いとなみ

春秋花壇

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スカイプをしながらゲームの中で他の女とイチャイチャしたらブチ切れられた 10

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人間とは本当に不可解な生き物である。

みるくが何度もやきもちを焼き、

泣きわめくほど達也さんから愛され、

時間を共有してもらっていた新しい女の人が

達也さんのチームを抜けた。

達也さんはみるくのクエストを手伝って一緒に遊んでいても

途中で抜けてその女の人のもとへいっていた。

みるくが何年もかけて5000時間プレイしてやっとそろえたアクセサリーを

達也さんの手伝いでその女の人はゲームを始めて1か月足らずでほとんど揃えていた。

「アルファポリスの恋愛大賞の応募規定5万文字があるから

それが書き終わるまで少し我慢してね」

と、みるくが相手にお願いするくらい

毎日、一緒に達也さんと時間を過ごしていた。

そこまでしてもらってるのに、どうしてチーム抜けちゃうんだろう。

そして、情けないことに

そんな仕打ちをされても、やっぱり達也さんは彼女に夢中。

今日もみるくは、達也さんとスカイプがしたくて

にいにいとの通院をさぼった。

達也さんからスカイプがあり、二人で話してる途中で

ゲームにログインした様子。

みるくは少しショックだった。

「また、ながらか」

引き付ける魅力のない自分が情けなかった。

みるくも後を追うようにログインし、

パーティーに誘うと、チームを抜けた彼女と話しているのだという。

気軽な感じで、また3人で遊べたらと達也さんをパーティーに誘った。

居場所を確かめると、氷の村だった。

みるくがパーティーに誘っているのに、スカイプ中なのに

やっぱり彼女に夢中。

彼女に達也さんは会いに行ったのだ。

また、彼女をスカイプ中に抱くのだろうか。

そして、彼女もまたその画像を公開するのだろうか。

胃がキリキリと痛み出す。

涙が出てくる。

どうして、何度も同じ仕打ちをされるのだろう。

リアルだったら絶対ありえないでしょう。

電話をしながら、他の女を抱いているなんて……。

あわてて、みるくも氷の村に行くと、

まるで邪魔者のような扱いを二人から受ける。

白ちゃで話をしていたら、達也さんに叱られる。

だって、達也さんとも新しい女の人ともパーティー組めてない状態で

3人で会話するには、白チャットしかないじゃない。

また、みるくはぶちぎれて。

スカイプで泣き叫ぶ。

「どうして、スカイプ会話中に

いつもいつも彼女を追っていなくなるの」

そんなに夢中になられてるのに、

どうして、チームを抜けるのかわからない。

まあ、たしかにあそこにいる限りは

愛人でしかないんだけど。

と、言うかこのゲームやっている限りは、

ほとんどログインしない本妻さんに

やっぱり気を遣う。

2年前のあの会話がよみがえる。

「もしも、わたしが達也さんを好きだったらどうする?」

「困る」

と、本妻さんは言う。

でも、あの時、みるくは達也さんの女性事情も全く知らなかったのだ。

そして、今は知っていてもやっぱり

つながっていながら捨てられる、選ばれない。

ああ、この無限ループ、なんとかしてください。

ここまでないがしろにされ、ぞんざいに扱われているのに、

どうして達也さんから離れられないのかな。

みるくには、この2年間、ずっと寄り添ってくれているフレンドがいる。

毎日、一緒に遊んでくれる。

気にかけてくれる。

チームの旅行に行くときも抜けるときもいつもそばにいてくれた。

どうして、ミルクの大切にしたい人が彼じゃなく、

達也さんなんだろう。

彼だったら、毎日お揃いのドレアを楽しんだり

金策したり一緒に遊べるのにな。

やっぱり、人間気持ちには不可解で日本海溝のように深い。

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