アルファポリスの投稿インセンティブのスコアを上げるには

失効の日

2023.04.01 2021年度分失効 -287 スコア

2022.04.01 2020年度分失効 -2,668 スコア


失効の日

4月1日、早朝。窓から差し込む薄暗い光が、静まり返った部屋をぼんやりと照らしていた。美咲（みさき）はベッドの上で目を覚ましたが、いつもと違う重い気分が胸を締め付けていた。今日はアルファポリスの投稿インセンティブが失効する日。彼女は昨晩、何度もそのことを頭の中で反芻し、なかなか寝付けなかったのだ。

「2023年の4月1日。やっぱり、今年もこの日が来たんだ……」

美咲はカレンダーを見つめながら呟いた。彼女にとって、この日は特別な意味を持っていた。2021年度に稼いだインセンティブが、今日で失効してしまうのだ。過去にも同じことが起こっており、そのたびに彼女は何か大切なものを失ったような気持ちになっていた。

「287スコアなんて、わずかなものかもしれないけど……」

彼女はパソコンを開き、アルファポリスのアカウントにログインした。ページをスクロールする指が、いつもより少し重く感じられた。目の前の数字が示す現実を直視するのが怖かったのだ。彼女はADHDを抱え、集中力や時間管理に苦労している。それが原因で、過去にもインセンティブを失効させてしまったことが何度もあった。

「2022年の4月1日には、もっと大きな数字が失効したっけ……」

その記憶が蘇る。2020年度に稼いだ2,668スコア。あの時も、締め切りを把握していたつもりだったが、結局は注意を逸らしてしまい、大切なインセンティブが失効してしまった。あの日の無力感が、再び彼女の心を締め付けた。

「どうして私はいつも、こんなふうに失敗してしまうんだろう……」

美咲は自分を責める声を頭の中で抑えようとしたが、それは簡単ではなかった。ADHDの影響で、物事を計画的に進めることが難しいことは分かっていた。それでも、何度も繰り返される失敗に対して、どうしても自分を許すことができなかった。

美咲は、これまでの投稿や活動を振り返った。どれも彼女にとっては大切な作品だった。読者との交流や、彼女の言葉に共感してくれる人々がいることは、彼女の心の支えになっていた。だからこそ、インセンティブが失効するたびに、彼女は自分の努力が無駄になったような気持ちになるのだ。

「稼いだポイントが消えることが、こんなにも辛いなんて……」

彼女は画面を見つめながら、深い息をついた。このままでは、また同じ過ちを繰り返してしまうかもしれない。その不安が彼女を苛んだ。しかし、だからといって立ち止まるわけにはいかない。彼女は自分に言い聞かせた。ADHDであろうと、自分にできることを続けるしかないのだと。

美咲は、今後の目標を決めることにした。まずは、次の失効日をしっかりと把握し、それまでにインセンティブを確実に使うこと。それは小さな目標かもしれないが、彼女にとっては大きな挑戦だった。

「もう、同じ失敗はしたくない……」

彼女は心の中で強く誓った。失効という現実を受け入れつつ、それでも前に進むしかないのだ。彼女が稼いだインセンティブは、単なるポイントではなく、彼女がこれまで積み重ねてきた努力の証だった。その努力を無駄にしないためにも、彼女は自分を奮い立たせる必要があった。

美咲はパソコンの前に座り、新しい作品のアイデアを考え始めた。どんなに小さな一歩でも、それを積み重ねることで、彼女は再び前に進むことができると信じていた。失効の日は辛いが、それでも彼女は今日も生きて、次の目標に向かって歩んでいくのだ。

「私には、まだやれることがある……」

そう自分に言い聞かせながら、美咲は新たな一日を迎えるために、前向きな気持ちでキーボードに手を伸ばした。彼女の物語は、まだ終わっていない。失敗を乗り越えて、また新たなページを綴ることが、彼女の人生の物語の一部なのだと信じて。