に顔を寄せた。荒い息がレオノアの肩と首、広がった髪の上に流れる。レオノアの匂い。自分が残した痕が散る白い首筋から顎のラインに沿ってキスを繰り返した後、正面から目を合わせた。
「愛してる、レオノア。君だけだ」
漲りの先端を触れさせた状態から、一気に貫く。
「あー………………っっ!!」
背をしならせて、痛みを堪え必死で縋り付くレオノアのいじらしさ。ウイリアムは覆いかぶさる形で両腕を付き、せめて馴染むまでは動かずにいよう、そう思ったのだが。
「………………っ!」
レオノアの中は熱杭を絞るようにうねうねと動き続けている。入り口から一番奥、突き当りの壁までがねっとりとウィリアムを包み、さざなみのように痙攣した。
「ぅあ…………っ」
背筋を駆け上がるビリビリとした何か。先ほどまでの比ではない、全身ずっぷりと汗をかき、腹筋をひくつかせながら必死で耐えた。
と、しがみついていたレオノアの強張りがほどける。少しは痛みが治まったか、それならよかったと、互いに刺激のない状態でゆっくり身体を離そうとしたとき、レオノアがウィリアムの汗に濡れた胸にそっと手をあてた。
「う………」
ビクリと胸筋を震わせた弾みで下肢に快感が走る。どうしたのかとレオノアを見たウィリアムは、目にしたものが信じられず喉を強張らせた。レオノアが、ウィリアムの逞しい胸筋に手を滑らせた後、そっと首を伸ばし乳首をぺろりと舐めたのだ。
「………っ…………く!!」
危ないところで吐精の危機を回避し、自分の胸元に吸い付くレオノアを見る。
汗ばんだ黄金の長い髪に縁どられた小さな顔。全身をピンクに染め、今はうっとりと目を閉じウィリアムの胸でぎこちなく舌を使っている。
「………レオニー、何、してる、の?」
腹筋を固めてから口を開く。うかつに喋れば振動による刺激で達してしまいかねない。レオノアはウィリアムの胸から離れ、上目遣いでこちらを見ると不満げに口を尖らせた。
「きもちよくないの?」
「……くすぐったい、かな」
「そうなの?あんなにきもちいいのに」
「…………………う………レオニー、う、ごくよ」
言い終わる前に激しい律動を開始していた。高い声が上がる。レオノアを気遣う余裕もない。限界値はとうに超えている。思い切り奥まで突き入れた。蜜壺から抜け落ちるギリギリまで引き、また一番奥まで。快感に下がった子宮ごと押し上げる。のけ反るレオノアの喉。ここにいるのは俺の雌だ。誰にも、誰にも渡さない。
愛しいレオニー。気持ちいい。愛しい。気持ちいい。気持ちいい。たまらない…!
頭を一振りして髪を払い、動きに合わせて揺れる白い脚を両肩に抱え上げた。受け入れる場所が上向き、そこに体重を乗せて真上から打ち込む。ぬちゃぬちゃという水音とせわしない二人の呼吸、パンッパンッと肌を叩く音が絶え間なく響く。
「あっ、あっ、あ、あ、あ、ああぅっ!う、ィル、ウィル、まって、まってぇ!」
魂が飛びそうな快感の中、レオノアの声で失われていた理性に灯がともる。ほんの少しだけ。だが止めたくない。腰が止まらない。頭の片隅で叫ぶ理性の声を無視して腰を振り続けた。いやだめだ。レオノアが待てと言っている。待て、待て、やめろ!
「あ………………っ………………は……………っ!」
はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、はあっ………………。
乱れた前髪からのぞく目がギラついている自覚があった。
目の前の、力なく横たわる愛しい獲物。喰らいつくしたい雄の本能は、完全に目覚め咆哮していた。耐え切れずにゆさ、と揺さぶればきゅぅぅっと締め付けてくる。喉奥で唸って歯をむき出した。
「レオニー」
うっすらと目を開けたレオノアの眦は涙で濡れている。ほんの少し前ならその哀れさに胸を痛めただろうその姿が、今は弱った獲物を喰らう好機にしか思えなかった。
「……うぃる」
すん、と鼻をすする。愛しい。もっと泣かせたい。
「どうした?もうやめたい?」
「ううん……。あんっ!」
心にもないことを口にしながら、我慢できずにグリグリと腰をまわす。レオノアの一番感じる芽を押しつぶしたらしい。獲物にふさわしい声を上げた。ゆるゆると腰を使いながら聞く。
「レオニー。初めてだから痛かった?ちょっと激しすぎた?」
「んぁん!きもちい、きもちいのっ!あ、あっ!あっん!」
遠慮はいらないということか。それならとばかりに腰を動かそうとすると「まって!」と叫んだ。
「うぃる、ウィルは?」
「………うん?」
「ウィルは、きもちい、の?」
カーッと全身が熱くなる。レオノア、まったく君という人は……。
「あっん!」
「………レオノアはどうして、そう思った、の?気持ち、よさそうに見え、なかった?」
「あっ、あん、んん、わ、たしみたいに、んんっ、あぁん。う、ウィル、ウィルにも、んんぅ、き、もちよく、なってほしかったからっ」
もうだめだ。レオノアの腰を持ち上げ、一番奥を目がけてガツガツと腰を打ち付けた。ああ、レオノア。君は、きみは。
「レオニー、お前は俺のっ、ものだ。誰にも渡さない。絶対にっ、離さない。ずっと、永遠に……!」
「あっ、あっ、あっ、あ、ウィル、んんっあ、あっ!」
揺さぶられながらレオノアが懸命に両手を伸ばすから、両脇の下から手を差し入れ、背中側から肩をつかみぎゅっと抱きしめた。背に回される手。愛しいレオノア。うわ言のように名前を呼び、腰の動きとともに愛していると叫ぶ。目の前が白い光で弾ける。脳から背骨を電流が流れた。イく……!
「くぅっあ………っ!………っく!………ああっ…………ハっ………ッ!」
吐精しながらそれを塗り込めるようにグッ、グッ……と何度も腰を入れる。ああ。こんな………。こんな快感は初めてだ。目を開けると肩に噛み痕があった。白い肩に残された歯型が痛々しく、舌で舐めて慰める。噛み痕だけじゃない。首まわりは吸い痕でひどい状態になっている。申し訳なさの中の、ほんの少しの満足感。自分のものだというしるし。
もう一度、と主張するモノをそっと引き抜いた。とろりと流れる精と、蜜に混ざった赤い色。レオノアの初めての証が敷布に丸く広がっている。指でそっとすくい、そのとろみのある液を入り口と、剥けた芽の中身に塗り付けた。
「ああああっ!!んっ!!!」
かわいい……。たちまち臨戦態勢になった漲りを無視し、レオノアの髪を撫でた。
「レオニー。とても素敵だった。大好きだよ。愛してる」
「……ん、ウィル……」
「疲れただろう?ちょっと待って。…………ああ、やっぱり。お湯の準備がしてあるよ。入れてあげる」
サッとレオノアを抱き上げた。こんな楽しみが残っていたとは。上機嫌でバスルームに向かう。まだ力が入らないレオノアと一緒に湯につかり、柔らかい布でそっと汚れを落とした。
「我を忘れてしまったから……首がひどいことになってる。ごめんね」
「……いいの。ウィル、ありがとう」
「私の言葉を取らないで。……レオニー、本当にありがとう。好き。大好き」
顔中にキスの雨を降らせる。どれだけ慈しんでも足りない。レオニー。私のレオニー。
温くなるまで湯につかり、宿舎暮らしで手慣れたウィリアムが器用に敷布を取り換えたおかげで、二人して清潔な寝台に身を横たえる頃には、レオノアは半ば眠りについていた。それでも何かフニャフニャと口にする。可愛らしくて、愛しくて……。
満たされきったウィリアムはいつまでもレオノアの寝顔を見つめ続けた。思いを遂げた満足感と、今なら何でも出来そうな万能感。愛してるよ。眠るレオノアに何度も囁き、口づける。
レオノアが一度も「好き」という言葉を口にしなかったことにウィリアムが気付いたのは、随分後のことだった。
ぬかるむ泉のすぐ上にある芽に吸い付く。舌を使おうとしたその時、身体が大きく跳ね足指がきつく丸まった。もう達してしまったらしい。
くにくにとした芽の舌ざわりが名残惜しく、舌先をひらめかせながら2往復、いや4往復させた。その間も動かし続けていた指のすべりがたちまち良くなる。滴って後ろの窄まりを通り敷布に滲みを作った。
「あん、ああん、あ、あ、あ、あーっ!」
かかとで腰を持ち上げ、左右にユラユラと揺らす。また達したのだろう。こんなに立て続けではレオノアが疲れてしまう。名残惜しく口を離すと、差し入れた指を締めながらポスンと腰を下ろした。
「レオニー?大丈夫?」
焦点が合っていない。はあはあと呼吸を整えようと荒い息をつくたび、豊かな胸も合わせて揺れている。その先の赤く色づき、ピンピンに固くなって濡れた乳首……。
「んぁああんっ!う、ウィル、だめぇ!まって、まって、ああんんっ!」
乳首に吸い付いた。吸い上げながら固いそれを舌で転がす。もう片方の胸は手でこね、合間に乳首をつまむ。膣に差し込んだ方は人差指と中指の2本に増やし、縦にして出し入れしながら親指で快感の芽を小刻みにこすった。
「あ………!ぁ………っ!ぅっ………!」
ビクンビクンと身体を波打たせる。指をきゅーっと締め付け、また愛液があふれた。ああ……!なんて可愛らしいんだ。そこを思うさま舐めてすすれたらどんなに……。
指を3本に増やした。さすがにきつい。慣らすために指をばらばらに動かした。むっちりとした肉が合わさる隙間を抜け、指ざわりの違うところを撫でる。ととととッと軽くタップし、またぐるりと指をまわす。肉の隙間で指をグニグニと動かす。そしてまた指ざわりの違うところを見つけた。ツブツブしている。トントンと刺激を与え、今度は同時に親指の腹で芽を軽く弾いた。
「っ…………!はぁ…………っ!!」
もはや声も出せずに達している。指を抜くとたらりと液がこぼれる。肘まで滴った愛液を舐めた。レオノアの匂い。レオノアの味。ああ……!
「レオニー……。きもちよかったね?」
「…………ん」
「どうだった?きもちよくない?」
「ん……」
脱力し、先ほどよりもさらに激しく呼吸している。目に楽しいそれを見ながら素早く服を脱いだ。下着を脱ぐ時に少しためらったのは、男の欲望を見てレオノアが怖がることを心配したからだ。だが、もはやぐったりと横たわる彼女は気がつかないだろう。苦しいと散々訴えていた猛りをようやく解放した。
ぶるんと勢いよく飛び出した雄は、自分だけの雌を求めてそそり立っていた。下腹に沿うように立ち、先端が臍へ潜ろうとしている。右手で軽くしごいてからレオノアの足の間に膝をつき、そっと秘所へ滑らせる。余るほどに濡れたその液を纏わせる目的で、切っ先から根本までをゆっくりと滑らせた。
「あんぅーーーーっ」
感じやすい芽を慎重に避けていたつもりが、熱杭がこすっていたようだ。レオノアは両足をピンと伸ばし、硬直した後また脱力した。息が整うのを待って呼び掛ける。
「レオニー、レオノア。大丈夫?」
「…………ウィル、ひどい」
「……!どうして?」
「だ、だってこんな……んっ……あ、そ、それ、動かさないでぇ……!」
もう一度、滑らせながら腰を引こうとしていたウィリアムに涙目で非難を訴えるレオノアは、またピクピクと身体を震わせた。
「ダメっ!ウィル、それだめっ!」
「…………」
右手を使って雄を押し下げ秘所に当てていたウィリアムは、ゆっくりと手の力を抜いた。ぬちゃりと音を立てて離れたそれが、勢いよく下腹へ向けてしなる。
血管を浮き走らせる猛りは、レオノアのものだけではない水分に塗れていた。
もう本当に限界だ。先端を泉に――願ってやまないその場所へほんの少し潜らせた。
「入れるよ。……レオニー、私を見て。誰が君を奪うのか、ちゃんと……っ」
十分にほぐし、濡らしたことで苦痛は最小限に抑えられるだろう。いや、たとえ痛んだとしてももはや止めることはできない。頭だけを入れる。クイと腰を進めると、そこはきゅっと締まりうねる。奥歯を噛みしめて吐精の衝動を逃がした。
「ウィル……」
レオノアがウィリアムに向かって両手を伸ばした。瞳は濡れ、この上ない輝きに満たされている。その瞳に湛えられた信頼に胸を撃ち抜かれた。上体を倒すと両腕が背に回される。ウィリアムは左肘から先をレオノアの顔の横につけ、薄く開いたままの唇にキスをした。
「レオノア。少し痛むかもしれない。頑張れる?」
理性が辛うじて男の内に棲む獣を留めている。額の汗が落ち、レオノアの長い髪に吸い込まれた。背に回された腕。それに力が込められるとともに、レオノアは少し顎を上げ、ウィリアムにキスを返した。
「だいじょうぶ…だから、きて」
その健気な言葉に全身が痺れ、幸福感に満たされた。これだけで達してしまいそうだ。愛しい。優しくしたい。奪いたい。喰らいつくしたい。乱れる思考のまま、ウィリアムはレオノアの首に顔を寄せた。荒い息がレオノアの肩と首、広がった髪の上に流れる。レオノアの匂い。自分が残した痕が散る白い首筋から顎のラインに沿ってキスを繰り返した後、正面から目を合わせた。
「愛してる、レオノア。君だけだ」
漲りの先端を触れさせた状態から、一気に貫く。
「あー………………っっ!!」
背をしならせて、痛みを堪え必死で縋り付くレオノアのいじらしさ。ウイリアムは覆いかぶさる形で両腕を付き、せめて馴染むまでは動かずにいよう、そう思ったのだが。
「………………っ!」
レオノアの中は熱杭を絞るようにうねうねと動き続けている。入り口から一番奥、突き当りの壁までがねっとりとウィリアムを包み、さざなみのように痙攣した。
「ぅあ…………っ」
背筋を駆け上がるビリビリとした何か。先ほどまでの比ではない、全身ずっぷりと汗をかき、腹筋をひくつかせながら必死で耐えた。
と、しがみついていたレオノアの強張りがほどける。少しは痛みが治まったか、それならよかったと、互いに刺激のない状態でゆっくり身体を離そうとしたとき、レオノアがウィリアムの汗に濡れた胸にそっと手をあてた。
「う………」
ビクリと胸筋を震わせた弾みで下肢に快感が走る。どうしたのかとレオノアを見たウィリアムは、目にしたものが信じられず喉を強張らせた。レオノアが、ウィリアムの逞しい胸筋に手を滑らせた後、そっと首を伸ばし乳首をぺろりと舐めたのだ。
「………っ…………く!!」
危ないところで吐精の危機を回避し、自分の胸元に吸い付くレオノアを見る。
汗ばんだ黄金の長い髪に縁どられた小さな顔。全身をピンクに染め、今はうっとりと目を閉じウィリアムの胸でぎこちなく舌を使っている。
「………レオニー、何、してる、の?」
腹筋を固めてから口を開く。うかつに喋れば振動による刺激で達してしまいかねない。レオノアはウィリアムの胸から離れ、上目遣いでこちらを見ると不満げに口を尖らせた。
「きもちよくないの?」
「……くすぐったい、かな」
「そうなの?あんなにきもちいいのに」
「…………………う………レオニー、う、ごくよ」
言い終わる前に激しい律動を開始していた。高い声が上がる。レオノアを気遣う余裕もない。限界値はとうに超えている。思い切り奥まで突き入れた。蜜壺から抜け落ちるギリギリまで引き、また一番奥まで。快感に下がった子宮ごと押し上げる。のけ反るレオノアの喉。ここにいるのは俺の雌だ。誰にも、誰にも渡さない。
愛しいレオニー。気持ちいい。愛しい。気持ちいい。気持ちいい。たまらない…!
頭を一振りして髪を払い、動きに合わせて揺れる白い脚を両肩に抱え上げた。受け入れる場所が上向き、そこに体重を乗せて真上から打ち込む。ぬちゃぬちゃという水音とせわしない二人の呼吸、パンッパンッと肌を叩く音が絶え間なく響く。
「あっ、あっ、あ、あ、あ、ああぅっ!う、ィル、ウィル、まって、まってぇ!」
魂が飛びそうな快感の中、レオノアの声で失われていた理性に灯がともる。ほんの少しだけ。だが止めたくない。腰が止まらない。頭の片隅で叫ぶ理性の声を無視して腰を振り続けた。いやだめだ。レオノアが待てと言っている。待て、待て、やめろ!
「あ………………っ………………は……………っ!」
はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、はあっ………………。
乱れた前髪からのぞく目がギラついている自覚があった。
目の前の、力なく横たわる愛しい獲物。喰らいつくしたい雄の本能は、完全に目覚め咆哮していた。耐え切れずにゆさ、と揺さぶればきゅぅぅっと締め付けてくる。喉奥で唸って歯をむき出した。
「レオニー」
うっすらと目を開けたレオノアの眦は涙で濡れている。ほんの少し前ならその哀れさに胸を痛めただろうその姿が、今は弱った獲物を喰らう好機にしか思えなかった。
「……うぃる」
すん、と鼻をすする。愛しい。もっと泣かせたい。
「どうした?もうやめたい?」
「ううん……。あんっ!」
心にもないことを口にしながら、我慢できずにグリグリと腰をまわす。レオノアの一番感じる芽を押しつぶしたらしい。獲物にふさわしい声を上げた。ゆるゆると腰を使いながら聞く。
「レオニー。初めてだから痛かった?ちょっと激しすぎた?」
「んぁん!きもちい、きもちいのっ!あ、あっ!あっん!」
遠慮はいらないということか。それならとばかりに腰を動かそうとすると「まって!」と叫んだ。
「うぃる、ウィルは?」
「………うん?」
「ウィルは、きもちい、の?」
カーッと全身が熱くなる。レオノア、まったく君という人は……。
「あっん!」
「………レオノアはどうして、そう思った、の?気持ち、よさそうに見え、なかった?」
「あっ、あん、んん、わ、たしみたいに、んんっ、あぁん。う、ウィル、ウィルにも、んんぅ、き、もちよく、なってほしかったからっ」
もうだめだ。レオノアの腰を持ち上げ、一番奥を目がけてガツガツと腰を打ち付けた。ああ、レオノア。君は、きみは。
「レオニー、お前は俺のっ、ものだ。誰にも渡さない。絶対にっ、離さない。ずっと、永遠に……!」
「あっ、あっ、あっ、あ、ウィル、んんっあ、あっ!」
揺さぶられながらレオノアが懸命に両手を伸ばすから、両脇の下から手を差し入れ、背中側から肩をつかみぎゅっと抱きしめた。背に回される手。愛しいレオノア。うわ言のように名前を呼び、腰の動きとともに愛していると叫ぶ。目の前が白い光で弾ける。脳から背骨を電流が流れた。イく……!
「くぅっあ………っ!………っく!………ああっ…………ハっ………ッ!」
吐精しながらそれを塗り込めるようにグッ、グッ……と何度も腰を入れる。ああ。こんな………。こんな快感は初めてだ。目を開けると肩に噛み痕があった。白い肩に残された歯型が痛々しく、舌で舐めて慰める。噛み痕だけじゃない。首まわりは吸い痕でひどい状態になっている。申し訳なさの中の、ほんの少しの満足感。自分のものだというしるし。
もう一度、と主張するモノをそっと引き抜いた。とろりと流れる精と、蜜に混ざった赤い色。レオノアの初めての証が敷布に丸く広がっている。指でそっとすくい、そのとろみのある液を入り口と、剥けた芽の中身に塗り付けた。
「ああああっ!!んっ!!!」
かわいい……。たちまち臨戦態勢になった漲りを無視し、レオノアの髪を撫でた。
「レオニー。とても素敵だった。大好きだよ。愛してる」
「……ん、ウィル……」
「疲れただろう?ちょっと待って。…………ああ、やっぱり。お湯の準備がしてあるよ。入れてあげる」
サッとレオノアを抱き上げた。こんな楽しみが残っていたとは。上機嫌でバスルームに向かう。まだ力が入らないレオノアと一緒に湯につかり、柔らかい布でそっと汚れを落とした。
「我を忘れてしまったから……首がひどいことになってる。ごめんね」
「……いいの。ウィル、ありがとう」
「私の言葉を取らないで。……レオニー、本当にありがとう。好き。大好き」
顔中にキスの雨を降らせる。どれだけ慈しんでも足りない。レオニー。私のレオニー。
温くなるまで湯につかり、宿舎暮らしで手慣れたウィリアムが器用に敷布を取り換えたおかげで、二人して清潔な寝台に身を横たえる頃には、レオノアは半ば眠りについていた。それでも何かフニャフニャと口にする。可愛らしくて、愛しくて……。
満たされきったウィリアムはいつまでもレオノアの寝顔を見つめ続けた。思いを遂げた満足感と、今なら何でも出来そうな万能感。愛してるよ。眠るレオノアに何度も囁き、口づける。
レオノアが一度も「好き」という言葉を口にしなかったことにウィリアムが気付いたのは、随分後のことだった。
0
お気に入りに追加
1,791
あなたにおすすめの小説
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
ハズレ令嬢の私を腹黒貴公子が毎夜求めて離さない
扇 レンナ
恋愛
旧題:買われた娘は毎晩飛ぶほど愛されています!?
セレニアは由緒あるライアンズ侯爵家の次女。
姉アビゲイルは才色兼備と称され、周囲からの期待を一身に受けてきたものの、セレニアは実の両親からも放置気味。将来に期待されることなどなかった。
だが、そんな日々が変わったのは父親が投資詐欺に引っ掛かり多額の借金を作ってきたことがきっかけだった。
――このままでは、アビゲイルの将来が危うい。
そう思った父はセレニアに「成金男爵家に嫁いで来い」と命じた。曰く、相手の男爵家は爵位が上の貴族とのつながりを求めていると。コネをつなぐ代わりに借金を肩代わりしてもらうと。
その結果、セレニアは新進気鋭の男爵家メイウェザー家の若き当主ジュードと結婚することになる。
ジュードは一代で巨大な富を築き爵位を買った男性。セレニアは彼を仕事人間だとイメージしたものの、実際のジュードはほんわかとした真逆のタイプ。しかし、彼が求めているのは所詮コネ。
そう決めつけ、セレニアはジュードとかかわる際は一線を引こうとしていたのだが、彼はセレニアを強く求め毎日のように抱いてくる。
しかも、彼との行為はいつも一度では済まず、セレニアは毎晩のように意識が飛ぶほど愛されてしまって――……!?
おっとりとした絶倫実業家と見放されてきた令嬢の新婚ラブ!
◇hotランキング 3位ありがとうございます!
――
◇掲載先→アルファポリス(先行公開)、ムーンライトノベルズ
国王陛下は悪役令嬢の子宮で溺れる
一ノ瀬 彩音
恋愛
「俺様」なイケメン国王陛下。彼は自分の婚約者である悪役令嬢・エリザベッタを愛していた。
そんな時、謎の男から『エリザベッタを妊娠させる薬』を受け取る。
それを使って彼女を孕ませる事に成功したのだが──まさかの展開!?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
【R18】××××で魔力供給をする世界に聖女として転移して、イケメン魔法使いに甘やかされ抱かれる話
もなか
恋愛
目を覚ますと、金髪碧眼のイケメン──アースに抱かれていた。
詳しく話を聞くに、どうやら、私は魔法がある異世界に聖女として転移をしてきたようだ。
え? この世界、魔法を使うためには、魔力供給をしなきゃいけないんですか?
え? 魔力供給って、××××しなきゃいけないんですか?
え? 私、アースさん専用の聖女なんですか?
魔力供給(性行為)をしなきゃいけない聖女が、イケメン魔法使いに甘やかされ、快楽の日々に溺れる物語──。
※n番煎じの魔力供給もの。18禁シーンばかりの変態度高めな物語です。
※ムーンライトノベルズにも載せております。ムーンライトノベルズさんの方は、題名が少し変わっております。
※ヒーローが変態です。ヒロインはちょろいです。
R18作品です。18歳未満の方(高校生も含む)の閲覧は、御遠慮ください。
つがいの皇帝に溺愛される幼い皇女の至福
ゆきむら さり
恋愛
稚拙な私の作品をHOTランキング(7/1)に入れて頂き、ありがとうございます✨読んで下さる皆様のおかげです🧡
〔あらすじ〕📝強大な魔帝国を治める時の皇帝オーブリー。壮年期を迎えても皇后を迎えない彼には、幼少期より憧れを抱く美しい人がいる。その美しい人の産んだ幼な姫が、自身のつがいだと本能的に悟る皇帝オーブリーは、外の世界に憧れを抱くその幼な姫の皇女ベハティを魔帝国へと招待することに……。
完結した【堕ちた御子姫は帝国に囚われる】のスピンオフ。前作の登場人物達の子供達のお話。加えて、前作の登場人物達のその後も書かれておりますので、気になる方は、是非ご一読下さい🤗
ゆるふわで甘いお話し。溺愛。ハピエン🩷
※設定などは独自の世界観でご都合主義となります。
◇稚拙な私の作品📝にお付き合い頂き、本当にありがとうございます🧡
悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~
一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、
快楽漬けの日々を過ごすことになる!
そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる