いとなみ

春秋花壇

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スカイプをしながらゲームの中で他の女とイチャイチャしたらブチ切れられた 161

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「何のために生まれ、何のために生きていくのか」

これは人間の永遠の課題なのかもしれない。

朝(あした)に道(みち)を聞(き)かば夕(ゆう)べに死(し)すとも可(か)なり

処暑から白露へ
2021年夏ももうすぐ終わります。
夏の忘れ物はありませんか。
蝉時雨のコーラスに耳を傾け、小さな公園で過ぎ行く夏に思いをはせていると、一人の年老いた女の人が女の人を車椅子に乗せてやってきた。

「今日も蒸し暑いですね」

「昨日の雷はすごかったですよね」

などと世間話を始め、車椅子に乗っている女の人が、娘であり50年以上介護をしてきた。
最近、自分が84歳を過ぎ、介護がきつくなったので、娘さんを施設に預けた。すると、寂しくてたまらない。自由になったら、あれもしよう、これもしようと思っていたのに、何も手につかない。人間てほんとに面白いと、気さくに話してくださる。一番印象的だったのは、

「娘はこんな状態で全身麻痺なのに、ちゃんと女の子の日が毎月あるんですよね」
という一言だった。自分の月のものだけでもうっとうしいのに、ずっと介護をしてきて、よくなる見込みもないのに随分、辛抱強い人なんだなと心から尊敬した。

だんなさんは、とうの昔に出て行ってしまったそうだ。

そのおばあさんと別れてからも、時折思い出して、

「何のために生まれ、何のために生きていくのか」

と、自分に問いかけてみる。

自分があのおばあさんの立場なら、とっくにだんなさんと同じように投げ出しているだろう。

そして、何よりもあのおばあさんを不幸と思うのは、わたしの傲慢さかもしれない。

ひょっとしたら、彼女は、みるくなんか比べ物にならないくらい、愛情豊かで幸せなのかもしれない。

「時折笑うんですよね。それが嬉しくて……」

日傘を差しかけてあげて、車椅子に固定しようとしている。

ぬれたタオルで、何度も拭いてあげている。

パラリンピックが行われている中で、NHKしか放送されていないと誰かがツイッターでつぶやいていた。

オリンピックは、いろんな放送で見れたのにって……。

報道のヒエラルキーですか?

この差はなんですか?

わたしの心よ、天まで届け。
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