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僕はもふもふのジュリアーノ 少年の問題再び
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僕はもふもふのジュリアーノ。マルチーズ。
ママに飼われていたの。今は、お空のお星さま。
ママを守りたくてそばにいるの。
「う、気持ち悪い」
ママは朝からまた、ひどい頭痛に見舞われている。
お嬢ちゃんは、小さいながらもすくすく育ち、
幼稚園に入園にすることになったの。
ママは、ミーハーだから、制服で選んでしまった。
紺の淵のあるリボンのついてる帽子、
お洋服も紺のブレザーとスカート。
どこかの大学付属の幼稚園みたいな制服。
もちろん、スクールバスでお迎えあり。
ママとお嬢ちゃんはほんとに幸せそうだった。
ひらひら歩いて、ちっちゃくて色が白くて、
幼稚園に行ってもみんながかわいがってくれた。
お嬢ちゃんは体が弱いから、
運動会とか一つの演目に出るだけで、
あくる日、熱を出して寝込んでしまうんだけど。
それでも、二人はにこにこして、この生活を心から楽しんでいたの。
毎日、ご本の読み聞かせをして、
夜、寝る前は、いつものようにみんなで
今日の感謝できることを言いあって、
拍手して、喜びに満ちていた。
それなのに、少しずつ少年はおかしくなっていったんだ。
最初の発端は、施設のお金が無くなったことだった。
少年が疑われた。
ママは、少年とお話をすると、
「僕は知らない。僕じゃない」
信じ切っていたんだ。
結局、犯人は見つからなかった。
そして、当然のように施設にママは行きずらくなった。
それを期に、施設で子供ミーティングが始まったんだ。
ACoAのミーティングに行く許可が出ないから、
苦肉の策だったのかな。
そんな風に少年のために周りは動いてくれたんだけど、
そして、少年のためにたくさんの神学校の男の人たちが
訪問してくれるようになったんだけど。
少年はだんだん不登校になっていったの。
ママは、問題から逃げてたわけじゃない。
少年の心を愛で満たそうとした。
たとえ、学校に行けなくても、
何か学べることがあるはずだって。
一緒に熱帯魚やお花のお世話をしたり、
ハグしてお話を聞かせたり、
一緒に漢字の勉強をしたり、
林檎のシナモンケーキを作ったり
いろいろできることをしていた。
ある時、ママのかりている一軒家のお座敷をありが行列していて、
ママは駆除にてこずっていた。
何日か経って、ママはこのことをすっかり忘れていた。
少年が学校に行かないで、お湯を持ってお庭で何かしている。
「何をしてるの?」
「お湯を注いでいるの」
見るとありの穴に熱湯を注いでいる。
ママは、びっくりしたの。
「どうしてそんなことをするの」
すごい剣幕で怒ったの。
少年は黙って辞めたんだけど、ママの剣幕に驚いたみたい。
ママにすれば、アリといえども尊い命、
それを皆殺しにするようなことをして。
何て恐ろしい。
その週の子供ミーティングの後、
施設長にママは呼ばれたの。
そして、すごい叱られたの。
「少年を女の子に育てるつもりか」
って。
愕然としたママ。
すっかり意気消沈。
ママはね、視野狭窄で目も不自由だけど、耳も小さい時から難聴なの。
そして、注意欠陥障害だから、人の話を聞くのにとても苦労をするの。
きっと、だんだん少年とも意思の疎通ができなくなっていったのかもしれない。
一向に学校に行こうとしない少年を見て、スタッフ会議で、
やっぱり少年は施設に入れたほうがいいということに決まったの。
ママは、びっくりして空を見上げて神様に
「あなたは子供に飴を見せびらかせるように与えて、
取り上げてしまうんですか」
って心の中で何度も叫んだの。
このままいくと、少年はほんとに施設に行っちゃう。
スタッフは、少年のいく施設を探し始めたの。
児童相談所と相談して。
この女性のリハビリ施設は、民間なんだけど。
カトリックの寄付がすごく多かったの。
だから、ボランティアに来てるシスターさんも神学生さんも
カトリックの人たちだったの。
お嬢ちゃんはシスターととても仲良くて、
みんなに可愛がられて、施設の中でも
愛されて育っていた。
明るくて天真爛漫で、天使みたいだとみんなに言われていた。
かたや少年のほうは、悪魔だと言われて、
少年はとても悩んでいたみたい。
せっかく引き取って一緒に住めるようになったのにね。
最高に幸せだったのにね。
何十年もたった今、少年は大人になって
毎週国立の精神科に通っているんだけど、
そこでの診断はアスペルガーと小学1年生で統合失調症。
そして、アリの穴に熱湯を入れた理由は、
ママが困ってたから、助けたかった。
こんなにやさしい子なのに。
悪魔なんかじゃない><
この当時、誰もそんなことわからないよね。
少年は、悲しくも罪のレッテルを張られていく。
ママは、ママだけは
「世界中のみんなが君を悪い子と言っても、
いいえ、あの子はとっても優しい子だというよ」
と、言っていたんだけどね。
にわかに雲がわいてきても
大丈夫
雲の上には
ピッカピッカのお日様が
輝いている
見えるものは事実
見えないものは真実
心の眼を研ぎ澄まそう
あなたにもきっと見えるはず
よくなるって決まってるの
変われるって決まってるの
信じ続けよう
予祝
そうおもえばそう
ありがとうございます
読んでくださってありがとうございます。
ママに飼われていたの。今は、お空のお星さま。
ママを守りたくてそばにいるの。
「う、気持ち悪い」
ママは朝からまた、ひどい頭痛に見舞われている。
お嬢ちゃんは、小さいながらもすくすく育ち、
幼稚園に入園にすることになったの。
ママは、ミーハーだから、制服で選んでしまった。
紺の淵のあるリボンのついてる帽子、
お洋服も紺のブレザーとスカート。
どこかの大学付属の幼稚園みたいな制服。
もちろん、スクールバスでお迎えあり。
ママとお嬢ちゃんはほんとに幸せそうだった。
ひらひら歩いて、ちっちゃくて色が白くて、
幼稚園に行ってもみんながかわいがってくれた。
お嬢ちゃんは体が弱いから、
運動会とか一つの演目に出るだけで、
あくる日、熱を出して寝込んでしまうんだけど。
それでも、二人はにこにこして、この生活を心から楽しんでいたの。
毎日、ご本の読み聞かせをして、
夜、寝る前は、いつものようにみんなで
今日の感謝できることを言いあって、
拍手して、喜びに満ちていた。
それなのに、少しずつ少年はおかしくなっていったんだ。
最初の発端は、施設のお金が無くなったことだった。
少年が疑われた。
ママは、少年とお話をすると、
「僕は知らない。僕じゃない」
信じ切っていたんだ。
結局、犯人は見つからなかった。
そして、当然のように施設にママは行きずらくなった。
それを期に、施設で子供ミーティングが始まったんだ。
ACoAのミーティングに行く許可が出ないから、
苦肉の策だったのかな。
そんな風に少年のために周りは動いてくれたんだけど、
そして、少年のためにたくさんの神学校の男の人たちが
訪問してくれるようになったんだけど。
少年はだんだん不登校になっていったの。
ママは、問題から逃げてたわけじゃない。
少年の心を愛で満たそうとした。
たとえ、学校に行けなくても、
何か学べることがあるはずだって。
一緒に熱帯魚やお花のお世話をしたり、
ハグしてお話を聞かせたり、
一緒に漢字の勉強をしたり、
林檎のシナモンケーキを作ったり
いろいろできることをしていた。
ある時、ママのかりている一軒家のお座敷をありが行列していて、
ママは駆除にてこずっていた。
何日か経って、ママはこのことをすっかり忘れていた。
少年が学校に行かないで、お湯を持ってお庭で何かしている。
「何をしてるの?」
「お湯を注いでいるの」
見るとありの穴に熱湯を注いでいる。
ママは、びっくりしたの。
「どうしてそんなことをするの」
すごい剣幕で怒ったの。
少年は黙って辞めたんだけど、ママの剣幕に驚いたみたい。
ママにすれば、アリといえども尊い命、
それを皆殺しにするようなことをして。
何て恐ろしい。
その週の子供ミーティングの後、
施設長にママは呼ばれたの。
そして、すごい叱られたの。
「少年を女の子に育てるつもりか」
って。
愕然としたママ。
すっかり意気消沈。
ママはね、視野狭窄で目も不自由だけど、耳も小さい時から難聴なの。
そして、注意欠陥障害だから、人の話を聞くのにとても苦労をするの。
きっと、だんだん少年とも意思の疎通ができなくなっていったのかもしれない。
一向に学校に行こうとしない少年を見て、スタッフ会議で、
やっぱり少年は施設に入れたほうがいいということに決まったの。
ママは、びっくりして空を見上げて神様に
「あなたは子供に飴を見せびらかせるように与えて、
取り上げてしまうんですか」
って心の中で何度も叫んだの。
このままいくと、少年はほんとに施設に行っちゃう。
スタッフは、少年のいく施設を探し始めたの。
児童相談所と相談して。
この女性のリハビリ施設は、民間なんだけど。
カトリックの寄付がすごく多かったの。
だから、ボランティアに来てるシスターさんも神学生さんも
カトリックの人たちだったの。
お嬢ちゃんはシスターととても仲良くて、
みんなに可愛がられて、施設の中でも
愛されて育っていた。
明るくて天真爛漫で、天使みたいだとみんなに言われていた。
かたや少年のほうは、悪魔だと言われて、
少年はとても悩んでいたみたい。
せっかく引き取って一緒に住めるようになったのにね。
最高に幸せだったのにね。
何十年もたった今、少年は大人になって
毎週国立の精神科に通っているんだけど、
そこでの診断はアスペルガーと小学1年生で統合失調症。
そして、アリの穴に熱湯を入れた理由は、
ママが困ってたから、助けたかった。
こんなにやさしい子なのに。
悪魔なんかじゃない><
この当時、誰もそんなことわからないよね。
少年は、悲しくも罪のレッテルを張られていく。
ママは、ママだけは
「世界中のみんなが君を悪い子と言っても、
いいえ、あの子はとっても優しい子だというよ」
と、言っていたんだけどね。
にわかに雲がわいてきても
大丈夫
雲の上には
ピッカピッカのお日様が
輝いている
見えるものは事実
見えないものは真実
心の眼を研ぎ澄まそう
あなたにもきっと見えるはず
よくなるって決まってるの
変われるって決まってるの
信じ続けよう
予祝
そうおもえばそう
ありがとうございます
読んでくださってありがとうございます。
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