さくらこものがたり

春秋花壇

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スッキリな、真面目な、日常を、ハッピーエンドに

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「えええええええええええ」

雨上がりの朝の公園、まだどんより曇っているのだが、

青いデルフィニウムの花が咲き終わり、種を付けている。

宿根草なのだが、日本では高温多湿の夏を乗り切れずに

一年草として扱われる。

ふと周りを見回すと、植えたくちなしやパンジー、

マリーゴールド、カーネーションなどが

泥だらけになっている。

「なんで?」

薔薇は良く泥はねで黒点病になることをふと思い出し、

「そういうことか~」

この公園は、管理業者が落ち葉などをみんな履いてしまうので、

腐葉土のようにふわふわの土にはならない。

砂交じりの土は、強い雨で跳ねて付着してしまうのだろう。

「むごいな~」

シャワーを浴びせてあげたいほど、

汚らしかった。

もう少し乾いたら、揺らして上げれは少しは綺麗になるのかな。

「この辺は青い花で、ここは白かな」

頭の中で、コントラストを考えながら、

新しく買ってきた宿根ロベリアを植える。

幸せすぎて、小説に書くことに困ってしまったさくらこは、

https://shindanmaker.com/408449

小説ネタったーなるサイトで、

さくらこは『スッキリな、真面目な、日常を、ハッピーエンドに』作ってください。

なるお題をいただいてしまった。

いざ、チャレンジー。

何日かまえに、中二の男子軍団と知り合った。

彼らはこの公園でたむろってサッカーしたりだべったりしている。

町も人も公園も毎日少しずつ変わっていく。

さくらこが新聞配りを始める前、

この公園は危険地帯だったらしく、

年中パトロールの車が回ってきていた。

中高校生の男女がよく集まっていて、

騒いでいたり喧嘩したり根城のようにして

朝早くから多くのおにいさんお姉さんたちが

青春を謳歌していた。

さくらこのママが男の人を連れてきたとき、

居場所がなくてよくこの公園でぼーと座っていたけど、

挨拶してそーとしておいてくれる人たちはとても嬉しかった。

あの仲間には入りたくなかった。

なんとなくそう感じてしまった。

木の葉から水の滴が落ちている。

優しい言葉は人を爽やかにする。

花は心に旬と彩を添えていく。

彼らの言葉は、心を鼓舞するわけでも

優しさを感じるわけでもなかったのだ。

「てまんで3回はいかせることが出来る」

そんな話を彼らはしていた。

当時、小学4年生のさくらこには

何の話か全くわからなかったが、

ママに話せるような話題ではないようが気がした。

警察やパトロールが年中来ているところを見ると、

付き合わないほうがいいような気がした。

世の中にはいろんな人がいて、

つるんでからんで接触しあって生きている。

一人は寂しいものね。

お花を買おうとタバコ屋さんの前を通った。

去年、紫蘇の苗をもらったことがあった。

たまには付き合いで、お菓子でも買おうかと店の中に入った。

チョコレートと果汁100パーセントのグミを買った。

「変な世の中よね」

13歳になったばかりのさくらこに世間話をする人も珍しい。

「むこうにとんかつ屋さんがあるんだけどね、

そこのご主人が聖火ランナーに選ばれたのに

新型の感染症の影響で延期になって、

お店もやっていけなくて油かぶって自殺しちゃったの。

事故かもしれないけど」

「ええええええええ」

「新聞にも出たのよ」

新聞配っているのに、地元のニュースも知らなかった。

たばこやのおばさんは、憤懣やるかたないような表情で、

話し続けている。

感情移入。

優しい同情心。

そんな言葉が脳裏をかすめる。

50過ぎのとんかつやさんのだんなさんが、

毎日マラソンをして、聖火ランナーに選ばれて、

もうすぐ始まるオリンピックを楽しみに生きていた。

突然、わけのわからない病気で非常事態宣言され、

外食することさえいけないことをしているような

風潮になって、当然のようにお店の客は激減。

オリンピックも延期。

終息するのに、2年はかかるだろうといわれている。

先日、朝刊を配る前にコンビニで夜中アルバイトをしていた

女性の方も飲食店で食べていけないから

仕方なしに夜中のコンビニで働いていると

言っていた。

みんな、食べていくのに精一杯なのよね。

さくらこたちの学校だって、

週に一度わからない点を聞きに行く程度しか開校していない。

卒業式も入学式もなかった。

こんなときだからこそ、

当たり前のことにありがたみを感じ、

生きてるだけでまるもうけとさんまさんのように

言えるようにならないと、

死神のあの恐ろしい鎌は容易に近づいてしまうのだろう。

さくらこは今、地元の人たちのおかげで、

今まで住んでいたアパートの二階にお部屋を借りれるほどに

生活も豊かになった。

このアパートは、6畳の畳に6畳の台所だけなので、

パパとママが結婚して、さくらこの居場所はなく、

新聞店の亡くなった娘さんのお部屋で寝泊まりしていた。

それでも、やっぱり、さくらこはママが大好きだから、

ママと一緒に暮らしたいと

ずっと二階のお部屋を借りることを我慢してきたのだ。

29ヶ月、新聞配りと拡張をがんばって

1000万以上の現金をためることが出来た。

そして、やっと2階のお部屋を半分、寮という形で手に入れることが出来た。

居場所がないというやるせなさはもう味わわなくていいのだ。

ママとパパが仲がよくても、喧嘩していてもさくらこには

いてもいい場所が出来た。

それだけで、涙が出るほど嬉しかった。

それを当たり前ではなく、

心震えるくらい感動できるのも、

さくらこが貧しかったからだろう。

はじめから、お嬢さんのように金持ちの家に生まれ育っていて、

自分のお部屋もあったら、

あるのが当たり前で何の感情もなかっのではないだろうか。

『裕福な人が神の王国に入るよりは,ラクダが針の穴を通る方が簡単です。』

と、イエスさまはおっしゃったが

貧乏だったからこそ味わえる幸福もあるのかもしれない。

当たり前に感謝だ。

幸せと不幸せは50/50。

さくらこはこの言葉が好きだった。

幸せにピントを合わせれば、

幸せが映る。

不幸せにピントを合わせれば

不幸せが映る。

選ぶのは自分。

新型の感染症でも

毎日、批判され続けている政府でもないのだ。

自己肯定感を高め、

どんなときにも折れない心が欲しかった。

そして、自分だけが幸せを感じるんじゃなくて、

地元の人たちにもお花の旬と彩を味わってて欲しいのだ。


ほら、しゅうまくんがたけちゃんがともちゃんが

公園で笑ってる。

彼らはいずれも4歳児、2歳児さんだ。


そのためにも、ごみそうじがんばるの。

さくらこにはすごいことはできない。

これが今のさくらこの

スッキリな、真面目な、日常を、ハッピーエンド。

ありがとうございます。









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