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封印された物語

二次創作の禁止について

第三者の知的財産権(特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権など)を侵害する行為として全面的に禁止させて頂いております。二次創作作品が投稿された場合は予告なしで強制的に作品削除の対象となりますのでご注意ください。
なお、表紙画像についても第三者の著作権を侵害することは禁止とさせて頂きます。こちらも発覚次第、表紙画像の削除を行います。

アルファポリスガイドラインより引用

https://www.alphapolis.co.jp/guidelines


「封印された物語」

深夜、投稿サイト「アルファの森」の運営からのメールに、二次創作作品の削除通知が届いた。

通知の一文
「第三者の著作権を侵害する作品が投稿されていることが確認されました。規約に基づき、当該作品を削除いたしました。」

投稿者の秋野紗月は、その通知を見つめながら小さくため息をついた。

始まり
紗月が執筆を始めたのは1年前。彼女は大手アニメ「蒼天の剣士」の熱烈なファンだった。キャラクターたちのその後の物語をどうしても形にしたくて、二次創作として執筆を開始したのだ。

自分の創作が読者に受け入れられるか不安だったが、公開してみると瞬く間に注目を集め、多くのコメントが寄せられるようになった。

「このキャラの描き方、原作より好きです！」
「続きが気になります！」

しかし、その作品が規約違反だとされ、削除された今、紗月は自分の行動を見つめ直さざるを得なかった。

葛藤
「私はただ、この物語を共有したかっただけなのに……」

運営の通知には、著作権侵害の具体的な理由と、二次創作が持つリスクについて丁寧に説明がされていた。紗月は改めて規約を読み返し、自分がやってしまったことの重大さを理解した。

悲しみと新たな目標
削除された作品に寄せられていたコメントの数々が頭をよぎる。

「誰かの著作権を侵害してまで、自分の物語を書いていいのだろうか？」

紗月は考え抜いた末、オリジナル作品を創作することを決意した。彼女にとって、他人の世界を借りて物語を紡ぐのではなく、自分自身の世界を築くことが次の挑戦だった。

新たな一歩
翌日、紗月はパソコンの前に座り、初めてのオリジナル小説を書き始めた。

タイトルは『空白の大地』。それは、かつて二次創作で描いていた冒険物語を一から再構築し、新しいキャラクター、新しい舞台で紡ぎ直す試みだった。

執筆を進める中で、彼女は気づいた。二次創作の制約から解放されたことで、自由に世界観を描ける喜びがあることを。

読者たちとの再会
数か月後、紗月のオリジナル作品は投稿サイトで注目を集めるようになった。

「新しい物語も素敵です！」
「今度のキャラたちも魅力的ですね！」

コメント欄に再び並ぶ読者の声に、紗月の胸は満たされた。

終わりに
削除された作品はもう戻らない。それでも、紗月は知った。創作の力は失われないことを。

自分の中にある物語を、誰にも侵害されない形で生み出し続けること。それが彼女の新たな決意となった。

彼女の手元には、再び読み返された規約の文章があった。

「創作とは、自らの力で築き上げるもの。だからこそ、それは輝きを放つ。」

紗月は新しいページを開き、物語の続きを紡ぎ始めた。