いとなみ

春秋花壇

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スカイプをしながらゲームの中で他の女とイチャイチャしたらブチ切れられた 157

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「おかけになった電話は電波の届かない場所にいるか電源が入っていないためかかりません」

達也さんの電話が4日も使えない。

Skypeでは話しているのだが、LINE、メール、電話が使えない。

つい何日か前にお菓子がたくさん送って来たばかりなのに。

もう終わりにしたいってことなのかな。

Twitterでカサンドラ症候群がトレンドになっていた。

やっぱり、理解できない。

昨日は10の日で、一緒に迷宮に行ったりしたのだが、

そして、Skypeでは

「早く会いたい」

って言ってくれるんだけどね。

カサンドラ症候群とは、発達障害者への報われない支援の毎日から、

精神的苦悩や疲弊が大きくなりすぎて、

パートナー自身が精神的にサポートが必要になる状態のことです。

みるくは既に達也さんの女性関係のトラウマから

記憶障害がかなり激しく、主治医から解離性健忘と診断されていた。

解離性健忘とは、

トラウマやストレスによって引き起こされる記憶喪失(健忘)のことで、

自分にとって重要な情報が思い出せなくなります。 

記憶に空白期間がみられますが、

その長さは数分から数十年にも及ぶ場合があります。

考えられる他の原因の可能性を検査で否定した後、

症状に基づいて診断を確定します。

4日も電源を切ったままって緊急事態ですよね。

みるくの思い込みじゃないですよね。

こんな状態で、どうして東京を捨てて達也さんの住む

北海道に移り住めというのだろう。

速やかに消えてくれ。

「逝って良し」

って言えたら楽なのにな。

みるくは気晴らしにショッピングに出かけた。

空は神様のキャンバス。

10種類しかない雲なのに、今日の雲はよく解らない。

太陽は朧雲に囲まれうだるような暑さに青息吐息の生物を

慈しむように暑気を抑えている。

みるくのアパートの小さなマイガーデンもペンタスが一鉢、

今にも枯れそうになって項垂れていた。

慌ててお水をあげて出かけたのだが、

「復活するといいな」

一つ一つのお花が愛おしい。

白昼夢ってあるのだろうか。

ふと気がつくと、何処かの大きなホテルの地下にいるみたい。

後ろから、素敵な男の人がついて来ている。

「何で嫌だと思わないんだろう」

不思議に思いながら、ショーウィンドウに並べられた食器を見ていた。

すると、突然後ろからついて来ていた人とは別な人がバックハグしてきた。

驚いて声をあげそうになるのだが、背中を電気が走る。

心地よい快感。

このまま身をゆだねて居たいとさえ思ってしまう。

「部屋が予約してある。行こう」

と、彼はみるくを誘う。

「このままついていったら、とっても素敵な時間を過ごせそう」

「でも、そしたら達也さんは何と思うんだろう」

「貞操観念の無い女と思うのだろうか」

「見つからないでできたらいいのに」

夢の中とは分かっていても、まじでそんな事を思っている自分が情けない。

欲求不満なのかな。

「そんな夢を見たのよ。どう思う?」

「それを伝えて、わたしにどうしろと」

うーん。迎えに来て欲しいのかな。

一夜妻でもいいから抱かれたいのかな。

貴方が4日も電話を不通にするから、わたしの心は彷徨っている。

だ・い・て……。
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