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「覚えていたくないんでしょう」

主治医は悲しそうに私の顔を見てそういった。

「海馬もなんともないし」

世にも不思議な物語なのだそうだ。

前頭葉の委縮も無く、記憶が無い事さえ覚えている。

解離性健忘なのだろうか。

若年性アルツハイマーでは無いという。

解離性健忘は解離症の一種で,通常のもの忘れでは一般的に失われることのない重要な個人的情報を想起できなくなる病態である。 通常は心的外傷またはストレスによって引き起こされる。 診断は,健忘を来しうる他の原因を除外した後,病歴に基づいて行う。 治療は精神療法であり,ときに催眠法または薬剤を使用する面接法を併用する。

達也さんの嘘を、達也さんの女性関係をみるくは受け入れられないのかも知れない。

だって、リオ(達也さんのサブキャラ)のエンブレムだって、

二人で進める事を目的にずーと2年も待っていたのだから。

何度も、確かめたのだから

「待っていていいのよね」

確か、11月に戻ってくるまでは

「ああ、リオは何もしてないぞ」

と、言っていた。

あの人の言う事、全部信じられない。

全部嘘。

あの小説の中に流れる思いやりのある優しい達也さんは

何処にもいない。

その場しのぎのやりちん。

ねー。この状態でどうやってリアルで達也さんに会いに行く気になると思う?

みるくのはじめてを捧げていいと思うくらい、

信頼し尊敬し自分をまるごと委ねられると思う?

みるくがおかしいのかな。

あーあ。

自分が愛した人が大ウソつきで誠意も何もない人って

中々受け入れられないよね。

やっぱり、何も無かった事にしたいよね。

そして、独りの女の人の事件を何も無かった事にすると、

そのショックがまだ冷めやらぬうちに

また、多重人格のだれかの記憶に押しとどめておかなければ

いけないような事件が勃発し、

みるくは、達也さんをどうしようもない人、

やくざの美人局よりも実の無い人と認識したくないから、

記憶から飛ばしてしまうのかしら。

みるくのいた芸者の置屋には、何十人も述べにすれば

お姉さん芸者がいて、紐がいた人もいたけど、

こんなに嘘を吐く誠実さのない人の話は初めて聞いた。

彼の言う事は信用できないのね。

虚言癖があるのかな。

追い詰められると人は攻撃的になるの。

達也さんもまた多重人格者なのかな。

最近は、ばん魔でさえ一緒に行く事が無い週さえある。

もう何一つあてにならない人。

だから、相手が急に攻撃的になったら、多分追い詰められてるの。

物事を変えないほうが
手堅いって思いがちだけど、

状況に合わせてどんどん変えていくほうが
手堅いのよね。

変えないことは思う以上にリスキーです。
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