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12月20日，金曜日

12月20日，金曜日

私はあなたたちを友と呼びました。（ヨハ 15:15）

イエスは，欠点がある弟子たちのことを信頼しました。（ヨハ 15:16）ヤコブとヨハネが王国での特別な立場を求めてきた時にも，エホバに仕える2人の動機を疑ったり，2人を使徒から外したりすることはしませんでした。（マル 10:35-40）後にイエスが逮捕された夜には，弟子たち全てがイエスを見捨てて逃げていきました。（マタ 26:56）それでも，イエスは弟子たちのことを信頼し続けました。弟子たちが完全ではないということを理解していましたが，それでも彼らを「最後まで愛し」ました。（ヨハ 13:1）復活した後には，11人の忠実な使徒たちに大きな責任を委ねました。それは，人々を弟子とする点で率先することや，イエスの貴重な羊を世話することです。（マタ 28:19，20。ヨハ 21:15-17）イエスがこれらの不完全な人たちを信頼したのは，間違いではありませんでした。彼らは地上での歩みを終えるまで，忠実を保ったからです。確かにイエスは，不完全な人を信頼する面で立派な手本です。塔研22.09 6ページ12節

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「信頼」

深い夜の静けさが辺りを包み込んでいた。イエスは、弟子たちとともに過ごす最後の夜、最後の晩餐の席で、彼らに向けて語りかけていた。彼らの顔には、不安と疑念が交錯していた。イエスの言葉が、その心に響く一方で、彼らの不安は消えなかった。

「私が去ることを悲しむな」とイエスは言った。「私が行くことは、あなたたちのために必要だからだ。あなたたちに助け主が来るだろう。そして、私はあなたたちを友と呼ぶ。」

彼の言葉は、彼らの心の奥に深く残った。しかし、その瞬間、弟子たちの心の中に湧き上がる疑念があった。イエスが彼らに何を求めているのか、彼らの不完全さがどれほど彼を悩ませているのか、まだ分かっていなかった。

その日、ヤコブとヨハネは、王国での特別な地位を求めてイエスに頼んだ。彼らの動機は、他の弟子たちに比べて一歩前に立つことだった。しかし、イエスは彼らの願いを拒み、彼らにとって最も重要なことは謙遜であり、神の国の計画を信じることであると教えた。

「私の王国では、あなたたちが求めるような権威や立場は必要ではない」とイエスは言った。「誰でも、自分を低くし、他者を優先する者が偉大な者となるのだ。」

その後、イエスが逮捕された夜、弟子たちはすぐにイエスを見捨て、逃げてしまった。彼らの信頼は崩れ、彼らの心は恐れに満ちていた。だが、イエスはその時ですら、彼らを責めることなく、信頼し続けた。その心の奥底には、弟子たちが信じ、成長することを願う愛があった。

「彼らはまだ不完全だ」とイエスは心の中で思った。「しかし、私は彼らを愛し、最後まで信じる。」

復活後、イエスは再び彼らに現れ、11人の使徒たちに大きな責任を託した。その責任は、人々を弟子とすること、イエスの教えを広めること、そして神の羊を世話することだった。それは簡単なことではなく、多くの試練と苦しみが待ち受けていた。

「あなたたちを信じることができたのは、私が彼らを愛し続けたからだ」とイエスは言った。「あなたたちも同じように、愛と信頼で他者に接するのだ。」

弟子たちはその時、イエスが何を意味していたのかを少しずつ理解し始めた。彼らの心の中に、イエスの愛と信頼の深さが刻まれていった。そして、彼らは不完全なままでありながらも、その信頼に応えるために歩み続ける決意を新たにした。

イエスの教えは、ただの言葉ではなかった。それは、信頼と愛を持ち続けることの大切さを教えてくれる、永遠のメッセージだった。弟子たちはその教えを胸に、神の計画を広めるために力強く歩み続けた。