親子

アドラー心理学：自己中心的子供に共通する「社会性の欠如」と親の役割

アドラー心理学：自己中心的子供に共通する「社会性の欠如」と親の役割

1. はじめに

近年、「自己中心的」な子供が増えていると指摘されています。こうした子供は、周囲の人への配慮が欠け、トラブルを起こしやすい傾向があります。

アドラー心理学では、このような子供は「共同体感覚」が欠如していると考えられています。共同体感覚とは、社会の一員として、周囲の人々と協力し、貢献しようとする意識です。

2. 甘やかされた子供と憎まれた子供

アドラーは、子供を大きく2つのタイプに分類しています。

甘やかされた子供: 自分の思い通りにならないとすぐに怒ったり、暴れたりする。周囲の人の気持ちを考えず、自分さえ良ければいいという考え方が強い。
憎まれた子供: 常に周囲から否定され、劣等感を持っている。自分に自信がなく、消極的な性格になりやすい。
3. 共通する問題：共同体感覚の欠如

甘やかされた子供と憎まれた子供は、どちらも共同体感覚が欠如しています。

甘やかされた子供: 自分のことばかり考えて、周囲の人への思いやりがありません。
憎まれた子供: 自分が社会の一員であるという意識がなく、周囲の人との関わりを避けようとします。
4. 原因：親の養育態度

これらの問題の根底には、親の養育態度が関係していると考えられます。

甘やかされた子供: 親が子供の要求をすべて満たしてしまい、子供が自分で考える機会を与えなかった。
憎まれた子供: 親が子供を常に否定し、批判していた。
5. 親の役割：共同体感覚を育む

親は、子供に共同体感覚を育むために、以下の点に留意することが重要です。

子供に責任感を持たせる: 家事や勉強など、子供にできる範囲で責任を持たせる。
子供を尊重し、認める: 子供の意見に耳を傾け、良いところは積極的に褒める。
子供に社会貢献の機会を与える: ボランティア活動など、社会貢献できる機会を提供する。
6. まとめ

アドラー心理学では、自己中心的子供の問題は、共同体感覚の欠如が原因であると考えられています。親は、子供に責任感を持たせ、尊重し、認めることで、共同体感覚を育むことが重要です。

参考資料

岩井俊憲『超訳 アドラーの言葉』（ディスカヴァー・トゥエンティワン）
『アドラーの子育て術』（講談社）