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失われた風景 そもそもお盆て何?
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俺は田舎に帰って来てから、何も考えずに
葬式、初七日、四十九日の喪主、施主として法要を済ませて来たのだが、
これっていいことなのか?
東京に行っていた時、聖書を学んでいた。
洗礼はまだ受けていない。
でも、俺は聖書を信じている。
あなたは,心をこめ,魂をこめ,思いをこめ,
力をこめてあなたの神を愛さねばならない」
(マルコ 12:30)
出来るだけ神を愛したいと思っている。
そもそも、お盆て何?
俺は何も知らない。
何も解っていない。
お盆(おぼん)は、日本で夏季に行われる祖先の霊を祀る一連の行事。
日本古来の祖霊信仰と仏教が融合した行事である。
かつては太陰暦の7月15日を中心とした期間に行われた。
8月13日から16日まで4日間続く「お盆」。
一般的に里帰りの時期として知られているが、
ご先祖様を慰める大切な伝統行事である。
「ぐはー」
やばいじゃん、これ。
俺は魂の不滅を信じていないから、
とんでもない行事をしていた事になる。
ということで、今日も訪れるであろう新盆のお客様。
本当は逃げ出したいんだけど、その勇気が俺にはない。
何処か痛くなって、病院に行ったとかなら許してもらえるのかな。
そして、迎え火、送り火もしないとだめなのかな。
お盆の伝統的な行事として「迎え火」と「送り火」がある。
ご先祖様の霊が迷わず家に戻って来られるように火を焚くのが迎え火だ。
燃やした煙に乗って霊が帰ってくるといわれている。
逆に、送り火はこの世からあの世まで無事に送り帰すための目印。
京都の大文字焼きも送り火のひとつである。
一応この家は、本家である。多くの親せきがいる。
それでなくても、風当たりの強い宗教。
なぜなら、他の宗教は全て魂の不滅を受け入れているのに、
「もし,強健な人が死ねば,また生きられるでしょうか」― ヨブ 14:14。
の問いに対して、
「あなたは顔に汗してパンを食べ,ついには地面に帰る。
あなたはそこから取られたからである。
あなたは塵だから塵に帰る」。(創世記 3:19)
「死んでいる者は何も知らない。……
死んだあとは,働くことも,計画することも,知識も知恵もない」
「その霊は出て行き,彼は自分の地面に帰る。
その日に彼の考えは滅びうせる」―詩編 146:4。
知識は、おいおい勉強するとして、
どうしようかな。
下手な動きをすると村八分になるのかな。
ここで生きて行くと決めたのだから、
村八分は勘弁してほしい。
俺はここで畑を耕しながら、
小説家を目指していきたいのだ。
蝉時雨が煩いほど聞こえるので
雨は止んでいるのかと思ったら
小ぬか雨が降っている。
己の命の時の短さを知り精力的に伴侶を求めているのだろう。
背の高いかりんの木に実がなっている。
あんなもの、上から落ちてきたら痛いくらいじゃすまないだろうな。
それにしても、親父はほんとにいろんな植物を植えている。
ざくろの実も大きく育ち赤く色づいて来た。
後は割れるのを待つばかり。
見習わないとね。
蝉の死骸が20匹位転がっている。
死んだ者はお腹を出して仰向けに死んでいるのだが、
まだ命あるものは必死で地面に縋り付こうとしている。
なのに、まだ生きている蝉に蟻が群がって腹を食い破られている。
何とも壮絶な戦いである。
一つ一つの選択が俺を織り成していく。
自分で選んで責任を取れる人に成長できますように。
さて、お客様用に料理でも用意しますか。
昨日は俺、面食らって肉や魚を使わないハーブカレーを作ったんだが、
ネットで調べると精進料理が無難みたい。
仕出しは頼んでないから、精進揚げとそうめんとお漬物でいいかな。
何も知らなかった俺は、昨日、使ってはいけない食材を使ってしまったみたい。
肉や魚は、殺生を禁ずるという意味から禁止。
これは使わなかったんだが、
煩悩を刺激することを禁止するという理由から食べてはいけない食材がある。
「五辛(ごしん)五葷(ごくん)」と呼ばれ、
「五辛」は辛味のある野菜を指し、「五葷」は臭味のある野菜を指す。
にら・ねぎ・玉ねぎ・にんにく・らっきょうなど。
にんにく、玉ねぎはダメだったんだね。
学べるって楽しいね。
さて、本日のてんぷらは裏山からとって来たみょうが、
頂き物のなす、しいたけ、しめじ、かき揚げは玉ねぎを使わなければいいのかな。
畑から紫蘇も獲ってこよう。
あげだし豆腐もうまそうだよな。
「一汁三菜(いちじゅうさんさい)」と呼ばれる形式のお膳や、
「一汁五菜(いちじゅうごさい)」と呼ばれる形式のお膳が正式。
ご飯とお漬物を数に入れずに、汁ものが1種と、
おかずを3または5種用意だって。
卵や牛乳もだめなんだって。
豆苗の胡麻和えならOKかな。
里芋とにんじんとごぼうの精進煮。
天ぷら。
豆腐とわかめの味噌汁。
これで、一汁三菜。
良心の許す範囲で、心からのおもてなしが出来ますように。
失敗を恐れるな。
俺の名前は、矢次誠一32歳。
ニート歴10年の自宅警備員のプロだ。
俺は今、陰キャ引きこもりニートから必至に
回復しようとしている。
おふくろが身罷ったのを機に自立・自律を目指している。
ありがとうございます。
ここ何日かの雨で、雑草がひざ丈を超えている。
うらやましい程の生命力だよな。
葬式、初七日、四十九日の喪主、施主として法要を済ませて来たのだが、
これっていいことなのか?
東京に行っていた時、聖書を学んでいた。
洗礼はまだ受けていない。
でも、俺は聖書を信じている。
あなたは,心をこめ,魂をこめ,思いをこめ,
力をこめてあなたの神を愛さねばならない」
(マルコ 12:30)
出来るだけ神を愛したいと思っている。
そもそも、お盆て何?
俺は何も知らない。
何も解っていない。
お盆(おぼん)は、日本で夏季に行われる祖先の霊を祀る一連の行事。
日本古来の祖霊信仰と仏教が融合した行事である。
かつては太陰暦の7月15日を中心とした期間に行われた。
8月13日から16日まで4日間続く「お盆」。
一般的に里帰りの時期として知られているが、
ご先祖様を慰める大切な伝統行事である。
「ぐはー」
やばいじゃん、これ。
俺は魂の不滅を信じていないから、
とんでもない行事をしていた事になる。
ということで、今日も訪れるであろう新盆のお客様。
本当は逃げ出したいんだけど、その勇気が俺にはない。
何処か痛くなって、病院に行ったとかなら許してもらえるのかな。
そして、迎え火、送り火もしないとだめなのかな。
お盆の伝統的な行事として「迎え火」と「送り火」がある。
ご先祖様の霊が迷わず家に戻って来られるように火を焚くのが迎え火だ。
燃やした煙に乗って霊が帰ってくるといわれている。
逆に、送り火はこの世からあの世まで無事に送り帰すための目印。
京都の大文字焼きも送り火のひとつである。
一応この家は、本家である。多くの親せきがいる。
それでなくても、風当たりの強い宗教。
なぜなら、他の宗教は全て魂の不滅を受け入れているのに、
「もし,強健な人が死ねば,また生きられるでしょうか」― ヨブ 14:14。
の問いに対して、
「あなたは顔に汗してパンを食べ,ついには地面に帰る。
あなたはそこから取られたからである。
あなたは塵だから塵に帰る」。(創世記 3:19)
「死んでいる者は何も知らない。……
死んだあとは,働くことも,計画することも,知識も知恵もない」
「その霊は出て行き,彼は自分の地面に帰る。
その日に彼の考えは滅びうせる」―詩編 146:4。
知識は、おいおい勉強するとして、
どうしようかな。
下手な動きをすると村八分になるのかな。
ここで生きて行くと決めたのだから、
村八分は勘弁してほしい。
俺はここで畑を耕しながら、
小説家を目指していきたいのだ。
蝉時雨が煩いほど聞こえるので
雨は止んでいるのかと思ったら
小ぬか雨が降っている。
己の命の時の短さを知り精力的に伴侶を求めているのだろう。
背の高いかりんの木に実がなっている。
あんなもの、上から落ちてきたら痛いくらいじゃすまないだろうな。
それにしても、親父はほんとにいろんな植物を植えている。
ざくろの実も大きく育ち赤く色づいて来た。
後は割れるのを待つばかり。
見習わないとね。
蝉の死骸が20匹位転がっている。
死んだ者はお腹を出して仰向けに死んでいるのだが、
まだ命あるものは必死で地面に縋り付こうとしている。
なのに、まだ生きている蝉に蟻が群がって腹を食い破られている。
何とも壮絶な戦いである。
一つ一つの選択が俺を織り成していく。
自分で選んで責任を取れる人に成長できますように。
さて、お客様用に料理でも用意しますか。
昨日は俺、面食らって肉や魚を使わないハーブカレーを作ったんだが、
ネットで調べると精進料理が無難みたい。
仕出しは頼んでないから、精進揚げとそうめんとお漬物でいいかな。
何も知らなかった俺は、昨日、使ってはいけない食材を使ってしまったみたい。
肉や魚は、殺生を禁ずるという意味から禁止。
これは使わなかったんだが、
煩悩を刺激することを禁止するという理由から食べてはいけない食材がある。
「五辛(ごしん)五葷(ごくん)」と呼ばれ、
「五辛」は辛味のある野菜を指し、「五葷」は臭味のある野菜を指す。
にら・ねぎ・玉ねぎ・にんにく・らっきょうなど。
にんにく、玉ねぎはダメだったんだね。
学べるって楽しいね。
さて、本日のてんぷらは裏山からとって来たみょうが、
頂き物のなす、しいたけ、しめじ、かき揚げは玉ねぎを使わなければいいのかな。
畑から紫蘇も獲ってこよう。
あげだし豆腐もうまそうだよな。
「一汁三菜(いちじゅうさんさい)」と呼ばれる形式のお膳や、
「一汁五菜(いちじゅうごさい)」と呼ばれる形式のお膳が正式。
ご飯とお漬物を数に入れずに、汁ものが1種と、
おかずを3または5種用意だって。
卵や牛乳もだめなんだって。
豆苗の胡麻和えならOKかな。
里芋とにんじんとごぼうの精進煮。
天ぷら。
豆腐とわかめの味噌汁。
これで、一汁三菜。
良心の許す範囲で、心からのおもてなしが出来ますように。
失敗を恐れるな。
俺の名前は、矢次誠一32歳。
ニート歴10年の自宅警備員のプロだ。
俺は今、陰キャ引きこもりニートから必至に
回復しようとしている。
おふくろが身罷ったのを機に自立・自律を目指している。
ありがとうございます。
ここ何日かの雨で、雑草がひざ丈を超えている。
うらやましい程の生命力だよな。
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