感謝の気持ち

春秋花壇

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お母さんへ 一番最初に好きになったのはあなたです

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お母さんへ 一番最初に好きになったのはあなたです

夏の終わり、夕方の風が心地よく、蝉の声が徐々に静かになり始める頃、私は久しぶりに実家に帰った。長い間都会での生活に追われていたが、今日は特別な日だ。母の誕生日、そして私が一番最初に好きになった人に感謝の気持ちを伝えるための日。

玄関を開けると、懐かしい匂いが鼻をくすぐった。小さい頃から慣れ親しんだ匂いだ。リビングに入ると、母がキッチンで夕食の準備をしているのが見えた。いつもと変わらぬ優しい笑顔で、「おかえり」と言ってくれた。

「お母さん、今日はありがとうを言いたくて帰ってきたんだ。」

母は少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑んだ。「まあ、どうしたの、急に?」

私は母の隣に座り、昔の話を始めた。幼い頃、母が毎晩読み聞かせてくれた絵本の話、初めて自転車に乗れるようになった時のこと、そして中学校の卒業式の日、母が涙を流してくれたこと。その一つ一つが、私の心の中に深く刻まれている。

「お母さん、私が一番最初に好きになったのは、やっぱりお母さんだったんだよ。」その言葉が自然と口から出た。

母は驚いたように目を見開いたが、すぐに温かい涙を浮かべた。「ありがとう、そんな風に言ってくれて。本当に嬉しいわ。」

夕食を一緒に食べながら、私たちはさらに思い出話に花を咲かせた。母の料理は相変わらず美味しく、心も体も満たされていく。母の笑顔を見ると、都会での忙しい生活の中で忘れていた大切なものを思い出した。

食事が終わり、片付けを手伝っていると、母が棚から古いアルバムを取り出した。「これ、見てみない?」アルバムには私が赤ちゃんの頃からの写真がびっしりと詰まっていた。母が愛情を持って一枚一枚丁寧に撮ってくれた写真たちだ。

ページをめくるごとに、昔の記憶が蘇ってくる。運動会の写真、七五三の写真、家族旅行の写真。その中には、母と一緒に写っている写真もたくさんあった。母が私の成長を見守り、支えてくれたことを改めて実感した。

「お母さん、本当にありがとう。私をここまで育ててくれて。お母さんがいたから、私は今ここにいるんだ。」

母は私の手をぎゅっと握りしめ、「あなたがいてくれたから、私は頑張れたのよ。ありがとう、あなたこそ私の誇りよ。」と言ってくれた。

その夜、実家の自分の部屋で寝転がりながら、私は改めて母への感謝の気持ちを感じていた。お母さん、一番最初に好きになったのはあなたです。その気持ちは、これからもずっと変わらない。これからも、ずっと一緒にいようね。








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