いとなみ

17歳のときめき

17歳のときめき

彼女の名前はユウコ。17歳。まだまだ幼さが残るその外見と、時折見せる無邪気な笑顔が、周囲の男子を虜にしていた。しかし、ユウコには誰にも言えない秘密があった。それは、彼女が心の中で抱えている一つの「ときめき」だった。

ユウコは幼馴染のカズキに恋していた。彼とは小さな頃からずっと一緒に遊んできた。彼の優しさや、無邪気に笑うその顔が大好きだった。しかし、彼女はその気持ちを言葉にすることができなかった。カズキもまた、ユウコに対してどこか特別な感情を抱いているのではないかと感じていたが、告白する勇気が出なかった。

ある日、学校帰りに二人は偶然、一緒に帰ることになった。久しぶりに二人だけの時間。道を歩きながら、ユウコはカズキの横顔をちらりと見た。彼の髪が少し風に揺れると、その瞬間、心臓が高鳴った。これが、「ときめき」というものなのだろうか。今まで感じたことがない、甘くて苦い感情が胸に広がっていった。

「カズキ、最近どう？」

ユウコは何気なく話しかけた。すると、カズキは少し驚いた表情を浮かべ、笑顔で答えた。

「うん、まあまあだよ。ユウコは？」

ユウコは心の中で、彼の言葉に少し安心した。こんな普通の会話でも、彼といるとどこか特別な感じがする。二人の関係はずっとこのままでいいと思っていたが、心の中ではそれが変わらないようにと願っていた。

しかし、突然カズキが足を止めて、ユウコに向き直った。

「ユウコ、俺、最近思うんだ。君、ずっと前から特別な存在だって。」

その瞬間、ユウコの心は驚きと喜びでいっぱいになった。カズキもまた、ユウコのことを特別だと思っていたのだ。

「カズキ…？」

ユウコは息を呑んだ。その目を見開き、彼を見つめると、カズキは少し照れくさそうに顔を赤らめながら続けた。

「ずっと気づいてなかったけど、最近になってようやく分かったんだ。ユウコが、俺にとっては一番大切な存在なんだ。」

ユウコは胸の中で何度もその言葉を反芻した。彼の告白は、まるで夢のようだった。長い間、心の中で抱えていた「ときめき」が、ようやく形になった瞬間だった。

「カズキ…私も、ずっとそう思ってた。でも、どうして言わなかったの？」

ユウコは少し泣きそうな顔をして答えた。カズキは優しく微笑んで、彼女の手を取った。

「お前がどう思ってるか分からなかったから。でも、今日こうして言えてよかった。」

その瞬間、ユウコの胸に温かい感情が溢れた。17歳という年齢のすべての「ときめき」が、彼女の中で一気に開花したように感じた。

二人はその日、手をつなぎながら静かな夜道を歩き続けた。まるで、何もかもが新しく、希望に満ちた世界のようだった。これから先、どんな困難が待っていようとも、二人で歩んでいくことを誓った。

そして、ユウコは思った。17歳の「ときめき」が、彼女にとって一生忘れられない大切な瞬間となったことを。