このユーザは規約違反のため、運営により削除されました。 前科者みたい 小説家になろうを腐ったみかんのように捨てられた 雑記帳

永遠の光

永遠の光

冷たい夜空に星が瞬いていた。その光は無数の命の証であり、無限の時の中にきらめく希望の象徴だった。

サクラは星空を見上げながら小さなクリスチャンの集会所の扉を開けた。その手には古びた聖書が握られている。幼い頃に亡くなった母が愛読していたもので、サクラにとっては唯一無二の宝物だった。

集会所の中は静まり返り、ろうそくの炎がほのかな明かりを放っている。その奥には、一人の年配の長老兄弟が膝をつき祈りをささげていた。

「兄弟……私はもう祈り続けることに疲れてしまいました。」サクラの声は震えていた。彼女の瞳には涙があふれている。

長老兄弟は顔を上げ、穏やかな表情でサクラを見つめた。「姉妹よ、何があなたをそんなに苦しめているのか教えてください。」

サクラは小さな声で答えた。「戦争で家族をすべて失いました。生きる意味を見いだせません。神がこの世を愛しているなら、なぜこんな悲しみをお許しになるのでしょう？」

長老兄弟はしばらく沈黙した後、聖書を開き、ヨハネ3章16節の言葉を語り始めた。「神は世を深く愛してご自分の独り子を与え、だれでも彼に信仰を働かせる者が滅ぼされないで、永遠の命を持てるようにされた。」

その言葉を聞いたサクラは疑問を口にした。「でも、その愛は今の私には届いていないように感じます。」

長老兄弟はろうそくの灯を見つめながら言った。「愛は見えない形であなたの中に宿るものです。痛みや失望の中でこそ、神の愛を感じられる瞬間があります。試練は、信仰を成長させ、あなたが永遠の命へと続く道を見つける助けとなるのです。」

その夜、サクラは集会所で一晩を過ごした。星空を眺めながら、母が生前に語った言葉を思い出した。「どんなに苦しい時でも、祈りの中に真実の希望がある。」

翌朝、サクラは決心した。彼女は村の避難民たちを助けるために行動を始めた。寒さで凍える子供たちに毛布を配り、食料を分け与えるために協力者を募った。最初はわずかな人数だったが、サクラの行動は村中の人々に伝わり、多くの人々が彼女に続いた。

月日がたち、サクラはある日ふと気づいた。彼女が感じていた深い悲しみは、今では小さな希望の灯に変わっていたのだ。「もしかすると、これが神の愛なのかもしれない」と彼女は思った。

戦争が終わり、平和が戻ったとき、村の中心にはサクラを中心とした新しい共同体が築かれていた。その集会所の扉には、ヨハネ3章16節の言葉が刻まれ、訪れる人々に愛と希望を語りかけていた。

サクラは星空を見上げながら微笑んだ。あの夜、長老兄弟が語った言葉が、今では心の中で輝く真実として息づいていた。

「神は世を愛している。だから私たちは生きる。そして愛を伝え続ける。」