このユーザは規約違反のため、運営により削除されました。 前科者みたい 小説家になろうを腐ったみかんのように捨てられた 雑記帳

私たちα世代の物語

『私たちα世代の物語』

「ねえ、サクラちゃん、今日もアルファポリスで投稿するの？」
同級生のハルカが、学校の帰り道で尋ねてきた。サクラは頷きながら笑う。

「うん！今日はね、海賊のお話を書こうと思ってるんだ。」

サクラは8歳。小学校3年生になったばかりだけど、彼女には大きな夢があった。それはアルファポリスで人気作家になること。アルファポリスは、彼女にとって可能性に満ちた魔法の場所だった。文章が得意なわけではないし、漢字だってまだあまり使えない。それでも、サクラは毎日新しい物語を書いて投稿していた。

家に帰ると、ランドセルを置き、すぐに机に向かう。サクラのお気に入りのパソコンは、彼女のお父さんが使わなくなった古いノートパソコンだ。キーボードを叩くたびにカチャカチャと音が鳴る。

「さて、今日のお話は……海賊船の冒険から始めよう！」

サクラは画面を見つめながらタイピングを始めた。思いつくままに、頭の中のイメージを言葉にしていく。海賊船にはサクラ自身が登場する。彼女が想像する「サクラ船長」は、大きな帽子をかぶり、勇敢で知恵のあるキャラクターだ。

「船長！向こうに島が見えます！」

甲板の上で叫ぶ船員を見て、サクラ船長は双眼鏡を取り出した。波間に浮かぶ小さな島には、光り輝く宝箱が見えた。

「よし、全員準備だ！あの島にはきっと大きな宝が眠っているぞ！」

サクラ船長の声に、船員たちは活気づいた。彼らは帆を張り、風を受けて島に向かう。

「船長、この島、ちょっと不気味ですね……」

島に上陸した船員の一人が、周りを見回しながらつぶやいた。茂みの奥からは、不気味な音が聞こえてくる。

「大丈夫！私たちは最強の海賊団だもの！」

サクラ船長は胸を張って進んでいった。その先にあったのは、宝箱と、そこを守る大きなドラゴンだった。

サクラは夢中でキーボードを叩き続ける。彼女の頭の中では、物語が生き生きと動いている。勇敢なサクラ船長と仲間たちが、ドラゴンと戦いながら宝を手に入れるシーンを書き終えると、満足そうに微笑んだ。

「できた！」

投稿ボタンをクリックすると、画面に「投稿が完了しました」というメッセージが表示される。その瞬間、サクラの心は喜びでいっぱいになった。彼女の物語が世界中の誰かに読まれると思うと、胸が高鳴るのだ。

次の日、学校に行くと、ハルカが駆け寄ってきた。

「サクラちゃん！昨日の海賊のお話、読んだよ！ドラゴンを倒すところ、すごく面白かった！」

ハルカの言葉に、サクラは照れくさそうに笑った。「ほんと？ありがとう！」

サクラはまだ文章を書くのが得意ではない。語彙力も、漢字の知識も、ほかの作家たちに比べれば少ない。でも、アルファポリスではそれが関係ないことを知っている。

「私たちα世代はね、想像力が大事なんだよ。」

サクラは自分にそう言い聞かせるように呟いた。自由に夢を描き、思い切り想像力を発揮する。それが彼女にとっての「小説を書くこと」だった。

彼女が次に書こうとしているのは、おとぎ話のような世界での冒険だ。王子様や魔法のアイテム、そしてまたちょっとした危険なドラゴンが登場する予定だ。

サクラの物語の旅は、まだまだ続く。誰かに伝えたい想いがある限り、彼女はいつまでもアルファポリスの魔法の世界で物語を紡いでいくのだ。

そしてその物語は、同じように自由を求めるα世代の子供たちに、きっと勇気と希望を与えるのだろう。