「俺は小説家になる」と申しております

フレネミー（frenemy）

フレネミー（frenemy）

フレネミー（frenemy）という言葉は、友達と敵を同時に意味する造語であり、その存在はしばしば複雑で曖昧な関係を表現します。

桜子（さくらこ）は小学校からの親友である夏美（なつみ）と一緒に過ごす時間が大好きだった。彼女たちはいつも笑顔でおしゃべりし、互いの秘密を共有し合っていた。しかし、最近、桜子は夏美が何か違和感を抱かせる行動をとることに気付き始めた。


桜子：「最近、ちょっと気になることがあってさ。」

夏美：「何かあったの？」

桜子：「実はさ、最近君の言動がちょっと不思議でさ。」

夏美：「え、どういうこと？」

桜子：「例えば、学校のイベントでのあの一件。あれって、どういうつもりだったの？」

夏美：「そんなの冗談だよ。みんなで楽しんでただけでしょ？」

桜子：「でも、私が楽しんでいるのを知ってるはずなのに、何でそんなことをしたのかなって。」

夏美：「ちょっと被害妄想じゃない？私だってただ楽しんでただけだよ。」

桜子：「そう？でも、何か違う気がするんだ。」


夏美は桜子の前では親切で、優しく振る舞う一方で、他のグループの友達との間で桜子をネタにして笑い話にすることがあった。初めは偶然の一幕と思っていた桜子だが、同じようなことが繰り返されるうちに、夏美の態度に対する疑念が募っていった。

ある日、桜子は夏美の計画的な行動に気付いた。学校のイベントで、桜子が気に入っていたクラブ活動に参加しようとしたとき、夏美は他の友達と共に桜子を拒絶し、笑って去っていくのを目撃した。桜子はショックを受けたが、同時に夏美の真意についての理解が深まった。


夏美：「今回は、桜子は抜きで別な人たちと組みたい」

秋子：「えっ?親友じゃないの?」

夏美：「あんなのと親友なわけないでしょ?いつもボッチ飯でかわいそうだから、つきあってるだけ」

秋子：「そう……」

その後、桜子は夏美との関係に線引きをする決意を固めた。夏美のフレネミー的な行動に対しては警戒しつつも、彼女の前では普段通りに振る舞い、冷静に対処することを決めた。桜子は自分の友人としての立場を守りながら、同時に自己を守る方法を見つけ出したのだった。

この物語は、友情と裏切り、そして成長する若者の心の葛藤を描いたものである。桜子が直面するフレネミーの存在が彼女の人間性と関係の理解を深める過程を通じて、読者は彼女の目を通して自己発見と成長の旅に同行することができるだろう。

桜子は夏美との関係を見つめ直す中で、自分の心の変化に気づいた。かつての親友が自分を裏切るような行動をすることに対して、桜子は怒りや悲しみを感じたが、同時に成長の機会でもあると理解した。彼女は自分の感情に正直になり、夏美との距離を取ることを決意した。

学校生活では、夏美との交流は最小限にし、他の友人たちとの時間を大切にするようになった。最初は寂しさや不安があったが、桜子は新しい友人たちとの絆を深め、自分の価値観や興味を再確認する機会として捉えた。

一方で、夏美は桜子の距離を感じ取っていたようで、時折彼女に接触を試みた。しかし、桜子は冷静に対応し、過去の出来事を忘れることができないと伝えた。夏美は当初は驚きや後悔の表情を見せたが、その後も桜子に対する態度に変化を見せることはなかった。

物語の結末において、桜子は自分の立ち位置を見つけ、自己を守りながら成長していく道を選んだ。夏美との関係は二度と元に戻ることはなかったが、その経験は彼女にとって大きな学びとなり、将来の人間関係に対する洞察を深める契機となった。

蒔いた種は全部、自分で刈り取るのです。