過疎

春秋花壇

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過疎地の肉事情と、都会との食の違い

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過疎地の肉事情と、都会との食の違い

「むつみ地区の若きリーダー」なんて呼ばれたりもするけど、本音を言えばただの田舎暮らしが好きな28歳だ。俺の名前は亮。この村にチート魔法で5000人増やした張本人なんだけど、正直、ここまで人が増えるとは思ってなかった。おかげで、昔は静かだった村が、今では子どもたちの笑い声や、大人たちの談笑声で賑やかになった。

さて、今日は食の話だ。この村には肉屋がない。スーパーも小さいし、品揃えも限られている。だから、大抵は車で35分かけて萩市内まで買い出しに行くか、生協で頼むかだ。

今日は、生協で頼んでみようと思う。都会に住んでいた頃は、考えられなかったよね。業務スーパーに行けば、肉も野菜も安いし、種類も豊富だった。でも、この村では、生協の宅配が貴重な存在なんだ。

「お肉、高いんだよなぁ…」

そうつぶやきながらも、注文画面を見る。やっぱり、国産牛は高い。しょうがないから、今日は豚バラブロックにしよう。そして、カレーを作るための野菜も一緒に注文。

「カレーを作るのって、意外と面倒くさいよな。」

特に、肉を焼いてから煮込むタイプは、灰汁取りが大変そう。でも、せっかく作るなら、肉を入れたカレーと、肉を入れないカレーの食べ比べでもしてみようかな。

「そもそも、肉を入れたカレーと肉を入れないカレーって、どれくらい味が違うんだろう?」

考えてみれば、今までそんなこと考えたこともなかった。肉が入っていれば、当然味が濃くなるだろうけど、具体的にどれくらい違うのか、興味が湧いてきた。

「よし、実験だ!」

そう心に決めて、注文を完了させた。

数日後、注文していた食材が届いた。早速、カレー作りに取り掛かる。まずは、肉を入れたカレーを作る。豚バラ肉を焼いて、野菜と一緒に煮込む。途中から、ルーを加えて、さらに煮込む。

「うーん、いい匂い。」

キッチン中にカレーの香りが広がる。食欲をそそられる。

次に、肉を入れないカレーを作る。野菜を煮込み、ルーを加える。

「さて、味はどうかな?」

まずは、肉を入れたカレーから食べてみる。

「うん、やっぱり美味しい。」

肉の旨みが、カレー全体に広がっていて、コクがある。

次に、肉を入れないカレーを食べてみる。

「あれ?」

思っていたよりも、全然美味しい。肉の旨みがない分、野菜の甘みが際立っている。

「面白いな。」

肉を入れたカレーと、肉を入れないカレー。どちらも違った美味しさがある。

結局、どちらが美味しいか、という答えは出なかった。どちらも、それぞれの良さがある。

都会では、様々な種類の食材が手に入り、簡単に美味しいものが食べられる。でも、この村では、自分で食材を選び、料理を作り、食べるという行為一つ一つが、とても貴重なものに感じられる。

都会では味わえない、このスローライフ。もしかしたら、これが本当の幸せなのかもしれない。

そう考えながら、私は、残りのカレーをゆっくりと味わった。







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