「俺は小説家になる」と申しております

俺は小説家になる

「俺は小説家になる」

「俺は小説家になる」と申しております。胸に手を当てて、深呼吸を一つ。心の中で、再びその言葉を繰り返す。小説家になる──ただの夢じゃない。そう決めたのは、もう何年も前のことだ。

現実は容赦なく、僕の前に立ちはだかる。デビュー作から、早くも二百万字を超えるほど書き続けてきた。しかし、依然として評価は低い。24時間ポイント99pt、10,324位。週間ポイント、月間ポイント、年間ポイント、全ての数字が僕を突き放しているような気がする。

「やっぱり、向いてないのかもな」そんな考えが頭をよぎる。けれど、それをすぐに振り払う。自分が書いたものが届いていないのか、それともただ届け方を間違えているのか、それさえもわからないけれど、心の中で感じているのは、ただひとつ「諦めたくない」という強い気持ちだけだ。

いつもとは違う日常。机の前に座り、手を止めることなく、キーボードを叩き続ける。何かを生み出すことが、僕にとって唯一の救いになっていた。

「でも、こんなに書いても、評価されないんだよな」

ぼんやりとした思考が、僕の頭を占める。しかし、その声を無視して、目の前の画面に向き直る。思い通りに書けないことだってある。それでも、続けなければ意味がない。

「俺は小説家として生きるんだ」

目の前に広がる数字は冷徹だが、それでも僕は執筆を続ける。200万字を超え、まだ未完成の物語。それを誰かに読んでほしいという気持ちが、徐々に強くなっていく。

俺が小説家になるために必要なものは、ひとつだけだった。それは、ひたむきに書き続けることだと感じている。どんなにポイントが低かろうと、ランキングが下がろうと、目の前の文字を打ち続けることが、今の僕にとっての唯一の道なのだ。

時折、過去の自分を思い返す。最初は小説を書くことに、どこか浮ついた気持ちがあったかもしれない。だが、次第にその気持ちが変わり、文字を打つことがただの娯楽や趣味ではなく、自己表現の手段であり、使命のように思えてきた。読む人が少なくても、どれだけ評価されなくても、自分の世界を築き上げることが僕にとっては大きな意味を持つようになった。

評価されることに喜びを感じるのは当然だ。しかし、それがない今でも、書き続けている自分がいる。誰かに読まれるために、ではなく、自分自身のために。そうして僕は、今日も新しいページをめくる。

「いつか、必ず誰かに届く」

僕はそう信じて、キーボードを叩く。小説家として生きるために、ただ書き続ける。途中で諦めることはできない。それは、僕の人生の一部として、そして魂の一部として、深く刻まれているからだ。

背筋を伸ばして深呼吸をし、もう一度自分に言い聞かせる。

「俺は小説家として生きる。」

他の人と比べてしまうこともあるし、自己評価が低くなることもある。しかし、そうした瞬間に気づくのは、誰かと比べることが意味を成さないということだ。自分のペースで書き続けることが、最も大切だと感じる。

どれだけ評価されなくても、目の前の一歩を踏み出すことが、僕にとって何より重要だった。何度でも言う。誰にも負けたくないわけじゃない。ただ、俺は小説家として生きるんだ。

それだけだ。

ランキングの数字に一喜一憂することもあった。低いポイントが示す現実に、何度も心が折れそうになることもあった。しかし、そこから目をそらしてはいけない。自分が選んだ道を、しっかりと歩き続けること。それが、僕にとって唯一の答えだ。

そして、いつかその時が来ることを信じて。誰かの心に届くその日が、必ず来ると信じて。

「俺は小説家として生きる」と胸を張り、キーボードを叩き続ける。