いとなみ

スカイプをしながらゲームの中で他の女とイチャイチャしたらブチ切れられた 215

土砂降りの雨の中を、夜中コンビニに行ったの。

リアル、今日は一日中、誰とも口をきいていないから

とっても寂しかったの。

すぐ近所に住んでいるSkypeフレに連絡をして

わたしの家でお酒を飲もうってことになったの。

彼は、看護師さんなんだけど

明日と明後日はお休みなんですって。

想い人に連絡をしても、返事が返ってこないから

少しやけのやんぱちになっていた。

おつまみは、

いかの七味焼き

じっくり煮込んだ牛すじ煮込み

こりこり触感のおつまみ磯貝

瀬戸内産レモン風味のスモークタン

そして、おでんです。

日本酒の大吟醸がきらりと光ります。

まったりと濃厚でふくよかな味と香り。

「おいいね」

ってにこやかに飲める酒宴は悦楽の時。

彼の故郷、秋田温度や秋田おはら節を聴きながら

なんちゃって居酒屋気分。

この前、田舎のお母さまにオーディオセットを買ってあげたんですって。

わたしも、スピーカーにはちょっとうるさくて

タンノイやJBL、ボーズのスピーカーの話に花が咲く。

しまいにはやっぱり、

「アンプは真空管よね」

な～んてしったかしちゃったわたし。

やっぱり、人の目を見ながらお話をするのって

Skypeの想い人とはまた別な楽しさだった。

少しずつ、温かいものにが美味しくなっていく。

お風呂場のシャワーも夏設定ではぬるくなっていく。

秋分の日を過ぎたから、「秋の日は釣瓶落とし」

になっていくのかな。

看護師さんの好きなAdoの曲も一緒に聴いて

わたしの好きなBillie Eilish も楽しんだ。

「洋楽を聴きたいときって、どんな時?」

「意味が解って聞いてるの?」

「今、困ってることはない?」

「ご飯は食べれてる?」

「ちゃんと眠れてる?」

職業柄の質問かもだけど、想い人との会話とはずいぶん違うんだなって

あの人がわたしに興味を示して、質問してくることはほとんど無い物。


わたし、気付いてしまった。


幸せ芝居の舞台裏ような関係


想い人はわたしが寂しいとせがめば付き合ってくれるけど

あの人からくることはない。


リアルで相手の空気を感じながら

距離を保っていくのはとても不思議。

びしょびしょになった服を脱ぎ、着替えた時

バスタオルで優しく拭いてくれた。

整髪料の臭いがハッとするほど鮮やかで

ビデオ通話をしたとしてもにおいまでは分かち合えない。

決定的なリアルとバーチャルの差。

後何度か繰り返されたら、わたしは確実にリアルに落ちていく。

お互いに好きなワンピースのアニメの話も接点を深めて行ける。

同じ方向を向いてともに励まし合えたら素晴らしい結婚生活なんだろうな。

ゲームをほとんどやらなくなった今、達也さんとの共通の話題はほとんどない。

さみしいね。