日ごとに聖書を調べる

12月22日，日曜日

12月22日，日曜日

試練に耐え続ける人は幸せです。神から良いと認められるとき，命の冠を受けるからです。（ヤコ 1:12）

エホバへの崇拝を生活の中で第一にしましょう。エホバは創造者なので，私たちの崇拝を受けるのにまさにふさわしい方です。（啓 4:11; 14:6，7）ですから，私たちが何よりも大切にする必要があるのは，エホバが良いと認める方法で，つまり「聖なる力と真理に導かれて」エホバを崇拝することです。（ヨハ 4:23，24）それで私たちは，聖なる力に導かれて，聖書の真理に沿った崇拝を行いたいと思っています。私たちの活動が禁止されていたり制限されていたりする国に住んでいるとしても，エホバへの崇拝を第一にするべきです。現在，100人を超える兄弟姉妹が，エホバの証人であるというだけの理由で投獄されています。それでも，祈ったり聖書を勉強したり神や王国について伝えたりするために，できる限りのことを喜んで行っています。たとえ非難されたり迫害されたりするとしても，エホバが共にいて報いてくださるということを理解しているなら，幸せでいることができます。（ペテ一 4:14）塔研22.10 9ページ13節

聖書を毎日調べる 2024


恐れを超えて

2024年12月21日、土曜日。冬の冷たい空気が街を包む中、それぞれの人生を生きる人々がいた。

一人目は、シングルマザーのユミ。彼女は小さなレストランでパートタイムの仕事をしているが、子供の学費や生活費を考えると、いつも不安に駆られていた。「もし私が病気になったら…もし仕事を失ったら…」夜になると、不安が押し寄せ、なかなか眠りにつけなかった。その日の朝、彼女は聖書を開き、詩編118編を読んでいた。特に心に残ったのは6節。「エホバは私の側にいてくださる。私は恐れない。」という言葉だった。彼女は祈った。「エホバ、どうか私と子供たちを守ってください。この不安を取り除いてください。」

二人目は、会社の重要なプロジェクトを任されたばかりのタケシ。彼は責任の重さに押しつぶされそうになっていた。「もし失敗したら…もし上司や同僚の期待を裏切ったら…」彼は人目を気にするあまり、自分の意見をなかなか言えずにいた。ある日、彼は職場の休憩室で、聖句が書かれたカレンダーを目にした。「エホバは私の側にいてくださる。私は恐れない。」その言葉が、彼の心に小さな光を灯した。彼は思った。「周りの目を気にするのではなく、自分の力を尽くそう。結果はエホバに委ねよう。」

三人目は、病気を患い、余命宣告を受けた老人のケンゾウ。彼は死への恐怖に怯えていた。「死んだらどうなるのだろう…全てが終わってしまうのだろうか…」彼は、聖書を読むことも、祈ることもやめてしまっていた。ある日、病院のボランティアの女性が彼に優しく声をかけた。「ケンゾウさん、聖書の中に、こんな言葉があるんですよ。『エホバは私の側にいてくださる。私は恐れない。』」彼女は詩編118編を開き、ケンゾウに読み聞かせた。ケンゾウの心に、久しぶりに温かいものが込み上げてきた。彼は思った。「もしかしたら、死は終わりではないのかもしれない。エホバが側にいてくださるなら、恐れることはないのかもしれない。」

その日の午後、ユミはレストランで忙しく働いていた。突然、店のオーナーが彼女に近づいてきた。「ユミさん、実はね、君の仕事ぶりをずっと見ていたんだ。本当に良くやってくれている。そこで、思い切って正社員として雇いたいと思っているんだ。」ユミは驚きと喜びで言葉を失った。

同じ頃、タケシはプロジェクトの会議で、自分の意見をはっきりと述べることができた。最初は緊張したが、「エホバが側にいてくださる」という思いが、彼に勇気を与えた。会議後、上司は彼に近づき、「タケシ、よくやった！君のおかげで、プロジェクトが大きく前進したよ！」と褒めた。

その夜、ケンゾウは久しぶりに祈った。「エホバ、今まであなたから離れていましたが、どうか私を許してください。あなたの側にいたい。あなたを信じたい。」

それぞれの状況は違えど、彼らは皆、「エホバは私の側にいてくださる。私は恐れない。」という言葉を通して、恐れを乗り越える力を得た。詩編118編の作者が様々な苦難の中で「私は恐れない」と歌ったように、彼らもまた、それぞれの状況の中で、信仰によって恐れに立ち向かうことができた。

数日後、ユミは子供たちとクリスマスの飾り付けをしていた。タケシは、プロジェクトの成功を祝う会で、同僚たちと笑顔で語り合っていた。ケンゾウは、病院の窓から見える冬の景色を、穏やかな表情で見つめていた。彼らの心には、以前のような不安や恐れはなかった。代わりに、エホバへの信頼と、未来への希望が満ち溢れていた。