「俺は小説家になる」と申しております

春秋花壇

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一日中朝から晩まで小説を書いて

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一日中朝から晩まで小説を書いて

朝から晩までパソコンの前に座り、キーボードを叩き続ける。文字が画面に映し出され、ひとつひとつ積み重なっていく。でも、それが何になるのか、どれくらいの価値があるのか、まったく見当がつかない。

今日の稼ぎは230円。それが何か意味のある額だろうか? コンビニでアイスクリームを買うことすらできない。仕事にしたって、もっと報酬が出るものはたくさんある。でも、僕はどうしても小説を書きたいし、書くことで何かを成し遂げたくてたまらない。だが、現実は厳しい。

食べていけるようになりたい。自分の作品で生活できるようになりたい。そのために、どうしたらいいのだろう? 何を書けば、誰かがその価値を認めてくれて、もっと大きな報酬が得られるのだろうか? 頭の中はそのことでいっぱいで、寝ても覚めてもそのことがぐるぐる回る。

でも、現実はどうだろう? 努力しているつもりでも、見返りが少ない。結果が出ないと、どうしても不安になってしまう。今日もまた、書いた分だけが画面に並ぶだけで、何も変わらない。文字を一行一行見て、これが本当に価値があるのだろうか、と思う自分がいる。

一度立ち止まって考える。どうしたら、この迷路から抜け出せるだろうか?

振り返ることが必要だ

ふと、思い出す。数年前、初めて小説を書いたときのこと。あのときはまだ、何も分からなかった。物語の展開やキャラクターの心情にこだわるよりも、ただ思いついたことを文字にして、ひたすらに書き続けた。それが楽しかった。自分の世界をどんどん広げていくことに夢中で、報酬のことなんて考えたことがなかった。

けれど、時間が経つにつれて、意識が変わった。報酬を得るために、何かを売り込むために、読者に喜んでもらうために書くようになった。楽しむことを忘れて、ただ結果を追い求めるようになったのだ。自分のペースで書くことが、いつの間にかできなくなっていた。

「それがダメだったんだ」と、ふと思った。結局、何かを得ようと焦ることが、逆に遠回りになっているのかもしれない。

書く理由を再確認する

自分が本当に書きたかったのは、他人に見せることではなく、自分の心を言葉にすることだった。小説を書くことで、自分の気持ちを整理したり、考えを深めたり、感情を吐き出すことができる。それが、もともとの目的だったはずだ。それなのに、いつの間にか「売れること」や「稼げること」に囚われて、肝心の自分が何を求めていたのかを見失ってしまった。

そして、ふと気づく。自分が書いているものが、必ずしも「成功する作品」ばかりでなくてもいいのだ。書きたいものを、感じたことを、思ったことを素直に表現することで、最終的にそれが誰かの心に届くことこそが、本当の意味での成功ではないか?

今の僕は、結果を求めるあまり、書くこと自体の楽しさを見失っていた。そのことに気づいたとき、少しだけ肩の力が抜けた気がした。

自分らしさを大切にする

振り返ると、最初に書いた小説が一番面白かった気がする。それは、自分がただ純粋に書きたいと思ったことを表現したものだったからだ。それを思い出すと、今まで求めてきた「稼ぐ」や「結果」を追い求める心が、どれほど自分を締め付けていたのかがわかる。

「書くことが楽しい」と感じることが一番大切だ。それを忘れないようにしよう。どんなに小さな成果でも、どんなに反響が少なくても、それを自分の中で大切に育てていけば、それがいつか本当に意味のあるものになる。

食べていけるようになるためには

でも、現実はどうしても食べていけないと辛い。お金がなければ、どんなに良いものを書いても、生活ができないからだ。そのことはわかる。だけど、それでも焦らないようにしよう。

小説を書くことが好きだと思った自分に対して、もう一度自分を信じてみよう。その結果がすぐに出なくても、書き続けることが大切だ。稼ぐために書くことだけを考えるのではなく、まずは自分のペースで、何を描きたいか、どう表現したいかを大切にしてみよう。

誰かが見てくれることもあるだろうし、見てくれないこともあるだろう。だけど、書いているその時間が、きっと自分を成長させてくれる。それが一番大事なことだと思う。だから、焦らずに、今日も少しずつでも書き続けよう。

新たな気づき

230円でもいいじゃないか。それは、一歩前進した証拠だ。自分のペースで、少しずつ歩んでいけば、必ず前に進める。いずれ大きな報酬が得られなくても、書くことが自分にとって価値のあることだと思えれば、それで十分じゃないだろうか。

自分の思いを言葉にして、今はそれだけで十分だ。それが、きっと何かに繋がっていくはずだから。

今日もまた、書くことが楽しいと思える自分を大切にしよう。







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