いとなみ

蕗の薹

蕗の薹

土のぬくもり
まだ眠る春の息吹
そっと包む
緑の蕾

陽光に誘われて
顔を覗かせる
小さな奇跡
生命の躍動

ほろ苦い香り
春の訪れを告げる
命のメッセージ
大地からの贈り物

天ぷらに
おひたしに
春の味覚
食卓を彩る

蕗の薹
小さな存在
大きな喜び
春の喜び


春の訪れ、ほろ苦い恋

陽光が降り注ぐ、春の午後。私は、山菜採りに出かけた。雪解け水が流れ、土の香りが漂う山道を歩きながら、春の訪れを肌で感じた。

ふと足元に、緑色の小さな蕾が目に入った。それは、蕗の薹だ。土から顔を覗かせたばかりの、生命力あふれる姿に、思わず心が躍った。

私は、そっと蕗の薹を摘み取った。その瞬間、ほろ苦い香りが鼻腔をくすぐった。その香りは、春の味覚であると同時に、どこか切ない恋愛の思い出を呼び起こした。

数年前、私は同じ場所で、同じように蕗の薹を摘んでいた。その時は、当時付き合っていた彼氏と一緒にいた。彼は、私の摘んだ蕗の薹を天ぷらにしてくれた。ほろ苦い蕗の薹の天ぷらは、春の味覚と共に、彼の優しい笑顔を思い出させた。

しかし、私たちはその後、別れてしまった。理由は些細なことだった。しかし、一度壊れた関係は元に戻らず、私たちは別々の道を歩むことになった。

あれから数年、私は新しい恋をすることなく、一人暮らしを続けている。寂しさを感じることもあるが、一人で過ごす時間にも慣れてきた。

蕗の薹のほろ苦い香りは、過去の恋愛の思い出を呼び起こしながらも、同時に新しい恋への期待を胸に抱かせた。春の訪れと共に、私の心もまた、新しい季節を迎える準備ができていると感じた。

私は、摘んだ蕗の薹をそっとかばんに入れ、歩き続けた。山道を歩きながら、私はふと思った。

いつかまた、誰かと一緒に蕗の薹を摘んで、天ぷらを食べたい。その時は、ほろ苦い蕗の薹の天ぷらに、春の味覚だけでなく、幸せな恋愛の思い出も加わるだろう。

私は、そんな未来を夢見て、春の陽光を浴びながら、山道を歩き続けた。

子供の頃に父が作ってくれた蕗味噌はにがくて嫌いだった。

少しはわたしも大人になれたのかな?

天ぷらだけじゃなく、刻んで味噌汁に浮かべても季節感あふれるごちそうになりそう。

ふきのとうの佃煮

ふきのとうとベーコンの炒めもの

スキレットひとつでふきのとうとうどのマスカルポーネグラタン

ふきのとうと桜えびのかき揚げ

ふきのとうのオムレツ

便利な時代ね。

ネットで検索したらいろいろ出てきた。

新しい楽しみが増え行く。

河津桜もあでやかに、三寒四温の春の彩。