10 / 80
8歳の絵日記
しおりを挟む
「8歳の絵日記」
今日は特別な日だった。学校から帰ってくると、ママが新しい絵日記帳を買ってくれた。真っ白なページがたくさんあって、絵を描くのが大好きな私には、夢みたいなプレゼントだった。
「今日は何を描こうかな?」と、私はワクワクしながら新しい絵日記を開いた。まず、表紙に自分の名前を書いて、次にページを開いた。
6月15日 晴れ
今日はとっても晴れてて、みんなで遠足に行った。バスに乗って山に行って、いっぱい歩いたんだよ。お弁当はママが作ってくれたサンドイッチで、とっても美味しかった。お友達のカオリちゃんと一緒に食べて、いろんな話をしたんだ。山の上には大きな木があって、その下でお昼ご飯を食べた。カオリちゃんはピクニックが大好きで、また一緒に行こうねって約束したよ。
絵日記の横には、山と大きな木、そして自分とカオリちゃんが一緒に座ってお弁当を食べている絵を描いた。私は絵を描くのが大好きだから、色鉛筆を使って、空の青や草の緑を一生懸命塗った。絵が完成すると、まるでその場所に戻ったような気がして、嬉しくなった。
次の日も、その次の日も、私は学校から帰るたびに絵日記を開いて、その日にあったことを描いた。ママは「毎日続けることが大事よ」と言っていたから、私は毎日少しずつ描くことを楽しみにしていた。
6月18日 曇り
今日はちょっと曇ってて、少し寒かった。学校では理科の授業で植物について学んだ。先生が「植物も生き物だから、水をあげたり、大切に育てなきゃいけないよ」と教えてくれた。私は家に帰ったら、庭のお花にお水をあげた。お花がもっと元気に育ってくれるといいな。
この日は、お花にお水をあげている自分の姿を描いた。ちょっと曇り空だったから、空をグレーに塗って、でもお花は元気に咲いているように明るい色で塗った。
6月20日 雨
今日は雨が降ってたから、外で遊べなかった。でも、学校で面白いことがあったんだ。授業が終わったあと、教室でみんなと折り紙をして遊んだ。みんなでいろんな形の折り紙を作って、それを並べて遊んだ。私はクマを折ったんだけど、ちょっと難しかった。先生が「すごいね、上手にできたね」と言ってくれて、とても嬉しかった。
この日の絵には、教室で折り紙をしているみんなの姿を描いた。雨の日でも、楽しいことはたくさんあるんだなと私は思った。
そんな風に毎日、私は絵日記を描き続けた。日々の小さな出来事や楽しい思い出を描くことが、私にとってとても大切な時間だった。
でも、ある日、少し悲しいことが起きた。
6月25日 曇り
今日は学校でお友達のユウタくんが、いきなり泣き出したんだ。みんなびっくりして、どうしたのか聞いたら、ユウタくんの大事にしてたおもちゃが壊れちゃったんだって。先生が「大丈夫よ、直してあげるからね」って言ってくれたけど、ユウタくんはずっと泣いてた。私はユウタくんのことが心配だったから、何かしてあげたくて、絵日記にユウタくんのことを描いた。
その日の絵には、泣いているユウタくんと、みんなが彼を慰めている場面を描いた。私はユウタくんが早く元気になってくれるといいなと思いながら、絵を丁寧に仕上げた。
ユウタくんが泣いた日から数日後、彼は学校に元気に戻ってきた。先生が言った通り、壊れたおもちゃを直してくれたらしく、ユウタくんは嬉しそうにそのおもちゃをみんなに見せてくれた。
6月30日 晴れ
今日はとっても嬉しい日だった。ユウタくんが「ありがとう」って私に言ってくれたんだ。私が描いた絵日記を見せたら、ユウタくんは「僕、泣いてたけど、みんなが優しくしてくれて嬉しかった」って言ってた。私は「また何かあったら、いつでも話してね」って言った。ユウタくんと仲良くなれて、私は本当に嬉しかった。
サクラは毎日絵日記を描き続けた。大切な思い出を一つ一つ、絵と言葉で綴っていくことは、彼女にとっての宝物になっていった。日々の小さな出来事が、こうして絵日記の中で色鮮やかに残り、やがてそれがサクラ自身の成長の記録となっていく。
そしてサクラは、この絵日記を大人になった時に読み返して、幼い頃の自分の思い出を大切にするのだろう。それが彼女にとっての、一番の宝物になることを、サクラはまだ知らなかった。
完
今日は特別な日だった。学校から帰ってくると、ママが新しい絵日記帳を買ってくれた。真っ白なページがたくさんあって、絵を描くのが大好きな私には、夢みたいなプレゼントだった。
「今日は何を描こうかな?」と、私はワクワクしながら新しい絵日記を開いた。まず、表紙に自分の名前を書いて、次にページを開いた。
6月15日 晴れ
今日はとっても晴れてて、みんなで遠足に行った。バスに乗って山に行って、いっぱい歩いたんだよ。お弁当はママが作ってくれたサンドイッチで、とっても美味しかった。お友達のカオリちゃんと一緒に食べて、いろんな話をしたんだ。山の上には大きな木があって、その下でお昼ご飯を食べた。カオリちゃんはピクニックが大好きで、また一緒に行こうねって約束したよ。
絵日記の横には、山と大きな木、そして自分とカオリちゃんが一緒に座ってお弁当を食べている絵を描いた。私は絵を描くのが大好きだから、色鉛筆を使って、空の青や草の緑を一生懸命塗った。絵が完成すると、まるでその場所に戻ったような気がして、嬉しくなった。
次の日も、その次の日も、私は学校から帰るたびに絵日記を開いて、その日にあったことを描いた。ママは「毎日続けることが大事よ」と言っていたから、私は毎日少しずつ描くことを楽しみにしていた。
6月18日 曇り
今日はちょっと曇ってて、少し寒かった。学校では理科の授業で植物について学んだ。先生が「植物も生き物だから、水をあげたり、大切に育てなきゃいけないよ」と教えてくれた。私は家に帰ったら、庭のお花にお水をあげた。お花がもっと元気に育ってくれるといいな。
この日は、お花にお水をあげている自分の姿を描いた。ちょっと曇り空だったから、空をグレーに塗って、でもお花は元気に咲いているように明るい色で塗った。
6月20日 雨
今日は雨が降ってたから、外で遊べなかった。でも、学校で面白いことがあったんだ。授業が終わったあと、教室でみんなと折り紙をして遊んだ。みんなでいろんな形の折り紙を作って、それを並べて遊んだ。私はクマを折ったんだけど、ちょっと難しかった。先生が「すごいね、上手にできたね」と言ってくれて、とても嬉しかった。
この日の絵には、教室で折り紙をしているみんなの姿を描いた。雨の日でも、楽しいことはたくさんあるんだなと私は思った。
そんな風に毎日、私は絵日記を描き続けた。日々の小さな出来事や楽しい思い出を描くことが、私にとってとても大切な時間だった。
でも、ある日、少し悲しいことが起きた。
6月25日 曇り
今日は学校でお友達のユウタくんが、いきなり泣き出したんだ。みんなびっくりして、どうしたのか聞いたら、ユウタくんの大事にしてたおもちゃが壊れちゃったんだって。先生が「大丈夫よ、直してあげるからね」って言ってくれたけど、ユウタくんはずっと泣いてた。私はユウタくんのことが心配だったから、何かしてあげたくて、絵日記にユウタくんのことを描いた。
その日の絵には、泣いているユウタくんと、みんなが彼を慰めている場面を描いた。私はユウタくんが早く元気になってくれるといいなと思いながら、絵を丁寧に仕上げた。
ユウタくんが泣いた日から数日後、彼は学校に元気に戻ってきた。先生が言った通り、壊れたおもちゃを直してくれたらしく、ユウタくんは嬉しそうにそのおもちゃをみんなに見せてくれた。
6月30日 晴れ
今日はとっても嬉しい日だった。ユウタくんが「ありがとう」って私に言ってくれたんだ。私が描いた絵日記を見せたら、ユウタくんは「僕、泣いてたけど、みんなが優しくしてくれて嬉しかった」って言ってた。私は「また何かあったら、いつでも話してね」って言った。ユウタくんと仲良くなれて、私は本当に嬉しかった。
サクラは毎日絵日記を描き続けた。大切な思い出を一つ一つ、絵と言葉で綴っていくことは、彼女にとっての宝物になっていった。日々の小さな出来事が、こうして絵日記の中で色鮮やかに残り、やがてそれがサクラ自身の成長の記録となっていく。
そしてサクラは、この絵日記を大人になった時に読み返して、幼い頃の自分の思い出を大切にするのだろう。それが彼女にとっての、一番の宝物になることを、サクラはまだ知らなかった。
完
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる