日ごとに聖書を調べる

10月12日，土曜日

10月12日，土曜日

若い人はどうすれば清く生きられるだろう。あなたの言葉に従って注意深くあるならそうできる。（詩 119:9）

思春期には，セックスをしたいという気持ちが強くなったり，性的に不道徳なことを行うよう強い圧力を受けたりするかもしれません。サタンは，私たちがそうした欲望に負けて間違ったことを行うよう願っています。では，どうすれば道徳面での清さを保てるでしょうか。（テサ一 4:3，4）エホバに祈ることができます。自分の本当の気持ちを打ち明け，力を与えてくださいとお願いしましょう。（マタ 6:13）エホバはあなたを責めようとしているのではなく，助けたいと思っています。（詩 103:13，14）自分一人で問題を解決しようとしてはいけません。悩んでいることをぜひ親に話してください。そうするのは簡単ではありませんが，とても大切なことです。聖書を読んで原則についてじっくり考えるなら，エホバに喜ばれる決定を下しやすくなるでしょう。エホバの考え方がいっそうよく分かるようになり，細かなルールは必要ないということに気付くはずです。塔研22.08 5ページ10-12節

聖書を毎日調べる 2024


清さを求めて
10月12日、土曜日。昼下がりの明るい日差しが窓から差し込む中、田中翔（たなか しょう）は自分の部屋で机に向かっていた。彼は高校2年生で、仲間たちとの遊びや恋愛に心が踊る年頃だ。しかし、その一方で、周囲の影響や内なる欲望と戦う日々でもあった。

「どうしてこんな気持ちになるんだろう…」翔は思春期特有の混乱した感情に悩んでいた。友人たちの中には、早くも性的な話題で盛り上がる者がいて、彼はその中にいることに不安を感じていた。サタンは、「みんなと同じことをしないと孤立する」とささやいていた。

机の上には聖書が広げられ、彼は詩篇119篇9節の言葉を再読した。「若い人はどうすれば清く生きられるだろう。あなたの言葉に従って注意深くあるならそうできる。」その言葉が、心の奥に響いた。

「エホバ、どうか助けてください…」翔は小さく呟き、祈りを捧げた。彼は、自分の気持ちや恐れをエホバに打ち明けることで、少しずつ心の整理をつけていった。

彼は、クラスメートの誘いや噂に惑わされないよう、自分自身の価値観を見つけることを決意した。親にも話すことが大切だと、聖書に書かれていた。だが、実際にそのことを言い出すのは難しいと感じていた。

夕食の時間、翔は心を決めて家族の食卓についた。両親と妹がいる中で、彼は口を開いた。「最近、友達との間で変なことが起こっているんだけど…」緊張しながらも、思い切って話し始めた。

「性についての話が多くて、時々不安になるんだ。どうしたらいいのか、わからなくて…」翔の言葉を聞いた母親は、優しい眼差しで彼を見つめた。

「翔、あなたがそのことを心配しているのなら、まずは自分の気持ちを大切にしなさい。友達が何をしているかよりも、自分がどうしたいのかを考えることが大事よ。」母は微笑みながら答えた。

父も頷き、「エホバはあなたに力を与えてくださる。祈りを通じて、しっかりと自分の道を見つけていきなさい。」と言った。その言葉に、翔はほっと胸を撫で下ろした。

「ありがとう、二人とも。もう少し自分の気持ちを整理してみるよ。」翔は少し元気を取り戻し、家族の支えに感謝した。

その後、彼は学校での出来事について考える時間を持つようにした。友達と過ごす時間は楽しかったが、その一方で、自分自身の信念や価値観を忘れずにいることが必要だと感じた。

ある日、友達からパーティーに誘われた翔は、自分の気持ちに従うことにした。パーティーでは、友達が酒やドラッグを楽しむ中、彼はその場から離れる決意をした。「これは自分が求めるものではない。」心の中でそうつぶやいた。

帰宅した翔は、聖書を開いて思い巡らせた。テサロニケ第一4章3節に「神の意志は、あなたがたが聖なる者となることである。」とあった。その言葉が、彼の心を支えた。

翔は、自分の選択が自分自身を成長させ、清さを保つことに繋がると信じるようになった。エホバの言葉を日々心に留め、他者の期待に流されず、自分の道を進むことができるようになったのだ。

日々の生活の中で、翔は友人たちに、自分の価値観を伝え、また彼らの選択にも耳を傾けることができるようになった。時には意見が食い違うこともあったが、翔は自分の信念をしっかりと持ち続けた。

数か月後、翔は新たな自信を持っていた。家族との絆も深まり、エホバとの関係も強化されていった。清さを求める道は容易ではなかったが、自分自身を大切にすることができると感じていた。

彼は、自分の選択が他者に影響を与えることを理解し、清さを求めることが本当の意味での自由であると実感した。エホバの助けを借りて、翔はこれからもこの道を進んでいく決意を新たにしたのだった。