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転生したら賢者ポジだったけど魔王激推しガチ恋同担拒否TOおまいつ【後編】(終)
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ツンデレ魔王候補攻め、鈍感おバカガチ恋ヲタ転生者受け、嫉妬、拘束、目隠し、触手プレイ、射精管理、強制ドライ絶頂、尿道責め、結腸責め、淫語
———————-
日が落ちはじめた頃寮の部屋に向かう。
まだ少し怖いけど、エミリたちと話せて結構気が楽になったのもあって今なら何とかジークと向き合えるかもしれない。
僕は勇気を出して部屋のドアの前に立った。
すると、なんだかザワザワした。
部屋の中に闇の気配が満ちている。
またジークパパがいらんふるさと便を送りつけてきたのかと思ったけど、感じるのはそんな平凡なエネルギーじゃなかった。
慌てて中に入る。
やっぱり、気配の出所はジークみたいだ。
何かあったのかもしれない。
透視で中の様子を探る余裕もなく急いでジークの個室のドアを開けた。
彼はベッドの上で静かに座っていた。
あたりに漂う濃密な闇の匂いと、それに引き寄せられた形すら持たない下級魔物の気配がひしめいている。
首の後ろがゾクリとした。
質素な部屋のラフな格好の彼が、冥界に君臨する王者に見えた。
僕がジークパパ対策で部屋全体に念入りなシールドを張っていなければ今頃大騒ぎになってたと思う。
いや、あと少し遅くても危なかったかもしれない。
闇に侵食されてボロボロになったシールドを、手早く術式を詠唱して重ねがけする。
これもいつまで保つかわからなかった。
「ジーク、どうかした?何かあったかい?」
近づくと、ブワっと空気からプレッシャーを感じた。
何だか拒絶されているようで気持ちが怯む。
でも、そんな状況なのにジークの光を失った瞳を放って置けなかった。
距離を縮めても一切反応も無いし目も合わない。
ビリビリと感じる圧に耐えながらそっと肩に触れた。
するとその腕を掴まれて引かれ、ボスリとベッドに押し倒される。
体の上に、無表情のジークが乗り上げてきて動きを封じられた。
「ちょ、ジークっ……」
無言で僕のシャツの裾がズボンから引き抜かれて、下からジークの手が入り込んで肌を撫で始める。
もう片方の手もズボンの合わせを寛げて脱がせてきた。
マジ?その流れ?
全然やぶさかじゃ無いし寧ろ2日くらいご無沙汰だったから大歓迎だし何なら今のジークの雰囲気も ゲームの魔王ジークライトに近くてよきだしちょっとそういうプレイみたいというか興奮してきた。
「んっ、はあ……ジーク……」
期待に上ずった声を上げながら見上げれば暗い顔が目に入る。
その表情にハッとした。
何ついうっかり自分の欲望優先させてるんだ僕。
どう見てもジークに何かあったんじゃん。
それも多分落ち込むようなことが。
「待ってジーク、嫌だ。」
何かあったならちゃんと聞かせてほしい。
もちろんその後でエッチで慰めるのも必須でお願いします!
「……んでだよ。あの女の方が良くなったからか?」
暗い顔とがくしゃりと歪む。
ん?ん?何?誰?
「何のことかわからない。
ちゃんと話してくれないか。」
頼むからその悲しい顔やめて。
辛い。推しが悲しんでるの見るのマジで辛い。
正しい方の意味でしんどい。
手を伸ばしてそっとジークの頬に触れる。
落ち着かせるように軽く撫でると、無意識なのかスリっと猫みたいに僕の手のひらに頬を擦り付けてきた。
漂っていたビリビリした空気がゆっくり凪いでいくのを感じる。
かかかか可愛いんですが。
可哀想可愛いんですが。
変な声が出そうになってぐっと歯をくいしばる。
待て待て悶えるな僕。耐えろ。
今は真面目に話を聞かなきゃだめだ。
前世通算で何年生きてんだはしゃぐなおっさん。
経験値がゴミなのはこの際無視する。
「分かってた。俺と一緒にいたってスーの評判が落ちるだけだって。それでも一緒にいてくれるスーに甘えてた。」
当たり前なんだよな。優等生やってるのは信頼を得てジークと同室になるためが主だし。
「でも、あの女といる時の方が楽しそうに笑ってることも知ってる。階段の踊り場で話してた時もそうだし、今日街で一緒だった時も。」
……ん?
……あの女ってエミリ先生のことか!!!
待って何でジークまで変な誤解してるの。
エミリ先生は女子だぞ?
……じ ょ し だ か ら だ よ!
自分がガチゲイだもんでその発想はなかった。
元々ノンケのジークからしたら、女の子と二人でコソコソしてるのは怪しく見えるのか。
いやー。みんなの言う通り聞いてみるもんだな。
「今日会ってるところを見たのかい?」
それなら二人きりじゃなかったのは見ればわかるはずだけど。
「つけて悪かったよ。朝出たきり帰ってこないから、探しに行った。何時もは飯作ってくれてるのにそれも無かったから、いよいよ別れるんだと思ったけど、やっぱちゃんと話したくて。それで、一緒に歩いてるところを見つけて……」
「その後はつけた?」
「するかよ。惨めになるだけだ。」
いやいや、ちゃんとつけてよ!そこで終わったら僕が浮気してるみたいに見えるじゃん!
僕が街中でジークを見つけたら思う様つけ回すよ?
でもまさか、ジークがぼくにや、や、や、妬きもちをやいてくれているとは……。
ほぅ、とため息をついて顔を覆う。
尊さで殺しにきてるのかな?
今喋ったら変な声出そう。
「これ以上スーが俺以外見ないようにスーの周りのもの全部ぶっ壊してやろうかってさっきまで考えてた。呆れるよな。」
ちょ、やめて。これ以上デレを垂れ流さないでキャパ越えして顔が合わせられなくなる。
「頼むから、俺から離れていかないで欲しい。」
だーかーらーっっっ!
無理これ以上無理と思って僕は手の中にエミリ先生の絵を転移させてそれで顔を遮るようにジークに突きつけた。
「……は?」
画用紙の向こうからあっけにとられた声がする。
「エミリせ、さんには、この絵を描いてもらってたんだ。今日はそのお礼でお茶をしたんだけれど、他のクラスメイトも一緒だったし、そもそも僕は女の子をそういう目で見てないし、何もジークが疑うようなことはないから。」
「これ、……俺?」
「そ、そう……。」
「意味分かんねぇ。」
「ですよね……。」
「図書館であいつ見てニヤついてたのは?」
「あれは、ジークをスケッチして貰っていて、それでスケッチが素晴らしくて……」
「階段のとこでコソコソしてたのは?」
「出来上がったこの絵を受け取っていて……」
はあ、と大きなため息が聞こえて、吐き出された息が紙に吹きかかった。
「まさかと思うけど、お前って実は結構バカ?」
「う……」
「ったくバカみてぇ。」
「すまなかった。まさかジークがそんなに妬きもちをやいて悩むと思わなくて……。」
「……妬いてない。」
「え、でも……」
「浮気しやがってたら俺のプライドにかけてぶっ殺してやろうと思ってただけだ。」
「ええ……」
あからさまな手のひら返しに紙を透視してジークの顔色をチラリと伺う。
赤くなった顔と目が合った気がした。
はい、僕氏無事死亡。
「見てんじゃねぇ」
真っ赤になったジークが僕の目に手をかざすと、視界がブラックアウトした。
暗闇状態の術をかけられたようだ。
「ちょっ、ジーク」
「勝手に解いたら絵、破くから。」
そう言われて慌てて自分の部屋に絵を送ろうとしたけど、それも制された。
「ちゃんと持ってろよ。大事なものなんだろ?」
両手にも術がかけられて、紙が離せなくなる。
視界を塞がれては術の解読もままならない。
両手をぐっと頭上に挙げさせられる。
その後すぐに噛み付くように口で口を塞がれた。
真っ暗な視界の所為で過敏になっているのか、舌が粘膜を舐り回すのを一層生々しく感じてしまう。
舌の付け根をジークの舌先がじゅぷりとなぞり、上顎や歯列をぞろぞろと舐め上げる。
それだけで気持ちよくて頭が麻痺したようになる。
僕も夢中になって舌を伸ばした。
ぐちゃぐちゃになるようなキスについ手に力がつい入るけど、絵がくしゃくしゃになってしまわないために必死に腕の力を抜く。
その所為なのか逃がせない快感がどんどん体の中に溜まっていくようだった。
ひとしきり口内を暴れまわっていた舌がちゅっと小さいリップ音を立てて離れていく。
体の下に手を回されてぎゅうっと抱きしめられた。
相手の体温がじんわり伝わってくる。
ジークは暫く動かずにそうしていた。
僕も縛られたままの腕をそっと降ろして彼の背中に回した。
今ジークはどんな顔をしてるんだろう。
それが見られないのが少し残念だった。
「ジーク、手の術を取ってくれないか。君の顔も見たい。」
「ダメだ。」
「お願い。何でもするから。」
「じゃあ、俺に隠れて女とコソコソあってた分のお仕置きちゃんとうけるな?」
はい?
ジークはそう言うと僕の下半身の服を素早く脱がせた。
上に着てる服は手が拘束されているせいで脱げないけどボタンを外されてはだけさせられる。
嫌な予感を感じながら横たわっていると、ベッドの中から闇の気配を感じた。
すぐに気配は実体になり、ニョキニョキとベッドから生えた滑らかい管のようなものがずるり伸びてきて体を何本もの触手が這い回る感触がした。
「わっ、なに?……あっ」
見る間に身体中がスルスルと皮膚を撫でるそれに覆われる。
遠い記憶からそれが何かわかってしまった。
魔王城のダンジョンで出てくる、巨大なウニの針が触手になったような不気味なデザインのザコ敵だ。
この魔物は二次エロ創作界隈では手堅い人気があった。
僕も、強化した魔物の触手を使ってジークが主人公を襲い快楽堕ちさせるBL同人誌で5回は抜いた。
きっと今、狭いベッドの上いっぱいに召喚された魔物の触手が僕の体を覆っているんだろう。
出現した魔物にグッと体を押し上げられ、見る間に分娩台に座っているような体勢で触手に抱えられたみたいだ。
ヌルヌルとした感触にゾワっと肌が泡立つ。
「ジーク、何これ、あっ、まって……んっ」
ぐちゅ、じゅぷ、ぢゅううう
いきなり両方の乳首が柔らかい粘膜に覆われて強く吸い付かれた。
吸い付いてきたものの内部は繊毛で覆われていて、吸い上げながらサワサワと表面を刺激する。
魔物の触手の先端には都合よく伸縮自在の穴が開いていたはずなので、それが搾乳機みたいに乳首に取り付けられたのだと思った。
ぢゅうっ、じゅぷ、にゅくにゅくにゅく
「あぁっ、ふっ……んぁ……あっ」
両方の乳首を柔らかい触手が執拗に吸い上げて揉み回してくる。
暗闇の中で余計に敏感になった肌へ容赦無く刺激を送り込まれて、僕はたまらず背中を反らせて喘いだ。
「気持ち良さそうだな。これじゃお仕置きにならねえじゃねーか。」
耳元でジークの声がした後、じゅぷっと耳に舌が這う感触が襲う。
ぬる、じゅぷ……ぢゅっ
「ふっ……ああ、あっ……あっ」
ざりざりと耳を舐めあげられるのにも酷く感じた。
乳首と耳を同時に気持ちよくされて、下半身にどんどん熱がたまっていく。
その勃起した中心に、ぐるぐると根元から先端まで触手が巻きついた。
「反省する気になる事もしないとな。」
目が見えないから次に何が来るのか動きも全く予見できない。
だから、触手が巻きついたペニスの先端にぴとりと何かが当たってもすぐにはそれがどういうことか分からなかった。
つぷっ、と細長い何かが鈴口をこじ開けて入ってきて初めて事態に気付く。
「やっ!……何か、入って……んあ゛ぁっ」
今まで液体しか出したことがないところに、つぷつぷと形を持ったものが入り込んでいく。
みちみちと中の穴を広げられるのがピリっとして痛い。
なのに外側に巻きついた触手が締め上げながらズルズル動くのが気持ちよくて訳が分からなくなる。
つぷぷ、じゅこじゅこっ、つぷん
「あっ、はぁ……んっ、あぁっ、ひぁっ」
痛いのか気持ちがいいのか分からない時間が続いて、とうとう触手が僕の尿道全体にみっちり埋まってしまった。
くにくにくに
「ん゛ぁっ……あっ……うごかなっ……で」
狭い管の粘膜を擦るように触手が蠢くと、中からも痛み以外にジンジンした気持ち良さが湧いてくる。
触手に乳首をじゅぷじゅぷ吸われながら、ちんこをずりずり擦られて尿道をぐねぐね捏ね回されてる。
全部が気持ちいい。
「やぁっ、あ……はっ……んあっ……」
「何だ、これでも気持ちいいのか。変態。」
ジークの手か跳ねている僕の腹部をするりと撫でる。
「あ゛ぁっ」
やばい触られただけなのに他より気持ちいいってどういうこと。
「弄ってくれるなら何でもいいんじゃねぇの?」
「ちがっ……ジークしか、嫌だっ」
「でも今気持ちいいだろ?」
急に触手の動きがはげしくなる。
「んぁっ……ひあぁ……んっ、違う……」
「じゃあ、練習な。俺でしかイかない練習。」
真っ暗な視界の所為でジークの動きは見えないけど、太腿を掴まれて腰を持ち上げられる。
晒されたお尻の穴にぬるりとしたものが触れた。
一瞬触手かと思ったけど、直ぐにそれが人間の舌だとわかった。
ジークに舐められてると思うだけで体の熱がさらに上がる。
じゅぷっ、ちゅっ……ぬちゅっ、ちゅぷ……
舌が穴をこじ開けるようにぐにぐにと入ってきて入り口の粘膜を舐め上げていく。
「はぁっ、あっ……ジーク、じーくっ」
舌だけじゃ全然足りない。
もっと太いものが奥に欲しい。
そういう気持ちで名前を何も呼ぶ。
それが通じたのか、しばらく中を広げた後舌が離れていって、直ぐに穴にもっと固いものが押し当てられた。
ぐぷぷっ
「あっ……じーく、きたぁ……」
もう何度も犯されてるのに、相変わらず僕の中が嬉しい嬉しいって入ってきたジークのものをきゅうきゅう締め付ける。
入り口だけしかほぐされていないそこは中の方はまだ狭くて、入ってきた怒張がゴリゴリと内壁を擦り上げていく。
苦しいのにそれが酷く気持ちがいい。
ごりゅっ
「ん゛ん゛ん゛あっ……あ゛ぁっ、あ、あ」
狭い中をこじ開けるペニスが丁度前立腺を擦り上げて、それだけで僕は達してしまった。
でも、尿道が塞がれている所為で射精出来ず強制的に空イきさせられる。
初めての感覚に訳が分からくなってただガクガク体が跳ねた。
「今触手でイっただろ。」
ごちゅっ
「あっ、ちがっ……んんっ」
否定しようとしたのに、ずんってイったばかりの前立腺をまた突き込まれて言葉が続かない。
「だって入れただけでイくわけないだろ。今度はちゃんと他は我慢して俺だけでイけよ。」
無茶苦茶なことを言ったかと思うと、ジークの激しい律動が始まった。
じゅぷっ、ごりゅ、どちゅんっ
くにくにっ、くりゅっ、こりゅ、
「あ゛っ……ひあ……ん゛っ、おっ、あっ」
気持ちいいところばかり狙われ突き上げられながら、触手に乳首と尿道を捏ね回される。
中の触手の先端が、尿道側からも前立線を揉みこんでくる。
ずぷずぷずぷっ、ぐぽっ、どっちゅん
「お゛っ、ああ゛っ……ん゛ん゛ーーっ」
容赦ないピストンで結腸まで突き上げられてまた雌イキする。
尿道を塞がれた強制雌アクメから逃げ場がなくて頭がおかしくなりそう。
「ほら、また触手でイっただろ。」
「ちがっ、ちゃんとジークでイったからぁ」
「でも、触手にここ突かれた時にイってた。」
ジークが会陰を撫でながら言う。
絶対言いがかりだ。
「違うっ、ジークのおちんぽが、奥に来たからイった……」
必死に言う僕の言葉に、ジークが静かになる。
「じゃあ、念のためにもっかいな。」
少しの沈黙の後、上ずった声がとんでもないことを言ってまた動きが再開した。
ごりゅごりゅ、どちゅんっ、ぐぷっぐぷっ、ずちゅっ
「あ゛あ゛っ、ひゃら……あ゛っ」
さっきよりもっと強く結腸口を捏ねあげられる。
中の触手も一層激しく前立線を突き回してきて気持ち良すぎて辛いくらいだ。
また直ぐに絶頂感がせり上がってくる。
でも今イったらまた触手のせいにされちゃう。
「あ゛っ奥、きてぅっ、じーくのおちんぽでっ…ぼくのえっちな、お゛っ奥ぅっ、ごちゅごちゅされてっ、雌イキきちゃうっ、めしゅアクメっ……あ゛っ、あ゛、アクメしましゅっ、ん゛んーーーっっっ」
「はぁっ、んっ」
今日最大の絶頂を感じたのと同時に、ジークのペニスからもびゅくびゅくと精子が吐き出されるのを感じた。
ずるりと尿道を犯していた触手が抜けていく。
「あひぁ……」
堰き止められていた精液がとぷとぷと力なく鈴口からあふれて流れた。
触手に抱えられた僕の上に、ジークが被さって抱きしめてくる。
ジークの重さに沈むように触手が崩れて消えていき、二人でベッドに寝そべる形になった。
「勘違いで本当に良かった。」
僕の肩口に顔を埋めたジークが小さい声で言う。
「でも、いつか本当にスーが俺を好きじゃなくなるかもしれないのが怖い。」
ジークがどんな顔で言ってるのか、見えないけどなんとなくわかった。
「……ジーク、術を解いて欲しい。」
今度はちゃんと視界が戻ってきた。
日が落ちて薄暗いけど、ちゃんとジークの姿が見える。
自由になった両腕で僕もぎゅっと抱きしめ返した。
「これだけは絶対言えるんだけど、ジークがたとえ世界を滅ぼそうとしても、僕はジークが好きだよ。」
まだ息切れを起こした掠れた声しか出てこないけどなんとか伝えた。
被さっている肩に手を置いて上体を起こすように促す。
顔を上げたジークの表情は、泣きたそうな笑いたそうな顔をしていた。
大丈夫だよ、という気持ちを込めて僕はそれに笑いかけ、目の前の最推しの顔にそっとキスした。
ジークと仲直りした僕の人生はまたバラ色に戻った。
相変わらずたまに朝盛り上がって一緒に遅刻したり、授業をサボって盛り上がっちゃったりするけど、開き直った僕を教師も残念そうに眺めるだけだ。
部屋を離されたら嫌なので程度には気をつけるようにしてる。
そうして少し不良になった僕は、クラスメイトから前より話しかけられるようになった。
エミリ先生のグループとか、他の生徒とか。
なんか不思議だけど、そういうものかもしれない。
「委員長、完成したので納品。」
ある放課後エミリ先生が声をかけて来たのでまたあの階段下に向かった。
こないだより結構時間がかかったみたいだけど、正直期待しかない。
「遅くなってごめん。」
「そんな!いつまでも全裸待機できます!」
彼女が紙袋から取り出した作品は、サイズは前と同じだけどきちんと木のパネルに描かれた大作のようだった。
もったいぶっているのか裏返しで渡される。
「み、見ていいでしょうか!?」
「……いいよ。」
ワクテカしながらパネルをめくった。
途端に目にしたものに思考が止まる。
そこにはジークがいた。
100年後に魔王として大活躍する、ゲームのキャラデザのままのジークが。
出来は本当に素晴らしくて、前世の僕ならさめざめと泣きだしていたと思う。
でも今の僕はそれどころじゃなかった。
「君は……」
次の言葉が出てこないまま目の前の女生徒を見やる。
「案外細かいディテール忘れちゃってて、小物とかリリース時と違ったらごめん。」
軽い感じでエミリ先生が言う。
「待って、ちょっと待って、どういうこと?」
「サイン見て。」
もう一度画面に目を落とす。
右下に、あのゲームのイラストレーターの名前が少し崩した漢字で書かれていた。
また目を見開いてエミリ先生を見る。
「やっぱり君も私と同じなんだね。」
僕の反応で確信を得たエミリ先生が淡々と言う。
ジークと僕の運命が、大きく変わる予感がした。
(おわり)
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日が落ちはじめた頃寮の部屋に向かう。
まだ少し怖いけど、エミリたちと話せて結構気が楽になったのもあって今なら何とかジークと向き合えるかもしれない。
僕は勇気を出して部屋のドアの前に立った。
すると、なんだかザワザワした。
部屋の中に闇の気配が満ちている。
またジークパパがいらんふるさと便を送りつけてきたのかと思ったけど、感じるのはそんな平凡なエネルギーじゃなかった。
慌てて中に入る。
やっぱり、気配の出所はジークみたいだ。
何かあったのかもしれない。
透視で中の様子を探る余裕もなく急いでジークの個室のドアを開けた。
彼はベッドの上で静かに座っていた。
あたりに漂う濃密な闇の匂いと、それに引き寄せられた形すら持たない下級魔物の気配がひしめいている。
首の後ろがゾクリとした。
質素な部屋のラフな格好の彼が、冥界に君臨する王者に見えた。
僕がジークパパ対策で部屋全体に念入りなシールドを張っていなければ今頃大騒ぎになってたと思う。
いや、あと少し遅くても危なかったかもしれない。
闇に侵食されてボロボロになったシールドを、手早く術式を詠唱して重ねがけする。
これもいつまで保つかわからなかった。
「ジーク、どうかした?何かあったかい?」
近づくと、ブワっと空気からプレッシャーを感じた。
何だか拒絶されているようで気持ちが怯む。
でも、そんな状況なのにジークの光を失った瞳を放って置けなかった。
距離を縮めても一切反応も無いし目も合わない。
ビリビリと感じる圧に耐えながらそっと肩に触れた。
するとその腕を掴まれて引かれ、ボスリとベッドに押し倒される。
体の上に、無表情のジークが乗り上げてきて動きを封じられた。
「ちょ、ジークっ……」
無言で僕のシャツの裾がズボンから引き抜かれて、下からジークの手が入り込んで肌を撫で始める。
もう片方の手もズボンの合わせを寛げて脱がせてきた。
マジ?その流れ?
全然やぶさかじゃ無いし寧ろ2日くらいご無沙汰だったから大歓迎だし何なら今のジークの雰囲気も ゲームの魔王ジークライトに近くてよきだしちょっとそういうプレイみたいというか興奮してきた。
「んっ、はあ……ジーク……」
期待に上ずった声を上げながら見上げれば暗い顔が目に入る。
その表情にハッとした。
何ついうっかり自分の欲望優先させてるんだ僕。
どう見てもジークに何かあったんじゃん。
それも多分落ち込むようなことが。
「待ってジーク、嫌だ。」
何かあったならちゃんと聞かせてほしい。
もちろんその後でエッチで慰めるのも必須でお願いします!
「……んでだよ。あの女の方が良くなったからか?」
暗い顔とがくしゃりと歪む。
ん?ん?何?誰?
「何のことかわからない。
ちゃんと話してくれないか。」
頼むからその悲しい顔やめて。
辛い。推しが悲しんでるの見るのマジで辛い。
正しい方の意味でしんどい。
手を伸ばしてそっとジークの頬に触れる。
落ち着かせるように軽く撫でると、無意識なのかスリっと猫みたいに僕の手のひらに頬を擦り付けてきた。
漂っていたビリビリした空気がゆっくり凪いでいくのを感じる。
かかかか可愛いんですが。
可哀想可愛いんですが。
変な声が出そうになってぐっと歯をくいしばる。
待て待て悶えるな僕。耐えろ。
今は真面目に話を聞かなきゃだめだ。
前世通算で何年生きてんだはしゃぐなおっさん。
経験値がゴミなのはこの際無視する。
「分かってた。俺と一緒にいたってスーの評判が落ちるだけだって。それでも一緒にいてくれるスーに甘えてた。」
当たり前なんだよな。優等生やってるのは信頼を得てジークと同室になるためが主だし。
「でも、あの女といる時の方が楽しそうに笑ってることも知ってる。階段の踊り場で話してた時もそうだし、今日街で一緒だった時も。」
……ん?
……あの女ってエミリ先生のことか!!!
待って何でジークまで変な誤解してるの。
エミリ先生は女子だぞ?
……じ ょ し だ か ら だ よ!
自分がガチゲイだもんでその発想はなかった。
元々ノンケのジークからしたら、女の子と二人でコソコソしてるのは怪しく見えるのか。
いやー。みんなの言う通り聞いてみるもんだな。
「今日会ってるところを見たのかい?」
それなら二人きりじゃなかったのは見ればわかるはずだけど。
「つけて悪かったよ。朝出たきり帰ってこないから、探しに行った。何時もは飯作ってくれてるのにそれも無かったから、いよいよ別れるんだと思ったけど、やっぱちゃんと話したくて。それで、一緒に歩いてるところを見つけて……」
「その後はつけた?」
「するかよ。惨めになるだけだ。」
いやいや、ちゃんとつけてよ!そこで終わったら僕が浮気してるみたいに見えるじゃん!
僕が街中でジークを見つけたら思う様つけ回すよ?
でもまさか、ジークがぼくにや、や、や、妬きもちをやいてくれているとは……。
ほぅ、とため息をついて顔を覆う。
尊さで殺しにきてるのかな?
今喋ったら変な声出そう。
「これ以上スーが俺以外見ないようにスーの周りのもの全部ぶっ壊してやろうかってさっきまで考えてた。呆れるよな。」
ちょ、やめて。これ以上デレを垂れ流さないでキャパ越えして顔が合わせられなくなる。
「頼むから、俺から離れていかないで欲しい。」
だーかーらーっっっ!
無理これ以上無理と思って僕は手の中にエミリ先生の絵を転移させてそれで顔を遮るようにジークに突きつけた。
「……は?」
画用紙の向こうからあっけにとられた声がする。
「エミリせ、さんには、この絵を描いてもらってたんだ。今日はそのお礼でお茶をしたんだけれど、他のクラスメイトも一緒だったし、そもそも僕は女の子をそういう目で見てないし、何もジークが疑うようなことはないから。」
「これ、……俺?」
「そ、そう……。」
「意味分かんねぇ。」
「ですよね……。」
「図書館であいつ見てニヤついてたのは?」
「あれは、ジークをスケッチして貰っていて、それでスケッチが素晴らしくて……」
「階段のとこでコソコソしてたのは?」
「出来上がったこの絵を受け取っていて……」
はあ、と大きなため息が聞こえて、吐き出された息が紙に吹きかかった。
「まさかと思うけど、お前って実は結構バカ?」
「う……」
「ったくバカみてぇ。」
「すまなかった。まさかジークがそんなに妬きもちをやいて悩むと思わなくて……。」
「……妬いてない。」
「え、でも……」
「浮気しやがってたら俺のプライドにかけてぶっ殺してやろうと思ってただけだ。」
「ええ……」
あからさまな手のひら返しに紙を透視してジークの顔色をチラリと伺う。
赤くなった顔と目が合った気がした。
はい、僕氏無事死亡。
「見てんじゃねぇ」
真っ赤になったジークが僕の目に手をかざすと、視界がブラックアウトした。
暗闇状態の術をかけられたようだ。
「ちょっ、ジーク」
「勝手に解いたら絵、破くから。」
そう言われて慌てて自分の部屋に絵を送ろうとしたけど、それも制された。
「ちゃんと持ってろよ。大事なものなんだろ?」
両手にも術がかけられて、紙が離せなくなる。
視界を塞がれては術の解読もままならない。
両手をぐっと頭上に挙げさせられる。
その後すぐに噛み付くように口で口を塞がれた。
真っ暗な視界の所為で過敏になっているのか、舌が粘膜を舐り回すのを一層生々しく感じてしまう。
舌の付け根をジークの舌先がじゅぷりとなぞり、上顎や歯列をぞろぞろと舐め上げる。
それだけで気持ちよくて頭が麻痺したようになる。
僕も夢中になって舌を伸ばした。
ぐちゃぐちゃになるようなキスについ手に力がつい入るけど、絵がくしゃくしゃになってしまわないために必死に腕の力を抜く。
その所為なのか逃がせない快感がどんどん体の中に溜まっていくようだった。
ひとしきり口内を暴れまわっていた舌がちゅっと小さいリップ音を立てて離れていく。
体の下に手を回されてぎゅうっと抱きしめられた。
相手の体温がじんわり伝わってくる。
ジークは暫く動かずにそうしていた。
僕も縛られたままの腕をそっと降ろして彼の背中に回した。
今ジークはどんな顔をしてるんだろう。
それが見られないのが少し残念だった。
「ジーク、手の術を取ってくれないか。君の顔も見たい。」
「ダメだ。」
「お願い。何でもするから。」
「じゃあ、俺に隠れて女とコソコソあってた分のお仕置きちゃんとうけるな?」
はい?
ジークはそう言うと僕の下半身の服を素早く脱がせた。
上に着てる服は手が拘束されているせいで脱げないけどボタンを外されてはだけさせられる。
嫌な予感を感じながら横たわっていると、ベッドの中から闇の気配を感じた。
すぐに気配は実体になり、ニョキニョキとベッドから生えた滑らかい管のようなものがずるり伸びてきて体を何本もの触手が這い回る感触がした。
「わっ、なに?……あっ」
見る間に身体中がスルスルと皮膚を撫でるそれに覆われる。
遠い記憶からそれが何かわかってしまった。
魔王城のダンジョンで出てくる、巨大なウニの針が触手になったような不気味なデザインのザコ敵だ。
この魔物は二次エロ創作界隈では手堅い人気があった。
僕も、強化した魔物の触手を使ってジークが主人公を襲い快楽堕ちさせるBL同人誌で5回は抜いた。
きっと今、狭いベッドの上いっぱいに召喚された魔物の触手が僕の体を覆っているんだろう。
出現した魔物にグッと体を押し上げられ、見る間に分娩台に座っているような体勢で触手に抱えられたみたいだ。
ヌルヌルとした感触にゾワっと肌が泡立つ。
「ジーク、何これ、あっ、まって……んっ」
ぐちゅ、じゅぷ、ぢゅううう
いきなり両方の乳首が柔らかい粘膜に覆われて強く吸い付かれた。
吸い付いてきたものの内部は繊毛で覆われていて、吸い上げながらサワサワと表面を刺激する。
魔物の触手の先端には都合よく伸縮自在の穴が開いていたはずなので、それが搾乳機みたいに乳首に取り付けられたのだと思った。
ぢゅうっ、じゅぷ、にゅくにゅくにゅく
「あぁっ、ふっ……んぁ……あっ」
両方の乳首を柔らかい触手が執拗に吸い上げて揉み回してくる。
暗闇の中で余計に敏感になった肌へ容赦無く刺激を送り込まれて、僕はたまらず背中を反らせて喘いだ。
「気持ち良さそうだな。これじゃお仕置きにならねえじゃねーか。」
耳元でジークの声がした後、じゅぷっと耳に舌が這う感触が襲う。
ぬる、じゅぷ……ぢゅっ
「ふっ……ああ、あっ……あっ」
ざりざりと耳を舐めあげられるのにも酷く感じた。
乳首と耳を同時に気持ちよくされて、下半身にどんどん熱がたまっていく。
その勃起した中心に、ぐるぐると根元から先端まで触手が巻きついた。
「反省する気になる事もしないとな。」
目が見えないから次に何が来るのか動きも全く予見できない。
だから、触手が巻きついたペニスの先端にぴとりと何かが当たってもすぐにはそれがどういうことか分からなかった。
つぷっ、と細長い何かが鈴口をこじ開けて入ってきて初めて事態に気付く。
「やっ!……何か、入って……んあ゛ぁっ」
今まで液体しか出したことがないところに、つぷつぷと形を持ったものが入り込んでいく。
みちみちと中の穴を広げられるのがピリっとして痛い。
なのに外側に巻きついた触手が締め上げながらズルズル動くのが気持ちよくて訳が分からなくなる。
つぷぷ、じゅこじゅこっ、つぷん
「あっ、はぁ……んっ、あぁっ、ひぁっ」
痛いのか気持ちがいいのか分からない時間が続いて、とうとう触手が僕の尿道全体にみっちり埋まってしまった。
くにくにくに
「ん゛ぁっ……あっ……うごかなっ……で」
狭い管の粘膜を擦るように触手が蠢くと、中からも痛み以外にジンジンした気持ち良さが湧いてくる。
触手に乳首をじゅぷじゅぷ吸われながら、ちんこをずりずり擦られて尿道をぐねぐね捏ね回されてる。
全部が気持ちいい。
「やぁっ、あ……はっ……んあっ……」
「何だ、これでも気持ちいいのか。変態。」
ジークの手か跳ねている僕の腹部をするりと撫でる。
「あ゛ぁっ」
やばい触られただけなのに他より気持ちいいってどういうこと。
「弄ってくれるなら何でもいいんじゃねぇの?」
「ちがっ……ジークしか、嫌だっ」
「でも今気持ちいいだろ?」
急に触手の動きがはげしくなる。
「んぁっ……ひあぁ……んっ、違う……」
「じゃあ、練習な。俺でしかイかない練習。」
真っ暗な視界の所為でジークの動きは見えないけど、太腿を掴まれて腰を持ち上げられる。
晒されたお尻の穴にぬるりとしたものが触れた。
一瞬触手かと思ったけど、直ぐにそれが人間の舌だとわかった。
ジークに舐められてると思うだけで体の熱がさらに上がる。
じゅぷっ、ちゅっ……ぬちゅっ、ちゅぷ……
舌が穴をこじ開けるようにぐにぐにと入ってきて入り口の粘膜を舐め上げていく。
「はぁっ、あっ……ジーク、じーくっ」
舌だけじゃ全然足りない。
もっと太いものが奥に欲しい。
そういう気持ちで名前を何も呼ぶ。
それが通じたのか、しばらく中を広げた後舌が離れていって、直ぐに穴にもっと固いものが押し当てられた。
ぐぷぷっ
「あっ……じーく、きたぁ……」
もう何度も犯されてるのに、相変わらず僕の中が嬉しい嬉しいって入ってきたジークのものをきゅうきゅう締め付ける。
入り口だけしかほぐされていないそこは中の方はまだ狭くて、入ってきた怒張がゴリゴリと内壁を擦り上げていく。
苦しいのにそれが酷く気持ちがいい。
ごりゅっ
「ん゛ん゛ん゛あっ……あ゛ぁっ、あ、あ」
狭い中をこじ開けるペニスが丁度前立腺を擦り上げて、それだけで僕は達してしまった。
でも、尿道が塞がれている所為で射精出来ず強制的に空イきさせられる。
初めての感覚に訳が分からくなってただガクガク体が跳ねた。
「今触手でイっただろ。」
ごちゅっ
「あっ、ちがっ……んんっ」
否定しようとしたのに、ずんってイったばかりの前立腺をまた突き込まれて言葉が続かない。
「だって入れただけでイくわけないだろ。今度はちゃんと他は我慢して俺だけでイけよ。」
無茶苦茶なことを言ったかと思うと、ジークの激しい律動が始まった。
じゅぷっ、ごりゅ、どちゅんっ
くにくにっ、くりゅっ、こりゅ、
「あ゛っ……ひあ……ん゛っ、おっ、あっ」
気持ちいいところばかり狙われ突き上げられながら、触手に乳首と尿道を捏ね回される。
中の触手の先端が、尿道側からも前立線を揉みこんでくる。
ずぷずぷずぷっ、ぐぽっ、どっちゅん
「お゛っ、ああ゛っ……ん゛ん゛ーーっ」
容赦ないピストンで結腸まで突き上げられてまた雌イキする。
尿道を塞がれた強制雌アクメから逃げ場がなくて頭がおかしくなりそう。
「ほら、また触手でイっただろ。」
「ちがっ、ちゃんとジークでイったからぁ」
「でも、触手にここ突かれた時にイってた。」
ジークが会陰を撫でながら言う。
絶対言いがかりだ。
「違うっ、ジークのおちんぽが、奥に来たからイった……」
必死に言う僕の言葉に、ジークが静かになる。
「じゃあ、念のためにもっかいな。」
少しの沈黙の後、上ずった声がとんでもないことを言ってまた動きが再開した。
ごりゅごりゅ、どちゅんっ、ぐぷっぐぷっ、ずちゅっ
「あ゛あ゛っ、ひゃら……あ゛っ」
さっきよりもっと強く結腸口を捏ねあげられる。
中の触手も一層激しく前立線を突き回してきて気持ち良すぎて辛いくらいだ。
また直ぐに絶頂感がせり上がってくる。
でも今イったらまた触手のせいにされちゃう。
「あ゛っ奥、きてぅっ、じーくのおちんぽでっ…ぼくのえっちな、お゛っ奥ぅっ、ごちゅごちゅされてっ、雌イキきちゃうっ、めしゅアクメっ……あ゛っ、あ゛、アクメしましゅっ、ん゛んーーーっっっ」
「はぁっ、んっ」
今日最大の絶頂を感じたのと同時に、ジークのペニスからもびゅくびゅくと精子が吐き出されるのを感じた。
ずるりと尿道を犯していた触手が抜けていく。
「あひぁ……」
堰き止められていた精液がとぷとぷと力なく鈴口からあふれて流れた。
触手に抱えられた僕の上に、ジークが被さって抱きしめてくる。
ジークの重さに沈むように触手が崩れて消えていき、二人でベッドに寝そべる形になった。
「勘違いで本当に良かった。」
僕の肩口に顔を埋めたジークが小さい声で言う。
「でも、いつか本当にスーが俺を好きじゃなくなるかもしれないのが怖い。」
ジークがどんな顔で言ってるのか、見えないけどなんとなくわかった。
「……ジーク、術を解いて欲しい。」
今度はちゃんと視界が戻ってきた。
日が落ちて薄暗いけど、ちゃんとジークの姿が見える。
自由になった両腕で僕もぎゅっと抱きしめ返した。
「これだけは絶対言えるんだけど、ジークがたとえ世界を滅ぼそうとしても、僕はジークが好きだよ。」
まだ息切れを起こした掠れた声しか出てこないけどなんとか伝えた。
被さっている肩に手を置いて上体を起こすように促す。
顔を上げたジークの表情は、泣きたそうな笑いたそうな顔をしていた。
大丈夫だよ、という気持ちを込めて僕はそれに笑いかけ、目の前の最推しの顔にそっとキスした。
ジークと仲直りした僕の人生はまたバラ色に戻った。
相変わらずたまに朝盛り上がって一緒に遅刻したり、授業をサボって盛り上がっちゃったりするけど、開き直った僕を教師も残念そうに眺めるだけだ。
部屋を離されたら嫌なので程度には気をつけるようにしてる。
そうして少し不良になった僕は、クラスメイトから前より話しかけられるようになった。
エミリ先生のグループとか、他の生徒とか。
なんか不思議だけど、そういうものかもしれない。
「委員長、完成したので納品。」
ある放課後エミリ先生が声をかけて来たのでまたあの階段下に向かった。
こないだより結構時間がかかったみたいだけど、正直期待しかない。
「遅くなってごめん。」
「そんな!いつまでも全裸待機できます!」
彼女が紙袋から取り出した作品は、サイズは前と同じだけどきちんと木のパネルに描かれた大作のようだった。
もったいぶっているのか裏返しで渡される。
「み、見ていいでしょうか!?」
「……いいよ。」
ワクテカしながらパネルをめくった。
途端に目にしたものに思考が止まる。
そこにはジークがいた。
100年後に魔王として大活躍する、ゲームのキャラデザのままのジークが。
出来は本当に素晴らしくて、前世の僕ならさめざめと泣きだしていたと思う。
でも今の僕はそれどころじゃなかった。
「君は……」
次の言葉が出てこないまま目の前の女生徒を見やる。
「案外細かいディテール忘れちゃってて、小物とかリリース時と違ったらごめん。」
軽い感じでエミリ先生が言う。
「待って、ちょっと待って、どういうこと?」
「サイン見て。」
もう一度画面に目を落とす。
右下に、あのゲームのイラストレーターの名前が少し崩した漢字で書かれていた。
また目を見開いてエミリ先生を見る。
「やっぱり君も私と同じなんだね。」
僕の反応で確信を得たエミリ先生が淡々と言う。
ジークと僕の運命が、大きく変わる予感がした。
(おわり)
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