いとなみ

春秋花壇

文字の大きさ
上 下
55 / 978

なにこの人 ちょっちむかつく

しおりを挟む
 おはようございます。

燃え立つように美しく終わる,

色鮮やかな華麗な秋の紅葉は,

畏怖の念を抱いて嘆賞するとき。

地球と仲良くできるとき。

さあ、華麗なる秋のショーの始まりです。

わたくし、山根 由理 27歳は、

西本 英二さん 33歳と、婚約していました。

婚約したのは、5年前です。

遅すぎる春?長すぎる春?というのでしょうか。

というのも、英二さんのご両親が次々と倒れて

介護の必要な状態になってしまったのです。

仕方なくというか、必要に迫られてわたくしは

訪問介護の人と協力して、この5年間、介護をしてきたのです。

まだ、嫁でもないのに。

籍も入っていないのに……。

落ち着いたら、写真だけでも撮って籍を入れてもらうつもりでいました。

テモテ第二 3章1-5節
このことを知っておきなさい。終わりの時代は困難で危機的な時になります。 人々は自分を愛し,お金を愛し,自慢ばかりし,傲慢で,神や人を冒瀆し,親に従わず,感謝せず,不忠実に*なります。 自然な愛情を持たず,全く人に同意しようとせず,中傷し,自制心がなく,乱暴で,善いことを愛しません。 人を裏切り,強情で,思い上がり,神ではなく快楽を愛し, 5 信心深く見えても実際には神を敬っていません。こういう人たちから離れなさい。

まさにそのとおりです。

こんなことが許されていいのでしょうか。

彼は昨日、女の人を連れてきて、

信じられないような言葉が次から次へと

彼の口から吐き出されます。

「別れて欲しい、婚約破棄して欲しい」

というのです。

「はー?」

「彼女、君より若いし、俺の子を妊娠してるんだ」

耳を疑います。

できれば、夢であって欲しい。

こんなことがあっていいわけがない。

人として、こんなことが許されるのでしょうか。

それとも、彼は人間の皮をかぶった魔物なのでしょうか。

こいつ、人間じゃねー。たたききってやる。

もしもわたくしが、悪役令嬢だったら、

旬殺などせず、じりじりとなぶり殺しにしてやる。

「オーホホホホ」

ざまぁって感じでしょうか。

でも、わたくしには、残念ながら、

力も魔法もありません。

「いつから、不倫されているんくですか」

「君が介護を始めた頃かな」

「はー?」

一度も、介護を彼は手伝ったことがありません。

わたくしの親ではありません。

彼の親なのです。

「だってほら、見てみろよ、色気もちゃちゃらもなくなって」

なんですってーー。わたくし、完全におこです。

ぷんすかぷん。

疲れ果てて、美容室に行く元気さえなかったというのに……。

彼のご両親を入浴させるときでさえ、

手伝ってはもらえなかったのです。

散歩も車椅子に載せて、介護サービスの方と出かけていたのです。

こいつ、マジ人間なのか?

心の中でそう叫びます。

あまりの腹立たしさに反論する気力さえありません。

「わかりました。介護の5年間の費用、

慰謝料、弁護士と相談の上請求させていただきます」

「子供も生まれるんだ。そんなには払えない」

まあまあ、好き勝手なことをほざいていらっしゃいます。

世の中にはいろんな人がいるんですね。

どんなに愛されても、どんなに尽くされても

当たり前だと思うのでしょうか。

大丈夫。撒いた種は全部自分で刈り取るのです。

わたくし、自ら、こんな人の心をどこかに置き忘れてきたようなものに鉄槌を下さずとも

裁いてくださる方はいらしゃるのです。

わたくしは、自分のできることを愛を持って

丁寧にしていけばいいのです。

「では、介護よろしくお願いします」

彼が連れているわたくしより若い女性に

いやみをこめて言ってしまいました。

わたくしも人の子。まだまだです。

やられたらやり返す。10倍返しだ!!

な~んてできたらこ気味いいでしょうね。

心の中では、ぎったぎったに叩いてつねって、

うーん、もう腹立たしい。

やるせない。

憤懣やるかたない。

行き場のない怒りのエネルギーをどこに放出させましょう。

このままでは、ものの3時間で胃潰瘍になってしまいます。

妄想の世界では、塩をもみこんで、

おもーい石をぎゅうぎゅうに載せているんですけどね。

東京都最低賃金(地域別最低賃金)の改正については、本年7月3日、東京労働局長から東京地方最低賃金審議会に対し、諮問を行いました。 同審議会は、8月5日、現行の最低賃金額985円を28円引上げ(引上げ率2.84%)て、1,013円に改正することが適当である旨の答申を行いました。

985×8×300×5=11820000

5年間の介護の見返りは……。

□ 神は公正を重視しておられる

□ 報復しようとする態度は有害である

□ 親切にすれば他の人々との問題は少なくなる場合が多い

□ 自分の過ちの多くを他の人は見過ごしてくれている

□ 間違いを犯した人も変化する可能性がある

□ 世の方法に抵抗することによって世を征服する

復讐は神のもの!!

2.3日、LINEで、英二さんから連絡がありました。

若い彼女が、介護をしないので、警察から取調べを受けているそうです。

「保護責任者遺棄致死罪」「保護責任者遺棄致傷罪」という罪にあたるそうです。

保護してもらえる施設が見つかるといいのですが……。

とても気になりますが、まだ腹立ちが収まらないので、

sweet11月号でも買って、ファッションをまったり楽しみます。

久しぶり、美容室やネイルもいいですね。

ハンサムなグレーのお洋服でも買いに行きましょうか。

今年は、タッセルやフリンジが流行りなのかな。

トレンドカラーは、オールブラック、セルリアンブルー、モダングランジ。

あなたは何色がお好きですか。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

もふもふで始めるVRMMO生活 ~寄り道しながらマイペースに楽しみます~

ゆるり
ファンタジー
ようやくこの日がやってきた。自由度が最高と噂されてたフルダイブ型VRMMOのサービス開始日だよ。 最初の種族選択でガチャをしたらびっくり。希少種のもふもふが当たったみたい。 この幸運に全力で乗っかって、マイペースにゲームを楽しもう! ……もぐもぐ。この世界、ご飯美味しすぎでは? *** ゲーム生活をのんびり楽しむ話。 バトルもありますが、基本はスローライフ。 主人公は羽のあるうさぎになって、愛嬌を振りまきながら、あっちへこっちへフラフラと、異世界のようなゲーム世界を満喫します。 カクヨム様にて先行公開しております。

茶番には付き合っていられません

わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。 婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。 これではまるで私の方が邪魔者だ。 苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。 どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。 彼が何をしたいのかさっぱり分からない。 もうこんな茶番に付き合っていられない。 そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。

気になるなぁ日記3

三五八11
エッセイ・ノンフィクション
これで3つ目

所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!

ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。 幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。 婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。 王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。 しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。 貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。 遠回しに二人を注意するも‥ 「所詮あなたは他人だもの!」 「部外者がしゃしゃりでるな!」 十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。 「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」 関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが… 一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。 なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…

放課後の秘密~放課後変身部の活動記録~

八星 こはく
児童書・童話
 中学二年生の望結は、真面目な委員長。でも、『真面目な委員長キャラ』な自分に少しもやもやしてしまっている。  ある日望結は、放課後に中庭で王子様みたいな男子生徒と遭遇する。しかし実は、王子様の正体は保健室登校のクラスメート・姫乃(女子)で……!?  姫乃は放課後にだけ変身する、『放課後変身部』の部員だったのだ!  変わりたい。いつもと違う自分になりたい。……だけど、急には変われない。  でも、放課後だけなら?  これは、「違う自分になってみたい」という気持ちを持った少年少女たちの物語。

私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。

木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるアルティリアは、婚約者からある日突然婚約破棄を告げられた。 彼はアルティリアが上から目線だと批判して、自らの妻として相応しくないと判断したのだ。 それに対して不満を述べたアルティリアだったが、婚約者の意思は固かった。こうして彼女は、理不尽に婚約を破棄されてしまったのである。 そのことに関して、アルティリアは実の父親から責められることになった。 公にはなっていないが、彼女は妾の子であり、家での扱いも悪かったのだ。 そのような環境で父親から責められたアルティリアの我慢は限界であった。伯爵家に必要ない。そう言われたアルティリアは父親に告げた。 「私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。私はそれで構いません」 こうしてアルティリアは、新たなる人生を送ることになった。 彼女は伯爵家のしがらみから解放されて、自由な人生を送ることになったのである。 同時に彼女を虐げていた者達は、その報いを受けることになった。彼らはアルティリアだけではなく様々な人から恨みを買っており、その立場というものは盤石なものではなかったのだ。

消えたい僕は、今日も彼女と夢をみる

月都七綺
青春
『はっきりとした意識の中で見る夢』 クラスメイトは、たしかにそう言った。 周囲の期待の圧から解放されたくて、学校の屋上から空を飛びたいと思っている優等生の直江梵(なおえそよぎ)。 担任である日南菫(ひなみすみれ)の死がきっかけで、三ヶ月半前にタイムリープしてしまう。それから不思議な夢を見るようになり、ある少女と出会った。 夢であって、夢でない。 夢の中で現実が起こっている。 彼女は、実在する人なのか。 夢と現実が交差する中、夢と現実の狭間が曖昧になっていく。 『脳と体の意識が別のところにあって、いずれ幻想から戻れなくなる』 夢の世界を通して、梵はなにを得てどんな選択をするのか。 「世界が……壊れていく……」 そして、彼女と出会った意味を知り、すべてがあきらかになる真実が──。 ※表紙:蒼崎様のフリーアイコンよりお借りしてます。

噂好きのローレッタ

水谷繭
恋愛
公爵令嬢リディアの婚約者は、レフィオル王国の第一王子アデルバート殿下だ。しかし、彼はリディアに冷たく、最近は小動物のように愛らしい男爵令嬢フィオナのほうばかり気にかけている。 ついには殿下とフィオナがつき合っているのではないかという噂まで耳にしたリディアは、婚約解消を申し出ることに。しかし、アデルバートは全く納得していないようで……。 ※二部以降雰囲気が変わるので、ご注意ください。少し後味悪いかもしれません(主人公はハピエンです) ※小説家になろうにも掲載しています ◆表紙画像はGirly Dropさんからお借りしました (旧題:婚約者は愛らしい男爵令嬢さんのほうがお好きなようなので、婚約解消を申し出てみました)

処理中です...