いとなみ

婚約破棄 神無月

　「ごめん、君との婚約を破棄する」

やっぱりですか。

もう無理ですよね。

今年の夏、二人で旅行に行ってから

わたくしたち二人は、信じあうことができなくなっていた。

わたくし前田みすずは谷川雄一郎さんと婚約していた。

彼の別荘で、楽しい夏のひと時を過ごすはずだった。

蔓竜胆、竜胆、ほととぎす、藤袴、石蕗

野路菊、野竹、おけら、柏葉羽熊、野紺菊

秋桜、紺菊、様々な茶花が咲き乱れている。

己の時をいとおしむように。

秋風もさやかに、秀麗の地を彩っている。

満点の空を一緒に眺めて、

 はくちょう座α星 デネブ 

わし座α星 アルタイル 

こと座α星 ベガ 

の3つの星を結んで描かれる、

細長い大きな三角形をしたアステリズムを

観察するはずであった。

二人が、空を眺めていると、

突然、見知らぬ男たちが現れて、

わたくしは、婚約者の前で何度も辱めにあった。

そして、それだけではなく、

わたくしがその行為に快感を感じていたと

雄一郎さんは言うのだった。

なんという恥辱。

わたくしは、「助けて」と、何度も彼を見た。

なのに、その顔を……。

「わかりました。承諾いたします」


チョウザメ超うざめ
10位以内に獣医いない・・・
秋刀魚三万匹をさんまさん万引き
新弟子埋葬したら死んでしまいそう
南海放送って…何か違法そう
ISSA息しないのを一切気にしない
メグ・ライアンに似てるの、目ぐらいやん。
いいヅラ買ったこと、言いづらかった…
時たま悟空溶き卵食う
密会情事したら3日以上痔


それから、何週間かして、

わたくしは、渋谷のラーメン屋さんで、

犯人たちを見かけた。

彼らもまた、そのラーメン屋さんに来ていた。

「しかし、あの女、可愛そうに」

「なー、何もあそこまでして別れなくても」

「婚約破棄するって言えば、すむことだったんじゃないか」

なんですってーーーー。

仕組まれたことだといいたいの?

わたくしは、きたばかりのおいしそうなラーメンを横目に、

彼らのそばにむかった。

「あ……」

「今の話、本当ですか」

「……」

「正直に話してくださらないなら、弁護士と相談して訴えます」

「わかったよ、頼まれたんだよ。

谷川雄一郎さんに」

食べ物というものは不思議なものです。

このときほど、まずいと感じたラーメンを食べたことがありません。

おいしいと有名なお店なのに。

楽しみにしていたのに。

谷川雄一郎さんは、一週間後に新しい方と婚約されるそうです。

わたくしは、どうしても許すことができませんでした。

どうしてくれましょうか。

この怒り、この恨み、この辱め。

みすずの体は、陽気が漂うほど負のエネルギーで満たされていく。

神無月、最後の満月の日、谷川雄一郎さんは新しい婚約者と、

二人で別荘にいらっしゃいました。

二人で楽しそうに、ペガスス座、みなみのうお座、みずがめ座、

やぎ座、ケフェウス座、うお座、カシオペヤ座、アンドロメダ座、

ペルセウス座、くじら座、おひつじ座など降るような

星空を眺めていらっしゃいます。

そこに、新宿2丁目で雇った40過ぎのおば様たちが

挨拶をされています。

そして、次の瞬間、わたくしのときと同じように

新しいいいなずけは、拉致され、

谷川雄一郎さんは、そのおば様たちに

辱めを受けたのでございます。

「あらあら、このぼうやのかわいいこと」

いたぶられ、はずかしめられ、それでも男というものは

不思議なものでございます。

40過ぎのおば様たちに、しっかり男の役目を果たせるのですから。


「目には目を、歯には歯を」との記述は、ハンムラビ法典196・197条にあるとされる（旧約聖書、新約聖書の各福音書にも同様の記述がある）。しばしば「目には目を、歯には歯を」と訳されるが、195条に子がその父を打ったときは、その手を切られる、205条に奴隷が自由民の頬をなぐれば耳を切り取られるといった条項もあり、「目には目を」が成立するのはあくまで対等な身分同士の者だけであった。


ほんにこの世は面白い。

『見よ 神はそのところをいでて

地にすむものの不義をただしたまわん 

地はその上なる血をあらはにして

殺されたるものをまたおおわざるべし』

魂の殺人の復讐劇は速やかに決行されていく。