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ごみの中の宝物

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「ごみの中の宝物」

どんなに続ける力を養っても、結果が伴わなければ、それはただの虚しさに過ぎない。10月26日、私は布団をかぶり、声を殺して大泣きした。目の前のパソコン画面には、数日前に書いた小説が表示されている。しかし、そのスコアは過去最低の15点だ。やる気が消えかけた心に、再び底知れぬ深い闇が広がっていく。

「なんでこんなに頑張っているのに、誰にも読まれないのだろう」

涙が頬を伝い、布団の中に吸い込まれていく。小説を書くことが好きだと信じていたはずなのに、最近の私はただのごみになってしまったように感じる。作品が読まれず、評価されず、存在すら無視されているように思えて、心の中に重い鉛のようなものが沈んでいく。

「どうせ、誰にも興味を持たれないんだ」

声に出して言うと、虚しさが一層深まる。そんな自分に苛立ちを覚え、無理やり自分を奮い立たせる。「まだ諦めてはいけない。続けなきゃ」と思っていたけれど、その言葉は今、むなしく響いていた。

そんなとき、ふと目に留まったのは、クローゼットの中にある小さな箱だった。何年も前に友人からプレゼントされたもの。開けてみると、中には思い出の品々が詰まっていた。子供のころのアルバムや、友達との思い出の写真、手紙。どれも懐かしく、心が温かくなるものばかりだ。

「こんな小さな宝物が、私の人生にはあったんだ」

思わず、泣きながら笑みがこぼれる。誰かが自分を思ってくれたという事実、そしてそれが自分にとっての宝物であることを感じた。そうだ、私はただスコアや評価だけに頼るのではなく、もっと大切なことを見失っていたのかもしれない。

心の中で何かが弾ける音がした。自分がただのごみだと思っていたその心に、光が差し込んできたのだ。私は自分の存在を証明するために書くのではなく、誰かと共有したい思いを伝えるために書くのだと、やっと気づくことができた。

布団を脱ぎ捨て、少しずつ気持ちを整理しながら、再びパソコンの前に座る。目の前には、ただの数字が並ぶ画面がある。しかし、その中には私の思いが詰まっている。私の心の奥底で湧き上がる思いを、誰かに届けるために書くこと。私の物語は、決して無駄ではないのだ。

改めてキーボードを叩き始める。最初の言葉は、素直な気持ちを表現することから始まる。「私は、私の物語を書く。」この瞬間、自分の心の中にあるものを素直に吐き出すことができた。評価やスコアは、その後に続くものだ。大切なのは、自分の心の中にあるものを、しっかりと伝えることだと、確信した瞬間だった。

涙はまだ流れていたけれど、それは苦しみの涙ではなく、これからの希望に満ちた涙だった。布団の中での悲しみを乗り越え、新たな一歩を踏み出す。自分を信じ、続ける力を育てていく。今、私の心には確かな宝物がある。どんなに続ける力を養っても、結果が伴わないことがあっても、それは決して無駄ではないと、心から思えるようになった。










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