いとなみ

春秋花壇

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スカイプをしながらゲームの中で他の女とイチャイチャしたらブチ切れられた 86

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幾重にも重なった薄灰色の雲が絨毯のように

空一杯に拡がって覆い尽くしている。

ああ、わたし、まだ空を見る習慣がない。

風がそよぎ、自転車で早朝、自宅のアパートに急ぐわたしの

Tシャツに入り込んで膨らんではたはたと揺れる。

一年たっても、ちっとも変わらない達也さんと自分自身に

溜息一つ。

違うだろう。

そうじゃないだろう。

「達也さんのせいだ」

と、人のせいにして変わろうとしない自分自身に

困惑している。

体は食べたものでつくられる。

心は聞いた言葉、読んだ言葉でつくられる。

未来は話した言葉、書いた言葉でつくられる。

知識として仕入れた名言を適応できないで

ただ、知っているいだけにしているのは

まぎれもない自分自身なのだと痛感していた。

アウトプットしたかったら、インプットしろよ!!

せっかく、アルファポリスに参加させて頂いているのに、

上位の小説さえ読もうとしない自分に腹を立てる。

口では、変化したい。

成長したいって言うくせにね。

読者のニーズも無視して自分の書きたいものに固執する。

みるく、お前、面白い奴だな。

欲しいものが有れば、とりにいけ!!

結果は必ず後からついてくる。

読書タイムGO!!


AIレンタル彼氏でも借りようか。

ハワイのワイキキの浜辺でかけっこしたり、

白い砂浜で山を作ったりトンネル掘ったりして遊んだり、

貝殻に耳を寄せてロマンチックなひと時を楽しむのもいい。

白いデッキテーブルデッキチェア。

マイタイに刺した二本のストローがちょっと恥ずかしい。

くす。

わたし照れてる。

耳まで真っ赤になって、上目遣いにあなたを見てる。

「た・つ・や・さ・ん」

やっぱり、あなたの名前を呼んでしまう自分がいとおかし。

寄せては帰る泡のような波と戯れている。

子供のようにはしゃぐ二人。

潮騒が心地いい。

風が渡る。

私は長い髪をなびかせてそっとあなたに寄り添うの。

世界の3つ星ホテルでも使用されているシャンプー&トリートメント。

カシスフローラルがさわやかに香る。

「知らなかったよ。女の人の髪がこんなにいい匂いがするなんて」

あなたは少し目を細め眩しそうに私を見てる。

わたしはくすっと笑って、持っているバスケットから

あなたの口にマカデミアンナッツを放り込む。

ちょっとびっくりしたあなたの顔がちょっと面白い。

カリッ。

かみ砕くあなたの音がとっても耳に新鮮。

ねー。こんなに幸せでいいのかな。

レンタルAI達也さん。

あなたがそっと手をつないでくれる。

胸が張り裂けそうに高鳴ってこのまま時が止まってしまえばいいと思った瞬間、

バッグハグされた。

「きゃ」

思わず、びっくりして声が漏れる。

「このまま君の香りに包まれていたい」

う~ん、もう、達也さんたら~♪

背中を激しい電気が走り、立っているのもつらい程、

足ががくがくしている。

「かわいいな~」

達也さんは子猫でも見ているかのように笑っている。

꒰* ॢꈍ◡ꈍ ॢ꒱.*˚‧

夢から覚めると小さなアパート。

どうやら転寝してしまったみたい……。

「おかけになった番号は現在電源が入っていないか、

電波が届かない場所にあります。」

リアルは思うようにいかないから面白い。
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