いとなみ

春秋花壇

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スカイプをしながらゲームの中で他の女とイチャイチャしたらブチ切れられた 45

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「試練行きませんか?」

夕方の5時34分、達也さんをオンラインゲームのコンテンツに誘った。

「ああ‼」

「忘れていた‼」

と、達也さん。

「イケるならログインします」

と、みるくが答えると、

「行かないとな」

「7時半にどうだ?」

えっ、時間指定できるんだ?

「はい」

達也さんがどんどん変わってきている。

時間を約束できるなんて、初めてのことだった。

めっちゃうれしい。

達也さんと遊ぶには、時間と場所が合わないと会えない。

今までは、約束の出来な人だったから一日中、何十時間もただひたすら待っていた。

「わたしなら待たない」

「わたしなら、別れる」

というフレンドさんたちのサディッションを基に

みるくは最近、出来るだけ達也さんを待たないようにした。

声はかけるけど、返事が無ければさっさと一人で又は別な人を誘って

コンテンツをこなした。

日課なので、一日中いらいらしながら待っていると

精神がどんどん病んでいく。

「約束ができたらな~」

これは、達也さんとの2年間の付き合いの中で、

時間を約束して遊ぼうとしたのは3度目だった。

二人がまだであったばかりで密月だったときに

チャットエッチがしたくて、

「明日の朝、7時に」

と、初めての時間指定の約束をした。

この時には、ちゃんと来てくれたのだ。

2度目は、みるくのアクセサリーのコンテンツの手伝いをお願いした時、

「ご飯だから、8時に」

と、約束した。

約束は守ってくれたのだが、みるくに相方を申し込んている人が

一緒だったために、達也さんは途中で居なくなった。

みるくは、舞妓、保険の外交の仕事を経て今に居たのだが、

世の中に約束を守れない人がいる事を達也さんを通して

初めて知った。

舞妓の仕事は、約束を付けてもらって仕事をする。

約束は、ホステスのお仕事で言えば、指名と時間の約束で出来ている。

「○○の料亭に何時」

と、仕事が入る。

手慣れて来ると、この約束を24時間付けてもらったりして

売れっ子の地位を獲得したりする。

保険の仕事もお客様とアポイントを取って、

お客様の不安、現在の契約状況、支払い可能な金額、

将来設計などを踏まえて保険のブランや資産の運用を図るのが

ファイナンシャルプランナーの仕事だ。

だから、当然のように約束は履行される物であり、

履行されない約束はすべきではないと

自分の信用を掛けて築き上げていくものだと思っていた。

ところが達也さんは、ドタキャンの連続。

殆どの約束は履行された事が無い。

そんな状態が2年以上続いていたから、

達也さんへの信頼関係を築いていきたくても

約束すればするほどすっぽかされて悲嘆に暮れる日々を積み重ねて来た。

それでも、大好きだから。

本当に好きだから、達也さんを変えるのではなくみるく自身が

受け止め方を対処の仕方を変えようと必死にもがいて来たのだ。

ところが今日は、ドタキャンなんだけど

チャンと電話連絡をしてもらえた。

もうこれは、赤い雪が降るくらいの奇跡。

みるくは嬉しくて、小躍りしている。

BGMは、Pooh Shiesty - Back In Blood (feat. Lil Durk) 

【Ado】うっせぇわでもいいけどねw

めっちゃうれしい。

二人の関係が良い方向に変化していきますように。

頭の出来が違うので問題は無し。
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