さくらこものがたり

春秋花壇

文字の大きさ
上 下
111 / 122

ここはどこ

しおりを挟む
「うんこ」

「うんこたれ」

「お前泣かされたんだってな。俺知ってんだぞ」

男の子たち5人くらいが、公園に自転車で来た3人組に

怒鳴っている。

別に自転車の子達が何かしたわけではない。

さくらこはこの光景を見て、

まるで外国にいるような感覚を抱いてしまった。

これが、一般の小学生の状況。

親はわかっているのかしら。

子供たちが、ありふれた日常にこんな893まがいの

言葉遣いをしていることを。

しかも、きれいなかわいい顔をしたごく普通の男の子たち。

ビーバップとか今日から俺はの映画の世界かと思うような

おぞましい思わず震えさえ感じてしまう光景。

これが、新型感染症のウイルスの影響を受けた少年たちの日常。

東京都 新型感染症 372人感染確認 火曜の発表人数としては最多

2020年12月1日 19時22分

꒰◍ᐡᐤᐡ◍꒱

夕刊を配り終えて家に向かう道で、

3人の子供を連れたお母さんの言葉に耳を疑う。

小さな女の子は、歩きながらパンをなめている。

「おなかすいた」

か細い声で女の子はつぶやいた。

「だから、そういうと思ってパンをたくさん買ってあげたでしょう」

はき捨てるように大きな声で怒鳴っている。

歩きながらパンを食べるって変だと思わないのかな。

はーー。

あっちをむいても、こっちを向いても。

思わずにこりとしてしまう、ほほえましい光景はどこにもない。

さすが大都会東京。

体は食べ物で作られる。

心は聞いた言葉で作られる。

せめて、さくらこだけでも

心のこもったおもてなしの言葉をアウトプットできたらいいな。

神様、助けてください。

みんな変です。

大ヒットしている映画も、親が子供に見せるのを躊躇するくらいの

暴力シーンばかりだと聞きます。

見るもの聞くものは、ずーと何年も心に残っています。

そして、たびたび思い出してしまいます。

さくらこは、親戚のお兄ちゃんが見ていた

ロボコップの映画一こまをいまだに背中に寒気を走るほど

はっきりと覚えています。

人間のおなかを電気のこぎりで切って、

臓物を出す恐ろしいシーンでした。

悲しいことに、心震えるほど感動したシーンよりも

二度と見たくないような残虐なものが鮮明に焼きついている。

戦隊ものを幼稚園の頃から見てきて、

暴力的な人をさげすむ言葉に慣れてきているのでしょうか。

愛のある温かい家庭はどこで見ることができるのでしょうか。

住む世界が違うのかな。

人は鏡。

さくらこの心が、いびつなのかな。

花もない。

愛もない。

絵もない。

歌もない。

そんなものしか見えなくても、

アスファルトの隙間から

力強く生きようとしている

ヒメジョオンの小さなお花に

心を留めたい。

賛美したい。

感謝したい。

笑顔で微笑みかけて、

愛しているよってつぶやくの。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

同僚くすぐりマッサージ

セナ
大衆娯楽
これは自分の実体験です

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

処理中です...