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21. 光の王女③

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「ぁあーーっ!」

ぬかるむ泉のすぐ上にある芽に吸い付く。舌を使おうとしたその時、身体が大きく跳ね足指がきつく丸まった。もう達してしまったらしい。
くにくにとした芽の舌ざわりが名残惜しく、舌先をひらめかせながら2往復、いや4往復させた。その間も動かし続けていた指のすべりがたちまち良くなる。滴って後ろの窄まりを通り敷布に滲みを作った。

「あん、ああん、あ、あ、あ、あーっ!」

かかとで腰を持ち上げ、左右にユラユラと揺らす。また達したのだろう。こんなに立て続けではレオノアが疲れてしまう。名残惜しく口を離すと、差し入れた指を締めながらポスンと腰を下ろした。

「レオニー?大丈夫?」

焦点が合っていない。はあはあと呼吸を整えようと荒い息をつくたび、豊かな胸も合わせて揺れている。その先の赤く色づき、ピンピンに固くなって濡れた乳首……。

「んぁああんっ!う、ウィル、だめぇ!まって、まって、ああんんっ!」

乳首に吸い付いた。吸い上げながら固いそれを舌で転がす。もう片方の胸は手でこね、合間に乳首をつまむ。膣に差し込んだ方は人差指と中指の2本に増やし、縦にして出し入れしながら親指で快感の芽を小刻みにこすった。

「あ………!ぁ………っ!ぅっ………!」

ビクンビクンと身体を波打たせる。指をきゅーっと締め付け、また愛液があふれた。ああ……!なんて可愛らしいんだ。そこを思うさま舐めてすすれたらどんなに……。

指を3本に増やした。さすがにきつい。慣らすために指をばらばらに動かした。むっちりとした肉が合わさる隙間を抜け、指ざわりの違うところを撫でる。ととととッと軽くタップし、またぐるりと指をまわす。肉の隙間で指をグニグニと動かす。そしてまた指ざわりの違うところを見つけた。ツブツブしている。トントンと刺激を与え、今度は同時に親指の腹で芽を軽く弾いた。

「っ…………!はぁ…………っ!!」

もはや声も出せずに達している。指を抜くとたらりと液がこぼれる。肘まで滴った愛液を舐めた。レオノアの匂い。レオノアの味。ああ……!

「レオニー……。きもちよかったね?」
「…………ん」
「どうだった?きもちよくない?」
「ん……」

脱力し、先ほどよりもさらに激しく呼吸している。目に楽しいそれを見ながら素早く服を脱いだ。下着を脱ぐ時に少しためらったのは、男の欲望を見てレオノアが怖がることを心配したからだ。だが、もはやぐったりと横たわる彼女は気がつかないだろう。苦しいと散々訴えていた猛りをようやく解放した。

ぶるんと勢いよく飛び出した雄は、自分だけの雌を求めてそそり立っていた。下腹に沿うように立ち、先端が臍へ潜ろうとしている。右手で軽くしごいてからレオノアの足の間に膝をつき、そっと秘所へ滑らせる。余るほどに濡れたその液を纏わせる目的で、切っ先から根本までをゆっくりと滑らせた。

「あんぅーーーーっ」

感じやすい芽を慎重に避けていたつもりが、熱杭がこすっていたようだ。レオノアは両足をピンと伸ばし、硬直した後また脱力した。息が整うのを待って呼び掛ける。

「レオニー、レオノア。大丈夫?」
「…………ウィル、ひどい」
「……!どうして?」
「だ、だってこんな……んっ……あ、そ、それ、動かさないでぇ……!」

もう一度、滑らせながら腰を引こうとしていたウィリアムに涙目で非難を訴えるレオノアは、またピクピクと身体を震わせた。

「ダメっ!ウィル、それだめっ!」
「…………」

右手を使って雄を押し下げ秘所に当てていたウィリアムは、ゆっくりと手の力を抜いた。ぬちゃりと音を立てて離れたそれが、勢いよく下腹へ向けてしなる。
血管を浮き走らせる猛りは、レオノアのものだけではない水分に塗れていた。

もう本当に限界だ。先端を泉に――願ってやまないその場所へほんの少し潜らせた。

「入れるよ。……レオニー、私を見て。誰が君を奪うのか、ちゃんと……っ」

十分にほぐし、濡らしたことで苦痛は最小限に抑えられるだろう。いや、たとえ痛んだとしてももはや止めることはできない。頭だけを入れる。クイと腰を進めると、そこはきゅっと締まりうねる。奥歯を噛みしめて吐精の衝動を逃がした。

「ウィル……」

レオノアがウィリアムに向かって両手を伸ばした。瞳は濡れ、この上ない輝きに満たされている。その瞳に湛えられた信頼に胸を撃ち抜かれた。上体を倒すと両腕が背に回される。ウィリアムは左肘から先をレオノアの顔の横につけ、薄く開いたままの唇にキスをした。

「レオノア。少し痛むかもしれない。頑張れる?」

理性が辛うじて男の内に棲む獣を留めている。額の汗が落ち、レオノアの長い髪に吸い込まれた。背に回された腕。それに力が込められるとともに、レオノアは少し顎を上げ、ウィリアムにキスを返した。

「だいじょうぶ…だから、きて」

その健気な言葉に全身が痺れ、幸福感に満たされた。これだけで達してしまいそうだ。愛しい。優しくしたい。奪いたい。喰らいつくしたい。乱れる思考のまま、ウィリアムはレオノアの首に顔を寄せた。荒い息がレオノアの肩と首、広がった髪の上に流れる。レオノアの匂い。自分が残した痕が散る白い首筋から顎のラインに沿ってキスを繰り返した後、正面から目を合わせた。

「愛してる、レオノア。君だけだ」

漲りの先端を触れさせた状態から、一気に貫く。

「あー………………っっ!!」

背をしならせて、痛みを堪え必死で縋り付くレオノアのいじらしさ。ウイリアムは覆いかぶさる形で両腕を付き、せめて馴染むまでは動かずにいよう、そう思ったのだが。

「………………っ!」

レオノアの中は熱杭を絞るようにうねうねと動き続けている。入り口から一番奥、突き当りの壁までがねっとりとウィリアムを包み、さざなみのように痙攣した。

「ぅあ…………っ」

背筋を駆け上がるビリビリとした何か。先ほどまでの比ではない、全身ずっぷりと汗をかき、腹筋をひくつかせながら必死で耐えた。

と、しがみついていたレオノアの強張りがほどける。少しは痛みが治まったか、それならよかったと、互いに刺激のない状態でゆっくり身体を離そうとしたとき、レオノアがウィリアムの汗に濡れた胸にそっと手をあてた。

「う………」

ビクリと胸筋を震わせた弾みで下肢に快感が走る。どうしたのかとレオノアを見たウィリアムは、目にしたものが信じられず喉を強張らせた。レオノアが、ウィリアムの逞しい胸筋に手を滑らせた後、そっと首を伸ばし乳首をぺろりと舐めたのだ。

「………っ…………く!!」

危ないところで吐精の危機を回避し、自分の胸元に吸い付くレオノアを見る。
汗ばんだ黄金の長い髪に縁どられた小さな顔。全身をピンクに染め、今はうっとりと目を閉じウィリアムの胸でぎこちなく舌を使っている。

「………レオニー、何、してる、の?」

腹筋を固めてから口を開く。うかつに喋れば振動による刺激で達してしまいかねない。レオノアはウィリアムの胸から離れ、上目遣いでこちらを見ると不満げに口を尖らせた。

「きもちよくないの?」
「……くすぐったい、かな」
「そうなの?あんなにきもちいいのに」
「…………………う………レオニー、う、ごくよ」

言い終わる前に激しい律動を開始していた。高い声が上がる。レオノアを気遣う余裕もない。限界値はとうに超えている。思い切り奥まで突き入れた。蜜壺から抜け落ちるギリギリまで引き、また一番奥まで。快感に下がった子宮ごと押し上げる。のけ反るレオノアの喉。ここにいるのは俺の雌だ。誰にも、誰にも渡さない。
愛しいレオニー。気持ちいい。愛しい。気持ちいい。気持ちいい。たまらない…!

頭を一振りして髪を払い、動きに合わせて揺れる白い脚を両肩に抱え上げた。受け入れる場所が上向き、そこに体重を乗せて真上から打ち込む。ぬちゃぬちゃという水音とせわしない二人の呼吸、パンッパンッと肌を叩く音が絶え間なく響く。

「あっ、あっ、あ、あ、あ、ああぅっ!う、ィル、ウィル、まって、まってぇ!」

魂が飛びそうな快感の中、レオノアの声で失われていた理性に灯がともる。ほんの少しだけ。だが止めたくない。腰が止まらない。頭の片隅で叫ぶ理性の声を無視して腰を振り続けた。いやだめだ。レオノアが待てと言っている。待て、待て、やめろ!

「あ………………っ………………は……………っ!」

はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、はあっ………………。

乱れた前髪からのぞく目がギラついている自覚があった。
目の前の、力なく横たわる愛しい獲物。喰らいつくしたい雄の本能は、完全に目覚め咆哮していた。耐え切れずにゆさ、と揺さぶればきゅぅぅっと締め付けてくる。喉奥で唸って歯をむき出した。

「レオニー」

うっすらと目を開けたレオノアの眦は涙で濡れている。ほんの少し前ならその哀れさに胸を痛めただろうその姿が、今は弱った獲物を喰らう好機にしか思えなかった。

「……うぃる」

すん、と鼻をすする。愛しい。もっと泣かせたい。

「どうした?もうやめたい?」
「ううん……。あんっ!」

心にもないことを口にしながら、我慢できずにグリグリと腰をまわす。レオノアの一番感じる芽を押しつぶしたらしい。獲物にふさわしい声を上げた。ゆるゆると腰を使いながら聞く。

「レオニー。初めてだから痛かった?ちょっと激しすぎた?」
「んぁん!きもちい、きもちいのっ!あ、あっ!あっん!」

遠慮はいらないということか。それならとばかりに腰を動かそうとすると「まって!」と叫んだ。

「うぃる、ウィルは?」
「………うん?」
「ウィルは、きもちい、の?」

カーッと全身が熱くなる。レオノア、まったく君という人は……。

「あっん!」
「………レオノアはどうして、そう思った、の?気持ち、よさそうに見え、なかった?」
「あっ、あん、んん、わ、たしみたいに、んんっ、あぁん。う、ウィル、ウィルにも、んんぅ、き、もちよく、なってほしかったからっ」

もうだめだ。レオノアの腰を持ち上げ、一番奥を目がけてガツガツと腰を打ち付けた。ああ、レオノア。君は、きみは。

「レオニー、お前は俺のっ、ものだ。誰にも渡さない。絶対にっ、離さない。ずっと、永遠に……!」
「あっ、あっ、あっ、あ、ウィル、んんっあ、あっ!」

揺さぶられながらレオノアが懸命に両手を伸ばすから、両脇の下から手を差し入れ、背中側から肩をつかみぎゅっと抱きしめた。背に回される手。愛しいレオノア。うわ言のように名前を呼び、腰の動きとともに愛していると叫ぶ。目の前が白い光で弾ける。脳から背骨を電流が流れた。イく……!

「くぅっあ………っ!………っく!………ああっ…………ハっ………ッ!」

吐精しながらそれを塗り込めるようにグッ、グッ……と何度も腰を入れる。ああ。こんな………。こんな快感は初めてだ。目を開けると肩に噛み痕があった。白い肩に残された歯型が痛々しく、舌で舐めて慰める。噛み痕だけじゃない。首まわりは吸い痕でひどい状態になっている。申し訳なさの中の、ほんの少しの満足感。自分のものだというしるし。

もう一度、と主張するモノをそっと引き抜いた。とろりと流れる精と、蜜に混ざった赤い色。レオノアの初めての証が敷布に丸く広がっている。指でそっとすくい、そのとろみのある液を入り口と、剥けた芽の中身に塗り付けた。

「ああああっ!!んっ!!!」

かわいい……。たちまち臨戦態勢になった漲りを無視し、レオノアの髪を撫でた。

「レオニー。とても素敵だった。大好きだよ。愛してる」
「……ん、ウィル……」
「疲れただろう?ちょっと待って。…………ああ、やっぱり。お湯の準備がしてあるよ。入れてあげる」

サッとレオノアを抱き上げた。こんな楽しみが残っていたとは。上機嫌でバスルームに向かう。まだ力が入らないレオノアと一緒に湯につかり、柔らかい布でそっと汚れを落とした。

「我を忘れてしまったから……首がひどいことになってる。ごめんね」
「……いいの。ウィル、ありがとう」
「私の言葉を取らないで。……レオニー、本当にありがとう。好き。大好き」

顔中にキスの雨を降らせる。どれだけ慈しんでも足りない。レオニー。私のレオニー。

温くなるまで湯につかり、宿舎暮らしで手慣れたウィリアムが器用に敷布を取り換えたおかげで、二人して清潔な寝台に身を横たえる頃には、レオノアは半ば眠りについていた。それでも何かフニャフニャと口にする。可愛らしくて、愛しくて……。
満たされきったウィリアムはいつまでもレオノアの寝顔を見つめ続けた。思いを遂げた満足感と、今なら何でも出来そうな万能感。愛してるよ。眠るレオノアに何度も囁き、口づける。

レオノアが一度も「好き」という言葉を口にしなかったことにウィリアムが気付いたのは、随分後のことだった。

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