このユーザは規約違反のため、運営により削除されました。前科者みたい　小説家になろうを腐ったみかんのように捨てられた　雑記帳

春秋花壇

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愛　LOVE 優

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一枚だけ残った６枚ぎりの食パンをオーブントースターで焼きながら、

前から読みたかった小説を電子書籍で読んでいる。

ぺらぺらと指でめくる感覚もない0と1の仮想空間のような「オン」と「オフ」

それだけで、難しい漢字までも映し出されるのだからとても不思議だった。

「ほらほら、小説とは全くかけ離れた事を考えている」

と、檄を飛ばしながら白い画面の黒い文字を追う。

急ににおなかがすいて、パンを焼き始めたのだが、

「本を読むか食べるかどっちかにしろよ」

内なる声に従うなら、当然答えは、焼けたパンにお気に入りのマーガリンを塗り、

再びオーブンへ。

こんがり焼けたきつね色のパンにとろけるマーガリン。

うふふ、鼻と目が祝す、豊寿く、慶ぶ、悦ぶ、祝う、豊祝く、ああ、もうめんどくさい

祝賀慶祝奉祝欣ぶ慶する賀する

もっと観察しないとね。

めんどくさがらないでしっかり一つずつ情景を描かないとね。

パンの上でふつふつと小さな泡を立てて小躍りしてるマーガリンを見ながら、

とんでもない物を見つけてしまった。

ぽつん、ぽつんと青緑色の汚点。

「アオカビ?」

ペニシリンが取れそう。

そっとそこだけ取り除いて、何もなかったかのように口に運ぶ。

白い大皿の上には、取り除かれたパン破片とパンくず。

たった二つの青緑色の小さな変色が、こんなにも食べ物をダメにする。

わたしの鈍感な舌では、何も感じないかも知れないのに、

見つけてしまったというだけで至福の時から遠く離れてしまう。

もし、表では無くて、裏にそれがあったなら私は多分気が付かない。

そして、美味しく感謝して頂けていただろうに。

「どこにピント合わせてるんだよ」

アルプスの少女ハイジもうらやむような白い柔らかなパンに焦点を合わせるんじゃなくて

２つの小さなシミにピントを合わせて、いつまでも心の中で描いてる。

「あうううう」

どうやら、わたしの不幸、ネガティブ癖はここら辺にあるようだ。

『どんな能力をもって生まれたかはたいした問題ではない。

重要なのは、与えられた能力をどう使うかである』

『人間は、自分の人生を描く画家である。

あなたをつくったのはあなた自身。

これからの人生を決めるのもあなただ』

アドラー心理学

ちょっと前まで、受け入れることができなかった。

問題が起こることが問題なのではない。

どう捉え、どう対処したかが問題なんだ。

何度も何度も言い聞かせるんだけど、

頭では解っているのにね。

心にすとんと降りて行かない。

98%の白い部分を心に留めて感謝するか

2%の問題に注意し、自分もパンも台無しにするか

決めるのは自分自身。

変態紳士白嘉の価値観

24hポイント 1,938pt 小説 919 位 / 151,887件現代文学 4 位 / 6,678件

最終更新が一年以上前なのにすごい点数

わたしもそうなりたいな

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