このユーザは規約違反のため、運営により削除されました。 前科者みたい 小説家になろうを腐ったみかんのように捨てられた 雑記帳

トイレットペーパーの切れ目

トイレットペーパーの切れ目

春の穏やかな日差しが差し込む朝、佐藤陽介（ようすけ）はいつものように仕事に出かける準備をしていた。今日も忙しい一日が始まる。彼はシングルファーザーとして、二人の子供を育てながら働いていた。毎日の家事や仕事に追われる日々だったが、それでも子供たちの笑顔が彼を支えていた。

そんなある日、朝の支度中にふとした出来事が彼の平穏な時間を一変させた。トイレに入った陽介は、トイレットペーパーがなくなっていることに気づいた。新しいロールを取り出し、ホルダーにセットしたのだが、それが思わぬ苦難の始まりだった。

トイレットペーパーの切れ目が見つからない。いつもならすぐに見つけられるはずの切れ目が、どこにも見当たらないのだ。陽介は何度もロールを回し、指で触れて探したが、手触りはどこも滑らかで、一向に切れ目が見つからない。

「なんでこんな時に…」陽介は焦りを感じ始めた。朝の忙しい時間帯に、こんなことで時間を取られるのは勘弁してほしい。イライラが募る中、陽介はさらに必死に探し続けた。手の感覚だけではなく、目も使って注意深く見てみたが、それでも切れ目は見つからなかった。

「こんなことで負けてたまるか…」陽介は自分に言い聞かせ、冷静さを取り戻そうとした。何度も深呼吸をし、もう一度丁寧にロールを回しながら探した。しかし、努力も虚しく、切れ目は全く見つからない。陽介のイライラは頂点に達し、ついにロールを乱暴に引っ張ってしまった。だが、当然ながら、それで切れ目が見つかるわけではなかった。

「クソッ…」思わず口から出た言葉に、自分でも驚いた。子供たちの前では使わないようにしている言葉だ。それほどまでに、陽介は追い詰められていた。こんな些細なことで心を乱される自分に自己嫌悪を感じつつも、どうしてもこの状況を打開したかった。

ふと、子供たちの笑顔が頭に浮かんだ。こんなことでイライラしていたら、子供たちにも悪影響を及ぼしてしまう。陽介は深呼吸をし、心を落ち着けることにした。そうだ、これも一つの試練だと思えばいい。人生はいつも思い通りにいかないものだ。こんなことで苛立っていては、自分の成長もない。

陽介は一度トイレを出て、リビングのソファに腰を下ろした。そして、ゆっくりと深呼吸を続けながら、もう一度冷静に考えた。もしかしたら、切れ目が非常に見えにくいだけかもしれない。あるいは、メーカーのミスで切れ目がついていない可能性も考えられる。

「よし、もう一度だけ挑戦してみよう。」陽介は心を決めて、再びトイレに向かった。今回は焦らず、丁寧にロールを回しながら探してみた。そして、ついに小さな凹みを見つけた。それが切れ目だった。

「やった…！」小さな勝利に、陽介は思わず笑顔になった。こんなことで喜んでいる自分に少し可笑しさを感じつつも、朝から感じていたストレスが一気に解消された。

その後、陽介は仕事に出かけ、いつも通りの忙しい一日を過ごした。だが、ふとした時に朝の出来事を思い出し、自然と笑顔がこぼれた。あのイライラも、今となってはちょっとした笑い話だ。

夕方、家に帰ると、子供たちが元気に迎えてくれた。陽介は心の中で決意を新たにした。どんな些細なことでも、冷静に対処し、感謝の気持ちを持ち続けることが大切だと。人生は思い通りにいかないことばかりだが、だからこそ一つ一つの出来事に意味がある。

その夜、子供たちが寝静まった後、陽介は静かなリビングで一人考えた。トイレットペーパーの切れ目一つに苛立つ自分を見つめ直し、成長の機会と捉えたことが、自分の心を一歩前進させたのだ。

「明日も頑張ろう。」陽介はそう呟きながら、深い眠りについた。どんなに小さな試練でも、それを乗り越えることで人は成長する。そんなことを思いながら、彼の一日は静かに終わった。

サランラップよりはましだよね。

あれはほんとに困っちゃう。

糖尿病で指先が麻痺してるから、余計に薄い薄い段を探れない。

感情に良し悪しはないらしい。

でできた感情をどう処理するか対処するかは自分の責任なんだって。

まーるくなーれ。