神・悪魔・人間・罪

試練の始まり

試練の始まり

ヨブ記1章8～12節：試練の始まり

登場人物

ヨブ：東方にあるウツの地に住む、敬虔で正直な人
サタン：神のしもべでありながら、悪意を持つ存在
神：天地万物の創造主
舞台

天上の神の御座

物語

天上の神の御座の前で、神とサタンの会話が繰り広げられます。神は、ヨブという敬虔な人についてサタンに尋ねます。

神: 「あなたはわたしのしもべヨブのように全く、かつ正しく、神を恐れ、悪に遠ざかる者の世にないことを気づいたか。」 (8節)

サタンは、ヨブが神を恐れるのは、神から恵みを与えられているからだと主張します。

サタン: 「ヨブはいたずらに神を恐れましょうか。あなたは彼とその家およびすべての所有物のまわりにくまなく、まがきを設けられたではありませんか。あなたは彼の手にすべてのものを成功させ、彼の家畜は地にふえました。しかし今あなたの手を伸べて、彼のすべての所有物を撃ってごらんなさい。彼は必ずあなたの顔に向かって、あなたをのろうでしょう。」 (9-11節)

神はサタンの挑戦を受け入れ、ヨブを試すことを決意します。しかし、ヨブの命だけは奪わないように命じます。

神: 「見よ、彼のすべての所有物をあなたの手にまかせる。ただ彼の身に手をつけてはならない。」 (12節)

こうして、ヨブに想像を絶する苦難が降りかかることになります。

考察

この短い章の中に、ヨブ記全体を貫く重要なテーマが凝縮されています。

神の義と人間の苦しみ: 神はなぜ、義人であるヨブに苦難を与えるのか？ この問いに対する答えは、ヨブ記全体を通して探求されます。
サタンの存在: サタンは、神に対して悪意を持ち、人間を惑わす存在として描かれています。
人間の信仰: ヨブは、苦難の中でどのように信仰を保ち続けるのか？ 彼の姿は、私たちに深い示唆を与えてくれます。
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ヨブは、東方にあるウツの地に住む、裕福で尊敬される人物でした。彼は神を敬い、正直な生活を送っていました。ある日、天上の神の御座で、神とサタンの会話が繰り広げられます。神はヨブの信仰を褒め称えますが、サタンはヨブが神を恐れるのは、神からの恵みがあるからだと主張します。神はサタンの挑戦を受け入れ、ヨブを試すことを決意します。

ヨブは突然、次々と苦難に見舞われます。彼の家畜は盗賊に奪われ、子供たちは竜巻によって命を落とします。さらに、ヨブは全身に悪性の腫れ物ができ、激しい痛みと苦しみに襲われます。ヨブの妻は、苦しみの中で神を呪い、死を願うようにさえなります。

しかし、ヨブは信仰を失いません。彼は、神が与えたものも、神が取り去ることもできると信じていました。彼は、神への賛美を忘れず、苦しみの中でも神を礼拝し続けます。

ヨブの苦難は、周囲の人々に深い衝撃を与えます。彼の友人たちは、ヨブが何か罪を犯したから神罰を受けたのではないかと疑います。しかし、ヨブは自分の潔白を主張し、神への信仰を貫き通します。

ヨブ記の物語は、人間の苦しみと信仰の葛藤を深く描いた作品として、古くから多くの人々に読まれてきました。ヨブの苦難を通して、私たちは神の義と人間の信仰について考えさせられます。

この物語の続きは、ヨブ記2章で展開されます。