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春秋花壇

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愛することは理解すること バレンタインデート6時間待ちの深層

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2021/02/14
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昨日の彼は、小説も書けないほど

チームメンバーのアクセサリーの手伝いをしていたのね。

しかも、ゴースネルは1周じゃない。

これじゃあ、誰でも疲れ果ててしまう。

「もう少し寝かせてくれ」

と、言いたくなるのもわかる。

「みるくが喜んでくれるから、小説書いてる」

そういってくれる。

「血反吐はいて書いているんだ」

叫ぶように言う。

体の弱いあなたの気持ちを私は理解できないのだろう。

言い訳ばっかりと思っていた。

本当に具合が悪いのに、頭が痛かったり、

微熱が続いていたり、食べ物の味さえおかしく感じていたりするのに。

「はいはい、いいわけおつ」

ひどいよね。

38度熱があっても、学校に行かされたり、

牡蠣にあたっておなかが猛烈に痛いのに

仕事に行かされたりしたわたしには、

体が弱くて何かかができないというのが

よくわからなかった。

連絡くらいできるじゃないかと相手を責める。

相手からすればそれどころじゃないかもしれないのに……。

ごめんね。

ありがとう。

そんなぎりぎりの状態の中で、

わたしのためになんとか時間を作ってくれたの。

優しい同情心、寄り添う気持ちがないわたしは、

わがまま放題に、

「チョコ送ったのに、6時間以上も待たされた」

と、お怒りモード炸裂だったけど。

あなたは必至で答えてくれていたのね。

妬みと嫉みと寂しさの悪感情が私の心の窓を曇らせる。

もう、あなたの吐息さえ感じなかったのね。

ほんとうにごめんなさい。

あんなに素敵な小説を書くんだもの。

産みの苦しみよね。

そして、思うように評価してもらえないという悲しさは

あなたのやる気をそいでしまうのよね。

よき理解者であろうとしたのに、

二人でいたいという私のわがままが

あなたを疲弊させてしまう。

あなたの素晴らしい作品が一人でも多くの人に

読んでいただけますように。

バレンタインデートをせがむ私のために

彼がログインすると

「まいごー♪」

と、救援要請。

前はこの状況で彼は私を置いていった。

選ばれなかった私は一人置いてきぼりになり、

怒りと悲しみと寂しさで冬の日本海の怒号のように荒れ狂った。

「なんでいつもいつも、私じゃない人を選ぶのよ」

「わたしの順番はいつなの」

「何年待てばいいの~」

解離性障害のわたしは、あなたの気持ちも理解しようとせず

ヒステリー女のように泣き叫ぶ。

これじゃあ、誰だってうんざりだよね。

楽しくないもの。

重いだけだもの。

今日は違ったね。

ありがとう。

あなたは私を置いてはいかなかった。

ずっと一緒にいてくれた。

嬉しい。

しあわせ。

「〇〇さんとこにいかないでくれてありがとう。

すごーくうれしかった」

あなたの暖かな愛の中で

まったりと感じて少女は大人になっていく

信じていいんですよね

愛していいんですよね

時を共有できるんですよね

もう、ネグレクトされて凍えたりしないんですよね

根雪が解けるように

ゆっくりと感情が流れ出す

ありがとう

2月15日 季語

梅ヶ香(梅匂ふ)

東 風

末黒野

野 梅

蕗の薹

春立つ

春きたる

良寛忌

はこべ

春障子

春北斗

バレンタイン

霜くすべ

芽 柳

東京11℃、降水確率90%、湿度97%。

白い絵の具で空を薄く塗りつぶしたような一面の薄雲に覆われている。

重い気分障害だった私は、いつも下ばかり向いて歩いていた。

この苦しみをこの悲しみをこの寂しさを耐えるだけで精いっぱいだった。

希死念慮をやり過ごすのに精いっぱいだった。

達也さん、あなたが空を見上げることを教えてくれた。

小説の中に、一行でもいいから空を天気を書くことを進めてくれた。

ぽつりぽつりと落ちる大粒の雨の中で、

確実に春に向いて空気は動いている。

2年の間、いつだってあなたは寄り添ってくれた。

捨て去ることをしなかった。

ちゃんとかまってくれた。

ありがとう。

いつもわがままばかりでごめんね。

かまってちゃんでごめんね。

自分もあなたも大切にできる人になりたいです。

大きなおにぎりから零れ落ちるいくらがあでやか。

お口の中はパラダイス。

あなたと一緒にほおばりたいな。

雨脚が早くなり、ばちゃばちゃと大きな音を立ててしずくが躍る、飛び跳ねる。

BGMは軽やかにYOASOBI - 夜に駆けるにしましょうか。

JBLのスピーカーから流れる音が軽やかに鼓膜を振動させる。

高音はBoseのほうがいいかな。

真空管のチューナーで聞いたらもっと柔らかな音なのかな。

デジタルとアナログのはざまで揺れ動く恋心。

ああ、わたし、やっぱりあなたが好き。

飛梅のようにあなたの街に飛んでいけたらいいのにな。




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