春秋花壇

鶺鴒鳴 (せきれいなく)

第四十四候　白露　次候

鶺鴒鳴 (せきれいなく)

9月12～17日頃


せきれいなく：秋の訪れを告げる美しい音
「鶺鴒鳴く」は、二十四節気の白露の次候にあたる言葉で、9月12日頃から17日頃までの期間を表します。この期間は、秋の気配が少しずつ深まり、澄んだ空気の中、鶺鴒の澄んだ鳴き声が響き渡る頃とされています。

鶺鴒とは？
鶺鴒（セキレイ）は、スズメほどの大きさの鳥で、川や池のそばなど水辺を好みます。特徴的なのは、尾を上下に振りながら歩く姿で、この様子が昔の人の目に弓を引く姿に見えたことから「せきれい」と呼ばれるようになったと言われています。

「鶺鴒鳴く」の意味
秋の到来: 鶺鴒は一年を通して見かけることができますが、「鶺鴒鳴く」という言葉は、特に秋の訪れを告げる言葉として使われます。秋の澄み切った空気の中、鶺鴒の澄んだ鳴き声が響き渡る様子は、人々の心に秋の深まりを感じさせます。
生命の営み: 鶺鴒の鳴き声は、単に秋の到来を告げるだけでなく、生命の営みを感じさせる音でもあります。厳しい冬が来る前に、動物たちが活発に活動し、次の世代へと命をつなぐ準備を進める様子が、鶺鴒の鳴き声に重ねて表現されています。
季節の移ろい: 「鶺鴒鳴く」という言葉は、季節の移ろいを繊細に表現しています。夏の暑さが終わり、少しずつ涼しくなる秋。自然の中で、様々な変化が起きていることを感じさせてくれます。
古典文学における「鶺鴒鳴く」
「鶺鴒鳴く」という言葉は、古今和歌集や百人一首など、多くの古典文学作品の中に登場します。秋の情景を詠む歌の中に、鶺鴒の鳴き声は欠かせない要素の一つでした。

まとめ
「鶺鴒鳴く」という言葉は、単なる自然現象を表すだけでなく、そこに込められた深い意味や、人々の心の動きを表しています。秋の訪れを感じ、自然の美しさに心を寄せる、そんな日本の文化の奥深さを教えてくれる言葉と言えるでしょう。

さらに詳しく知りたい方へ
七十二候: 「鶺鴒鳴く」は、七十二候の一つです。七十二候は、一年を七十二の期間に分け、自然の移り変わりを細かく表現したものです。
鶺鴒の種類: 鶺鴒には、ハクセキレイ、キセキレイなど、様々な種類がいます。それぞれの種類の特徴や生態についても調べてみると面白いかもしれません。
古典文学: 古今和歌集や百人一首など、古典文学作品の中に登場する「鶺鴒鳴く」を探してみるのもおすすめです。
「鶺鴒鳴く」という言葉を通して、日本の美しい自然と文化に触れてみてください。

何か他に知りたいことがあれば、お気軽にご質問ください。