いとなみ

結菜と律君の物語：純粋な愛と夢を追いかける二人

結菜と律君の物語：純粋な愛と夢を追いかける二人

小さな頃から、結菜12歳は、庭師をしている律君24歳が大好きだった。

「結菜は律君のお嫁さんになるの」

と、まとわりついていた。

律君と、いろんな紫陽花を植えたり、バラの手入れをするのはすごく楽しい。

「庭仕事の大半は草むしり」

と、笑って教えてくれる律君の口元からこぼれる白い歯がまぶしい。

まるでインドの青年のような深い瞳に吸い込まれそうになる。

大きな長い指が、時たま触れると、胸がどきどきときめいて眠れなくなる。

朝起きると、律君を思い出し、自然と笑みがこぼれる。

「今日は律君と何ができるかな?」

「どんなことを教えてもらえるかな?」

そんな結菜を周りの大人たちは、小さい頃は微笑ましく見ていたのだが、

だんだん大きくなって、

「お嬢様なんだから、もう少しお金持ちな人と結婚したらいいのに」

とか、

「律君の年収じゃお家も買えないでしょう」

と、いらないことを言ってくる。

「二人で働けば、小さな縁側のある家くらい買えるでしょう」

と、思っているのだが、子供なのかな?

そんなもんじゃ生活できないのかな?

お金持ちはお金持ち、貧乏人はいつまでも貧乏人なのかな?

(お金がないと幸せにはなれないのかしら?)

大人たちの心ない言葉に、結菜の心は揺れ動く。

「お嬢様にはもっとふさわしい人がいるはずよ」

「律君なんかじゃ、幸せになれないわ」

そんな声を聞くたびに、胸が締め付けられるような気持ちになる。けれど、結菜はどうしても諦めきれない。律君と一緒にいると、心が温かくなるし、彼の笑顔を見るだけで世界が輝いて見える。

ある日、結菜は律君に問いかけた。

「律君、どうしてお金がないと幸せになれないの？」

律君は少し困ったような顔をして、優しく結菜の頭を撫でた。

「結菜ちゃん、お金が全てじゃないけど、お金があると安心できることが多いんだ。大切な人を守るためにもね」

結菜は納得いかない気持ちでいっぱいだった。

「でも、私は律君がいればそれで幸せだよ」

律君は微笑んで、結菜の手をそっと握りしめた。

「ありがとう、結菜ちゃん。でも、大人になると色々な現実が見えてくるから、その時にまた考えればいいよ」

それでも結菜は諦めない。

毎日、律君との庭仕事が楽しくて、心の支えになっていた。どんなに大人たちの言葉に心が傷ついても、律君の笑顔を思い出せば、前を向ける。

そんなある日のこと。

「結菜ちゃん、ちょっと話があるんだ」

律君が真剣な顔で結菜を呼び止めた。

「何？」

「僕、実はお金を貯めて、ガーデニングショップを開こうと思ってるんだ」

結菜の目が輝いた。

「本当に？すごい！」

「うん。でも、そのためにはもっと勉強して、経験も積まないといけないんだ。だから、結菜ちゃんとはしばらく会えなくなるかもしれない」

結菜は胸が締め付けられるような気持ちになった。

「律君、行かないで」

「ごめんね、結菜ちゃん。でも、僕も結菜ちゃんと一緒に幸せになりたいんだ。そのためには、今のままじゃダメなんだ」

結菜は涙をこらえながら、律君を見つめた。

「わかった。でも、絶対に帰ってきてね」

律君は優しく結菜の頭を撫でて微笑んだ。

「もちろんだよ、結菜ちゃん。約束するよ」

その日から、結菜は律君の夢を応援するために、毎日を一生懸命に過ごすことを決意した。大人たちの言葉に揺らぐことなく、自分の信じる道を進んでいく。律君と一緒に幸せになるために。

そして、数年後。

律君は見事にガーデニングショップを開き、成功を収めた。

「結菜ちゃん、約束通り帰ってきたよ」

結菜は嬉しさで胸がいっぱいになり、涙を流しながら律君に抱きついた。

「お帰りなさい、律君。おめでとう」

そして、二人はお互いの手を取り合い、未来へと歩み始めた。

お金では測れない、本当の幸せを見つけるために。

結菜も律君のお店を手伝えるよう、生け花、アレンジフラワーやブリザードフラワー、

ハーバリウム、テラリウムなど様々なフラワーデザインを学んでいる。

大きなお花が好きな人もいれば、小さなお花が好きな人もいる。

鮮やかで華麗なお花が好きな人もいれば、

ひたむきでそっと寄り添うようなお花が好きな人もいる。

律君とともに、お花との一期一会を楽しんでいきたい。


結菜と律君のその後が気になります。二人はどのように過ごしているのでしょうか？

律君のガーデニングショップはどのようなお店になったのでしょう？

結菜はどのようなフラワーデザイナーとして活躍しているのでしょうか？

お客様との会話も楽しみですね。

あなたのお花が、星の王子様のバラのように

かけがえのない世界でたった一つのお花になりますように

「[お金があれば]食べる物は買えるが，食欲は買えない。薬は買えるが，健康は買えない。寝心地の良いベッドは買えるが，安眠は買えない。知識は買えるが，知恵は買えない。華やかさは買えるが，美しさは買えない。豪華さは買えるが，温かさは買えない。楽しみは買えるが，喜びは買えない。知人は得られるが，友情は買えない。使用人は雇えるが，忠実さは買えない」。