「俺は小説家になる」と申しております

大丈夫。

大丈夫。

昭和の終わり、小さな町に住む幼い仲良しの少年と少女がいた。彼らはいつも一緒に遊んで、笑って、時には泣き、一緒に成長していった。少年の名前は大樹、少女の名前は美咲。彼らは幼稚園からの幼なじみであり、お互いの家族とも親しい付き合いをしていた。

ある日の午後、大樹と美咲はいつものように公園で遊んでいた。大樹は木の上に登り、美咲は下で花を摘んでいた。その時、突然空が暗くなり、大きな雷が鳴り響いた。美咲はびっくりして花を手放し、大樹も急いで木から降りてきた。

「大樹、どうしたの？」

「急に雷がなって、ビックリした。美咲、大丈夫か？」

二人は手を取り合って家に帰った。その日から、美咲は雷が怖くなってしまった。大樹はそれを知って心配したが、美咲はいつも笑顔でいることができなくなってしまった。

数日後、夕方の公園で大樹は美咲に話しかけた。「美咲、一緒に空を見よう。きっと雷が来ないよ。」

美咲は少し不安そうだったが、大樹の手を握って一緒に空を見上げた。夕日が沈み、星が輝き始めた頃、美咲は少しずつ笑顔を取り戻していった。

それからというもの、大樹と美咲はいつも一緒にいた。小学校に入学し、クラスも離れたが、休み時間には必ず会っては笑い合い、勉強のことや将来の夢を語り合った。大樹は科学者になりたいと言い、美咲は図書館司書になりたいと言った。二人の夢は違っていたが、お互いの夢を応援し合った。

中学に進学し、友達も増えたが、大樹と美咲の絆は変わらなかった。大樹は理系の科目が得意で、美咲は文系の科目が得意だった。互いに補い合いながら、学校生活を楽しんだ。

高校になり、大樹と美咲は進路も違う学校に進んだ。大樹は理系の学問に没頭し、美咲は本を読むことに熱中した。忙しい日々の中でも、二人はメールや電話で連絡を取り合い、たまに休みの日には地元で会っては昔話をしたり、新しい話題を見つけたりした。

そして、大学に進学してからも、大樹と美咲の絆は変わらなかった。大樹は研究に没頭し、美咲は図書館で働きながら勉強を続けた。時には意見が違っても、二人はお互いの考えを尊重し合い、成長し続けた。

そしてある日、大学を卒業した大樹は美咲に手紙を書いた。「美咲、これからも一緒に笑い、涙し、成長していこう。」

美咲はその手紙を読んで笑顔になり、「大樹、私たちはいつもこどもだね。一緒にいてくれてありがとう。これからもずっと、友達でいようね。」

大樹と美咲の絆は時を超えて、ずっと変わらない。彼らはいつもこどもであり続け、一緒に過ごした日々が宝物であることを知っていた。