春秋花壇

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蘭の花

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蘭の花

静かな風に揺れながら
蘭の花が咲く、夜の闇に
白く、淡く、その香りは
秘密のように広がっていく

ひとひらひとひら、時を越えて
太陽の光を浴びることなく
静寂の中で咲き誇る
その姿に、私は心を奪われる

人の手を離れて、ただ一人
強く、美しく、寂しげに
蘭の花は知っている
過去と未来、そして今という瞬間を

枯れることなく、花は咲き続ける
その美しさに込められた
無言の語りかけに耳を澄ませば
心の奥底まで清らかに

蘭の花が教えてくれるのは
生きること、そして静けさ
それが何よりも美しいと知る
咲き誇る蘭に、私はひととき癒される。

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