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僕はもふもふのジュリアーノ 初めての配達

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僕はもふもふのジュリアーノ。マルチーズなの。

かつてママに飼われていた。

今はお空のお星様。

ママを守るためにそばにいる。

でも、ママは日本庭園で未来お嬢ちゃんと

怪我をしたため、しばらく休養だそうです。

と、いうことで、さくらこちゃん、どうぞ!!


=*^-^*=にこっ♪


こんばんは、さくらこです。

新聞屋さんの女の子らしいお部屋で寝せてもらった後、

奥さんとさくらこの家に行きました。

ママにご挨拶をしたいそうです。

ママと奥さんは、何かお話をしています。

さくらこは、外に出ていました。

「ちょっと席をはずして欲しいんだけど」

奥さんに言われたからです。

ママ、怒られてないといいけどな。

さくらこは、ママが大好き。

ママを幸せにするために生まれてきました。

ママを幸せにするために生きています。

30分位たったでしょうか。

奥さんが玄関からでてきました。

ママも一緒です。

「さくらこ、ママに何にもお話してくれないから、

ママびっくりしたよ」

「ごめんなさい」

だって、新聞屋さんにいくとき、

ママは男の人と寝ていたから……。

お手紙に書いていけばよかったですね。

心配しますよね。

本当にごめんなさい。

大好きなママ。

「みなさんのご迷惑にならないようにね」

「はーい」

お話は終わったらしく、

奥さんと一緒に買い物に行きました。

長靴と下着を買いました。

卵とパンとお野菜とお肉も買いました。

お給料から引くそうです。

夕刊を配るまでの間、

自由時間があります。

買ったものを家に持って帰って、

整理しました。

冷蔵庫に入れたり、タンスにしまったり。

わくわくしますね。

初めてのお仕事。

すごーく楽しみ。

奥さんと、お約束したんです。

ちゃんと食べるって。

体が基本だって。

だから、がんばってお料理するんです。

半熟卵を作ります。

卵は冷蔵庫から出して、

水を張ったボールに入れます。

こうすると、温度差少ないので

ひび割れしずらいです。

卵は水からゆではじめ、

鍋から火がはみ出さない程度の強火にし、

プクプクと気泡が立って沸騰したら、

中火にして時間を計ります。

半熟卵は、7~8分です。

茹で上がったら、ひびをいれて氷水に入れます。

剥きやすくするためです。

今日は、煮卵を作ります。

だし醤油につけておきます。

ママは具合悪そうに寝ています。

頭が痛いのだそうです。

ねぎを刻んで、卵粥を作りました。

ママは元気になってくれるでしょうか。

「ママ、ご飯だよ」

ママが寒くないように、ヨットパーカーを持ってきました。

ママに羽織ってもらいます。

「ありがとう」

ママは、いつもより、けだるそうです。

「大丈夫?」

「うん」

卵粥の上に、のりの佃煮添えて、

ママはおいしそうに食べています。

「煮卵が作ってあるから、おなかがすいたら、

冷蔵庫から出して食べてね」

「うん」

どっちが子供かわかりませんね。

それでも、さくらこは幸せなんです。

しょうがをすって、蜂蜜を入れて、

お湯を注いで、ママに飲ませます。

「2時過ぎに出かけてきます」

「夕刊?」

「はい」

「そんなに早く行くんだ?」

「初日ですから」

「そうか、がんばってね」

「はい」

「ママはいい子にして寝てるんですよ」

「あははは」

今日もあの人は来るんでしょうか。

あの人=ママの彼です。

「ママ、だーいすき」

「ありがとう」

さくらこだいすきっていってくれたらいいのにな。

2時過ぎにさくらこは新聞屋さんにいきました。

「あら、早いわね」

「少しゆっくりしててね」

「はい」

さくらこはトイレに行くと、

掃除をしています。

内緒で、誰にもわからないように。

丁寧に。

新聞の部数を確認して、配達に出かけます。

初めは、一緒についてきてくれるそうです。

さくらこは、配達の場所、来たことがありません。

迷子にならないといいな。

目印になるような場所を必死で覚えます。

電柱の丁目とか。

手帳に書きます。

「あなたの頭より、3センチの鉛筆のほうが賢い」

何かで読んだからです。

一緒に行ってくれた少年は、

「これでちゃんとご飯食べれるね」

と、言いました。

何でそんなことを知ってるんでしょう。

さくらこは、ちょっと恥ずかしかったです。

無事に配達が終わりました。

ちゃんと覚えられるかな。

ちゃんと全部の家に配れるかな。

不安でいっぱいになります。

「失敗を恐れたら何もできない。

失敗したら、ちゃんと対処することを考えればいい」

自分に言い聞かせます。

「さくらこちゃん、肉じゃが作ったから、もって帰りな」

奥さんが、タッパーに入ったお惣菜をくれました。

「ありがとうございます」

「お母さん、元気?」

「はい」

「明日の朝早いから、今日は早く寝るんだよ」

「はい」

「もしも、男の人がきたら、ここで寝ていいんだからね」

「はい」

みんな、優しいナー。

おやすみなさい。














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