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カインのいいわけ
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みなさんは、アベルとカインの物語を知っていますか?
聖書を読まない人でも知らない人はなぜかほとんどいない。
それほど有名なお話し。
で、俺はそのカイン。
そして、神も両親のアダムとエバも弟のアベルを愛した。
アベルは気質が温和で、仕事も羊飼い。
その当時は動物たちもそれほど獰猛じゃなかったから迷子にならないように見ているだけですんだんだ。
でも、俺は違う。
地は呪われて茨で覆われていて、農具も工具もそれほどなかっから耕すにしても茨を切って農地にするにしても腰は痛くなるし、手にはまめができるし、日の出と共に働いて日が落ちるまで植物についての知識もないから何をいつどこに蒔けばいいのかさえ分からなかったんだ。
一方アベルは、羊たちを連れて追い出された楽園の燃える剣の歯をゆっくり眺めていた。
「どうして追い出されてしまったんだろう」
「かあさん、蛇から誘惑された時どうしたらよかったんだろう」
黙想の伴った個人研究が出来たんだよな。
空の星々を眺めながら、宇宙主権論争や愛、喜び、平和、辛抱強さ、親切、善良、信仰、温和、自制。霊の実と呼ばれる好ましい特質を培うことに必死だった。
俺は、そんな暇なんてありゃしない。
みんなが食ってくものを用意するだけで空を見上げるゆとりさえなかった。
来る日も来る日も地面ばかり見ていた。
俺はいつもいつも怒りに満たされていた。
何が因果で親の失敗を子供が背負って搾取子のように神や親の為に毎日毎日、生きなきゃいけないんだよ。
俺だって、偶にはアベルのように美しい湖を眺めたりさわやかなそよ風に吹かれて季節を感じたり、エデンの園の道を塞いでいる燃える剣の歯を見て何が大切かを深く考慮したりしたかった。
あ、そうそう、楽園の剣の歯の傍にはケルプが守っていたんだぜ。
ってことで、1000文字小説。
書き始めたんだけど、急用ができたのでいったん筆をおきます。
自分にゆとりがないと、神や家族や生き方を考える暇はなかったのかな。
と感じたのだが、見習っていい人物や考え方じゃないものに時間を割くのはよくないと家族から注意されたので従順に聞き従おうと思います。結論を言うとカインは神から殺人に至る前に忠告を受けているのに、聞き従わず怒りに任せてアベルを殺してしまった。
神のサディッションに素直に従うことができたなら、罪を犯すことはなかったのだ。
「素直が一番」
なのかな?
聖書を読まない人でも知らない人はなぜかほとんどいない。
それほど有名なお話し。
で、俺はそのカイン。
そして、神も両親のアダムとエバも弟のアベルを愛した。
アベルは気質が温和で、仕事も羊飼い。
その当時は動物たちもそれほど獰猛じゃなかったから迷子にならないように見ているだけですんだんだ。
でも、俺は違う。
地は呪われて茨で覆われていて、農具も工具もそれほどなかっから耕すにしても茨を切って農地にするにしても腰は痛くなるし、手にはまめができるし、日の出と共に働いて日が落ちるまで植物についての知識もないから何をいつどこに蒔けばいいのかさえ分からなかったんだ。
一方アベルは、羊たちを連れて追い出された楽園の燃える剣の歯をゆっくり眺めていた。
「どうして追い出されてしまったんだろう」
「かあさん、蛇から誘惑された時どうしたらよかったんだろう」
黙想の伴った個人研究が出来たんだよな。
空の星々を眺めながら、宇宙主権論争や愛、喜び、平和、辛抱強さ、親切、善良、信仰、温和、自制。霊の実と呼ばれる好ましい特質を培うことに必死だった。
俺は、そんな暇なんてありゃしない。
みんなが食ってくものを用意するだけで空を見上げるゆとりさえなかった。
来る日も来る日も地面ばかり見ていた。
俺はいつもいつも怒りに満たされていた。
何が因果で親の失敗を子供が背負って搾取子のように神や親の為に毎日毎日、生きなきゃいけないんだよ。
俺だって、偶にはアベルのように美しい湖を眺めたりさわやかなそよ風に吹かれて季節を感じたり、エデンの園の道を塞いでいる燃える剣の歯を見て何が大切かを深く考慮したりしたかった。
あ、そうそう、楽園の剣の歯の傍にはケルプが守っていたんだぜ。
ってことで、1000文字小説。
書き始めたんだけど、急用ができたのでいったん筆をおきます。
自分にゆとりがないと、神や家族や生き方を考える暇はなかったのかな。
と感じたのだが、見習っていい人物や考え方じゃないものに時間を割くのはよくないと家族から注意されたので従順に聞き従おうと思います。結論を言うとカインは神から殺人に至る前に忠告を受けているのに、聞き従わず怒りに任せてアベルを殺してしまった。
神のサディッションに素直に従うことができたなら、罪を犯すことはなかったのだ。
「素直が一番」
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