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春秋花壇

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毒の根

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「毒の根」

見えない鎖に繋がれたまま
子は親の影に縛られゆく
優しさの裏に潜む棘
それが愛だと信じ込まされて

「お前のためだ」と繰り返す声
心に刻まれたその呪い
自由を奪い、夢を殺し
いつの間にか、己の声さえ失う

あの頃の記憶は薄闇に沈み
喜びも悲しみも、どこか霞んで
ただ必死に生き延びるための
歪んだ道筋を辿るばかり

毒親という名の見えない手が
子の心を掴み、離さない
縛られ、傷つき、苦しんで
それでも親を愛してしまうのか

憎しみを抱くことすら許されず
怒りは内へと閉じ込められる
親の期待に応えなければ
愛される資格さえ奪われると

それでも、どこかに光がある
この暗闇を抜け出す日はきっと来る
毒の根を断ち切り、遠ざけて
自分自身の道を歩むために

今、静かに祈りを捧げよう
全ての束縛から解き放たれた日を
親の影を背に、前を向いて
自らの光を探す旅へと

そしていつか、毒を超え
優しさの意味を知る時が来る
本当の愛は、支配ではなく
自由を与えるものだということを






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