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「そしたら僕たちが恋人同士だって周りに言っても嘘じゃないし!」

楽しそうに笑うジョシュア様。
頭がくらくらしてきた。
そうまでして兄弟で周囲にイタズラがしたいの?

「お言葉ですがジョシュア様、恋人というのは好き合う者同士でなるものです。」

「僕はディーが好きだよ。ディーも僕が乳首を触るといつも気持ちよさそうにしてるから、きっと僕を好きになるよ。」

「な!?」

僕の反応を見てジョシュア様がしまった、という顔をする。

「起きてたんですか!?」

「うん。寝たふりしててごめんね。」

そんな綺麗な顔でバツが悪そうに謝られても……。
つまり、僕の自慰はジョシュア様に知られてたってこと?
顔に熱が集まって真っ赤になるのが分かった。

もう、こうなりゃヤケだ。
今までは分を弁えるように努力して来たけど、ここまでされて今後何事も無く振るまえるわけない。

「お言葉ですがジョシュア様!貴方は変なお兄さんです!」

「ディー……」

「毎日寝るときに引っ付いてくるし、変なとこ弄るし、朝はキスするし、ご飯はあーんてするし、させるし、馬車で膝に乗せるし、ベタベタするし、手を繋ぐし……普通兄弟はそんな事しません。」

「だって、ディーが好きだから。」

「だめです。もうそんな人お兄さんじゃありません。」

僕が言うと、ジョシュア様の顔色が青褪めた。
今まで騙されていた分の仕返しはこれくらいでいいだろう。

「なので、……これからはちゃんと恋人としてやって下さい。」

僕が真っ赤になりながら言うと、ジョシュア様が目を丸くして僕を見た。

「僕も、ジョシュア様が好きです……っ」

言い終わった直後、隣にいたジョシュア様に抱きつかれた。
逃げる間も無く顎を取られてキスをされる。
毎朝されるように口内にすぐ舌が入ってきて、僕の舌を絡め取ってくる。

ぴちゃぴちゃってはしたない音が恥ずかしくて、でも気持ちがいい。

「っあ、……ふぅ、んふっ……んっ」

キスをされながら寄りかかられて、二人でベッドに倒れ込む。

「じ、じょしゅあしゃまぁ……」

口が離れた隙に話しかけた。

「ん?なぁに?」

口は空けてくれたけど、しつこく頬や瞼にまだキスをしてくる。

「ジョシュア様は僕の事をこ、恋人として好きなんですよね?」

だって、ジョシュア様はずっと兄弟に憧れてたみたいだから。
これまで見てきて、それが嘘だとは思えない。

「…………そうだよ。」

今の間は何。

「じゃあ、これからは僕のこと弟としてじゃなく恋人として見てくれるんですね?」

嫌な予感がして、念押しの問いかけ。

「僕はディーの事弟としても好きだから、どっちもでいいじゃない?ディーは僕の弟で、恋人だよ。」

「……それって変じゃないですか?」

「何で?ちっとも変じゃないよ。」

「でもジョシュア様……」

「この機に『様』っての止めない?僕たち恋人同士なんだから、僕のことは『お兄ちゃん』って呼んでほしいな。」

この人何言ってるんだろう?

「さっきもうお兄さんじゃないって言いました。」

「やだやだ。ディーの恋人も、お兄ちゃんも、僕がなるの。」

反論しようとしたところで、またキスをされて口を塞がれた。
同時にジョシュア様の白い手が僕の胴体を撫でてベストのボタンを外していく。

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