5 / 9
5,
しおりを挟む「そしたら僕たちが恋人同士だって周りに言っても嘘じゃないし!」
楽しそうに笑うジョシュア様。
頭がくらくらしてきた。
そうまでして兄弟で周囲にイタズラがしたいの?
「お言葉ですがジョシュア様、恋人というのは好き合う者同士でなるものです。」
「僕はディーが好きだよ。ディーも僕が乳首を触るといつも気持ちよさそうにしてるから、きっと僕を好きになるよ。」
「な!?」
僕の反応を見てジョシュア様がしまった、という顔をする。
「起きてたんですか!?」
「うん。寝たふりしててごめんね。」
そんな綺麗な顔でバツが悪そうに謝られても……。
つまり、僕の自慰はジョシュア様に知られてたってこと?
顔に熱が集まって真っ赤になるのが分かった。
もう、こうなりゃヤケだ。
今までは分を弁えるように努力して来たけど、ここまでされて今後何事も無く振るまえるわけない。
「お言葉ですがジョシュア様!貴方は変なお兄さんです!」
「ディー……」
「毎日寝るときに引っ付いてくるし、変なとこ弄るし、朝はキスするし、ご飯はあーんてするし、させるし、馬車で膝に乗せるし、ベタベタするし、手を繋ぐし……普通兄弟はそんな事しません。」
「だって、ディーが好きだから。」
「だめです。もうそんな人お兄さんじゃありません。」
僕が言うと、ジョシュア様の顔色が青褪めた。
今まで騙されていた分の仕返しはこれくらいでいいだろう。
「なので、……これからはちゃんと恋人としてやって下さい。」
僕が真っ赤になりながら言うと、ジョシュア様が目を丸くして僕を見た。
「僕も、ジョシュア様が好きです……っ」
言い終わった直後、隣にいたジョシュア様に抱きつかれた。
逃げる間も無く顎を取られてキスをされる。
毎朝されるように口内にすぐ舌が入ってきて、僕の舌を絡め取ってくる。
ぴちゃぴちゃってはしたない音が恥ずかしくて、でも気持ちがいい。
「っあ、……ふぅ、んふっ……んっ」
キスをされながら寄りかかられて、二人でベッドに倒れ込む。
「じ、じょしゅあしゃまぁ……」
口が離れた隙に話しかけた。
「ん?なぁに?」
口は空けてくれたけど、しつこく頬や瞼にまだキスをしてくる。
「ジョシュア様は僕の事をこ、恋人として好きなんですよね?」
だって、ジョシュア様はずっと兄弟に憧れてたみたいだから。
これまで見てきて、それが嘘だとは思えない。
「…………そうだよ。」
今の間は何。
「じゃあ、これからは僕のこと弟としてじゃなく恋人として見てくれるんですね?」
嫌な予感がして、念押しの問いかけ。
「僕はディーの事弟としても好きだから、どっちもでいいじゃない?ディーは僕の弟で、恋人だよ。」
「……それって変じゃないですか?」
「何で?ちっとも変じゃないよ。」
「でもジョシュア様……」
「この機に『様』っての止めない?僕たち恋人同士なんだから、僕のことは『お兄ちゃん』って呼んでほしいな。」
この人何言ってるんだろう?
「さっきもうお兄さんじゃないって言いました。」
「やだやだ。ディーの恋人も、お兄ちゃんも、僕がなるの。」
反論しようとしたところで、またキスをされて口を塞がれた。
同時にジョシュア様の白い手が僕の胴体を撫でてベストのボタンを外していく。
90
お気に入りに追加
374
あなたにおすすめの小説
ちっちゃい悪役令息は婚約者から逃げられない
めっちゃ抹茶
BL
『ピタッとハマって抜け出せない!?BL凹凸学園〜愛の巣ごもりはこちらです編〜』
突然、通称「ピタハマ」の乙女ゲーム(R18版)に悪役令息リュカとして転生してしまった…俺。
……いや、…………………はは、ハハハ。
…
……
………
ムリだよぉぉおおおお!!
だってこのゲームっ!特にR18版なんて!!
(ふぅ)
(スゥぅぅぅぅゥゥウ!!!)
相性の一番いいヤツとヤリまくって
学生の身なのに子作りに励むゲームなんだぁぁぁあああ!!
悪役とか関係ないんだゾ!!!!
ムリだよぉぉおおおお!!!!!!
(ナレーター:俺)
さて、貞操を守りつつ無事に学園から脱出出来るのか!?
俺の運命やいかに………!
盛り上がった気分のまま突っ走って書いた話です。テンションは常にジェットコースター
ちっちゃいのに男前なの、可愛い。
溺愛デロデロエロ注意。
R-18には*付けてます
【完結】足手まといの俺が「史上最強パーティを離脱したい」と言い出したら、なぜか国の至宝と呼ばれる剣聖とその親友の大魔道士に囲い込まれる話
.mizutama.
BL
※完結しました!ありがとうございます!
「もう潮時だろう? いい加減に目を覚ませ! お前はあの二人に遊ばれているだけなんだ!」
勇敢な冒険者を目指すティト・アスティは、魔法学園の下男として働きながら、いつか難攻不落と言われる国内最大のダンジョン攻略の旅に出ることを夢見ていた。
そんなある日、魔法学園の最上級生で国の至宝とよばれる最強の魔剣士・ファビオが、その親友の魔導士・オルランドとともに、ダンジョン攻略のための旅に出るための仲間の選定を行うことになった。
皆が固唾を飲んで見守る中、どんなめぐりあわせかそこにたまたま居合わせただけのティトが、ファビオにパーティのメンバーとして指名されてしまった。
半ば強引にパーティに引き入れられ冒険の旅へ出る羽目になったティトだったが、行く先々での嘲笑や嫉妬、嫌がらせ、そして己の力のなさに絶望し、ついにはファビオとオルランドにパーティ離脱を申し出る。
――だが、ファビオとオルランドの反応は、ティトの予想だにしなかったものだった……。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
タイトルそのまま。ありがちな設定と展開。タイプの違う美形攻め二人×鈍感庶民受け
溺愛系を目指しています!
※注1 一対一嗜好の方には激しくオススメできない内容です!!
※注2 作者は基本的に総受け・総愛されを好む人間です。固定カプにこだわりがある方には不向きです。
作者の歪んだ嗜好そのままに書かれる物語です。ご理解の上、閲覧ください。
複数攻め・総受けが好きな人のために書きました! 同じ嗜好の人を求めています!!
【短編/R18】親友からホワイトデーにお返しもらったけど全く心当たりない
ナイトウ
BL
モテモテチャラ男風巨根イかせたがりDD攻め×平凡攻め大好き全肯定系DD受け
傾向: 両片想いからのイチャラブ、イかせ、前立腺責め、PC筋開発、精嚢責め、直腸S状部責め、トコロテン、連続絶頂、快楽漬け、あへおほ
両片思いだった大学生ふたりが勘違いの結果両思いになり、攻めの好きゲージ大解放により受けがぐちゃぐちゃにされる話です。
同室のクールな不良に嫌われてると思っていたのに、毎晩抱きしめてくる
ななな
BL
「ルームメイト変更、する?」
「…………は?」
全寮制の男子校に通う高瀬の同室相手は、クールでイケメンな不良。
誰に対しても塩対応ではあるが、高瀬に対してはもっとひどかった。
挨拶だけは返してくれるものの、基本的に会話という会話はない。
おそらく嫌われている………。
ならいっそ、ルームメイトを変更してもらったほうがいいんじゃないか。
そう思った高瀬が不良に提案してみると…?
高瀬(受)微無自覚美人。読書と勉強が趣味。
津田(攻)素行不良。喧嘩するタイプではない。ギャップの塊。
※途中でR-18シーンが入ります。「※」マークをつけます。
※王道設定ではありません。普通の男子校が全寮制なだけです。
【BL・R18】可愛い弟に拘束されているのは何ででしょうか…?
梅花
BL
伯爵家長男の俺は、弟が大好き。プラチナブロンドの髪や青色の瞳。見た目もさることながら、性格も良くて俺を『にーに』なんて呼んだりしてさ。
ても、そんな弟が成人を迎えたある日…俺は…
基本、R18のため、描写ありと思ってください。
特に告知はしません。
短編になる予定です。地雷にはお気をつけください!
横暴な幼馴染から逃げようとしたら死にそうになるまで抱き潰された
戸沖たま
BL
「おいグズ」
「何ぐだぐだ言ってんだ、最優先は俺だろうが」
「ヘラヘラ笑ってんじゃねぇよ不細工」
横暴な幼馴染に虐げられてはや19年。
もうそろそろ耐えられないので、幼馴染に見つからない場所に逃げたい…!
そう考えた薬局の一人息子であるユパは、ある日の晩家出を図ろうとしていたところを運悪く見つかってしまい……。
横暴執着攻め×不憫な受け/結構いじめられています/結腸攻め/失禁/スパンキング(ぬるい)/洗脳
などなど完全に無理矢理襲われているので苦手な方はご注意!初っ端からやっちゃってます!
胸焼け注意!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる