縁(えにし)

春秋花壇

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11歳 お母さんに教わって毛糸でマフラーを編んだの

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「お母さんに教わって毛糸でマフラーを編んだの」

11歳のナナは、冬が近づくたびにワクワクした気持ちになる。寒い朝に息が白くなる瞬間や、空気が澄んで星がくっきりと見える夜が、何よりも好きだった。しかし、今年の冬は少し違った意味で特別だった。ナナは、お母さんに教わって自分でマフラーを編むことを決心していたからだ。

ナナのお母さんは、編み物がとても上手だった。家にはお母さんが作ったセーターや帽子、手袋がたくさんあり、それらを見て育ったナナは、ずっと自分も編み物をやってみたいと思っていた。しかし、いざ始めるとなると、少し不安だった。

「お母さん、私もマフラーを編みたいんだけど、できるかな?」とナナはある日、勇気を出してお母さんに聞いてみた。

「もちろんできるわよ、ナナ。最初は難しいかもしれないけど、少しずつ覚えていけば大丈夫よ」と、お母さんは優しく微笑んで答えた。

お母さんはナナと一緒に近くの手芸店へ行き、ナナが好きな色の毛糸を選ばせてくれた。ナナは鮮やかな青とふんわりした白を選んだ。この色で、自分のためにマフラーを作ることが、ナナの小さな夢だった。

家に帰ると、さっそくお母さんと一緒に編み物を始めた。お母さんは、まず毛糸をどうやって針にかけるかを教えてくれた。ナナはその動作を真剣に見つめ、何度も繰り返して練習した。最初は針にかけた毛糸がすぐに外れてしまったり、思った通りに進まなかったりして、少しイライラすることもあったが、お母さんは「焦らなくていいのよ。ゆっくりやれば必ずできるから」と、ナナを励ました。

ナナはお母さんの言葉を信じて、毎日少しずつ編んでいった。夜、学校の宿題を終えた後に、リビングのソファに座って、お母さんの隣で編み物をする時間が、ナナにとっては楽しみだった。毛糸の感触や、少しずつ形になっていくマフラーが嬉しくて、編み進めるたびに達成感が増していった。

編み物を始めてから数週間が経ち、ナナのマフラーはだんだんと長くなってきた。最初の頃は、編み目が不揃いだったり、毛糸が絡まったりしていたが、お母さんの助けを借りながら、それも少しずつ上達していった。

「ナナ、すごいじゃない。もう少しで完成ね」と、お母さんは嬉しそうに言った。

ナナは頷きながら、編み目を一つ一つ確認していった。お母さんに教わった通り、丁寧に毛糸をかけて編み進めるうちに、最後の一段を編み終えた。

「やった!できたよ、お母さん!」ナナは歓声を上げた。

お母さんは、ナナが作ったマフラーを手に取り、じっくりと見つめた。「素敵ね、ナナ。本当に上手にできたわ。これで冬もあったかいわね」と、満足げに言った。

ナナはその言葉に心が温かくなった。自分の手で作ったマフラーは、ただの布切れではなく、努力とお母さんとの楽しい時間が詰まった大切な宝物だった。

翌日、ナナはそのマフラーを学校に巻いていった。友達はみんな「それ、すごくかわいい!どこで買ったの?」と聞いてきた。

ナナは少し照れくさそうに笑って、「自分で編んだの」と答えた。友達は驚きながら「すごいね!」と褒めてくれた。その瞬間、ナナは本当に嬉しかった。

ナナのマフラーは、ただの防寒具ではなく、自分の努力と家族の愛情が詰まった特別な一品だった。寒い冬の朝、ナナはそのマフラーを巻いて、胸を張って学校へ向かった。自分の手で作り上げたものが、こんなにも誇らしい気持ちを与えてくれるなんて、ナナは想像もしていなかった。

これからも、ナナは新しい挑戦をしていくことを決心した。お母さんが教えてくれた技術と、手作りの楽しさを胸に、もっといろんなものを作り出してみたいと思った。ナナは、お母さんと一緒に過ごした時間と、その中で学んだことを一生大切にしていくと心に誓った。








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